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自己啓発本を読むよりも経験は勝るという気づきをくれた本

コスパとかタイパなんて言葉が巷では囁かれ、
いかに手間をかけずに成功するかと言った投稿や動画が溢れていますね。

そういう話を聞きたい人が多くて、
そう言った内容は人気なんでしょうね。

かく言う私もそう言う記事は見ちゃったりしますが。

ただ、本当に内容の深い記事もあれば、
単によくある自己啓発系の記事にある言葉の寄せ集めで、
「これを書いた人は実体験してないな」と思うような記事も見かけます。

こう言う記事がよく読まれるから、
再生回数とかビュー数稼ぎで書いているのかもしれないけど。

自己啓発本を読むのも悪くはないと思うのですが、
そこにばかりのめり込んでしまうと、
これから紹介する本にも書かれていたのですが、
『通信教育で空手を習って自分は最強だと言っているのと同じ』
と言った人間になってしまう気がします。

そう言う人って同じように自己啓発好きな人同士では
話が盛り上がると思いますが、
そうでない人からしたら魅力的には見えないんじゃないかなぁ。

なので私は自己啓発本は嫌いじゃないけど、
読みすぎないようにしています。

そんな私が過去に読んでインパクトのあった本をご紹介します。

『マグロ船で学んだ人生哲学
〜ボクの生き方を変えた漁師たちとの一問一答集〜』



30代くらいに読んだ本かと思ってたけど、
2010年に発行された本でした。

当時40歳。
30代の頃は迷走しまくりでしたが、
40歳でもまだモヤモヤしていたんだな。

この本の概要は、生きづらさを抱えていた著者が、
ブラックな会社の上司のパワハラに逢い、
なんと遠洋漁業のマグロ船に乗る事を命じられてしまいます。

マグロ船なんて借金の肩代わりとかで乗せられるもので、
怖い漁師とともに40日も海に出なければいけないのは、
ご本人的には「終わった・・」と思うような出来事でした。

しかし、いざ船に乗ってみると、
漁師たちは狭い船の中でお互いが気分良く過ごせるような
コミュニケーション術を身につけていたり、
感情のコントロールができていたり、
人間的に見習う部分が多い人たちだったそうです。

そんな漁師たちとの船の上でのエピソードが、
一問一答形式でマンガと文章で綴られていて、
なかなかユーモアに溢れ、また目から鱗なお話が満載でした。



以下、一部ご紹介します。

著者:「人生予定通りにいきません」
漁師:「予定するからハズれるんじゃ!」

漁は日によって捕れたり捕れなかったりする日があります。
「今日は何匹捕るぞ!」と決めてしまうと、
それが達成できなかった時にギクシャクしてしまうから、
決めないのだそうだ。

著者:「誰もボクに興味を持ってくれません」
漁師:「お前に興味のあるヤツなどこの世におらん!!」

「自分のことばっかししゃべるヤツは自分勝手としか思われん。
人から好かれるには、まず相手のことに興味を持つのが先ど」

人に興味を持ってもらいたくて、
自分語りしてしまう経験ありますよね・・。
でもまず先に相手のことを聞く事で円滑なコミュニケーションを
はかれるのかもしれません。

と、このようにストレートで厳しいけれども、
愛のある漁師の金言がこの本にいろいろ記されています。

最終的にこの著者はこのマグロ船に乗った経験を活かして、
本を書いたり、職場の雰囲気を良くする活動をして、
自分の理想とする生き方を得ていきます。

著者は船に乗る前は150万くらいする自己啓発の教材を買って勉強したり、
セミナーなんかも足繁く通っていたようですが、
そんなものよりも実際知らなかった世界を体験する事が、
自身に気づきを与えたんですよね。

まぁこの方が成功した要因は、
この人自身が素直だったと言うのも大きいと思いますが。

あとがきも良い事を書いているので、一部をご紹介します。

前略
そんな漁師たちは、自分自身に高い誇りを持ち、
また、船の上は不便だからこそ、
楽しく幸せに生きる知恵を持っていました。

一方、大半の日本人のサラリーマンはどうでしょう?
漁師に比べれば、圧倒的に便利で、快適な生活を送っています。
それにもかかわらず、毎日ストレスを抱え、
ツライと感じる日々を過ごしているのではないでしょうか?

漁師は不便だけど幸せで、
多くの日本人サラリーマンは不幸だと感じている両者の違い。

それは何かと聞かれれば、僕は「考え方が正反対だから」と答えます。
大半の日本人は、便利すぎる社会に慣れすぎたため、
少しでも嫌な事が起きると、「自分はなんて不幸なんだ」と、
思い込んでしまうようにできているのです。

一方で漁師たちは、不便なのが当たり前の日常を過ごしているため、
「どうしたら毎日楽しく暮らせるのか?」という工夫を、
日々ゲーム感覚で考えているのです。

『マグロ船で学んだ人生哲学〜ボクの生き方を変えた漁師たちとの一問一答集〜』


ちなみに私はこの本を読んだ数年後、
ちょっと不便な国を旅しました。

そこで私はこの本の著者と似たような経験をしました。

どんな自己啓発本よりも、自分の肌で感じた事は、
その後の人生の学びになりました。

最近は電車に乗っていても街を歩いていても、
スマホから目を離さない人ばかり目につきます。

答えはスマホの中にないと思っています。
(参考にするとか、知識を入れるのは悪い事ではないけどね)

知らない世界を体験してみると、大変な思いをするかもしれないけど、
視野が広がって問題解決の糸口になるかもしれないと言う事を、
この本は教えてくれた気がします。

しばらく本棚に眠っていて久しぶりにページをめくってみたけど、
普通の人は知らない、マグロ船の上でのお仕事のお話も知れるので、
面白いです。

アマゾンで調べたら、中古品はまだあるみたい。


自宅の本棚がいっぱいになると、
読まない本は処分してきましたが、
この本は手元に置いていました。

それだけ良書だと思います。



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