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「木更津キャッツアイ」について語らせて下さい

昨日の「櫻井・有吉 THE夜会」で、櫻井くんと塚本くんが
「木更津キャッツアイ」のセリフ当てクイズをやっていて、
いろいろ懐かしいシーンを見ていたら記憶が蘇ってきた。

好きだったドラマベスト3を挙げますと、
①「初めて恋をした日に読む話」(2019年)
②「木更津キャッツアイ」(2002年)
③「ロングバケーション」(1996年)
なのですが、2019年の「はじこい」を見るまでは、
「木更津キャッツアイ」が私の中では不動の一位でした。

と言っても「木更津」は、放送されていた当時は見ていませんでした。

「木更津キャッツアイ」なんて「木更津」も「キャッツアイ」も
なかなかのパワーワード。
その二つが組み合わさったドラマ(おまけに岡田くんが主演)って
どんなドラマだ!?と気にはなっていましたが、
ある時チャンネルを回していたらちょうどオンエアしていて、
少し見たもののその時は何だかガチャガチャしていて良くわからず・・。

↓当時の予告。
これだけだとどんなドラマかわからないよね。



しかもその時は野球ドラマ(「ROOKIES」みたいな)だと思っていたので
野球に興味がなかった私は、すぐにチャンネルを回してしまいました。

そしてその後も見ることはなく月日は流れていきました。

数年後、派遣で働いていた職場で同じ部署にいたバイト君が
「木更津キャッツアイ」が好きだという話をしていて、
「へー」なんて思っていました。

ほどなくして何気なく見ていた雑誌に
「木更津キャッツアイ」の寸評が載っていて、
ざっくりとあらすじが書いてあったのですが、
「癌で余命半年の宣告をされた主人公」とあって、
「え? そんな重めの話なの!?」と、
ちょこっとだけ見たあのドラマのノリと
あまりにもかけ離れたあらすじがとても気になり、
DVDを借りにレンタルショップへ走ったのでした。

その「木更津キャッツアイ」は、
冒頭から瀕死の状態で病院に担ぎ込まれる主人公のシーンから始まります。

あぁ、本当に主人公の余命がいくばくも無いドラマなのだと理解しました。

ドラマの全容は冒頭の病院に担ぎ込まれる半年前くらいに遡り、
余命宣告されてからの主人公"ぶっさん"の生き様を描いています。

生き様と言っても結局仲間とバカやって
わちゃわちゃしているだけなのですが、
その何気ない「普通」の日常がぶっさんにとっては大事で、
見ている側にもその尊さが伝わるお話です。

まぁ、その日常の描き方が宮藤官九郎脚本なので、
全くもって普通ではないのですが、
病気とか野球(夜は怪盗団)とか表向きのテーマはありつつも、
木更津という寂れた小さな町の中で、
はちゃめちゃだけどそれなりに葛藤を抱えて生きている若者の
青春がメインテーマなんですよね。

その明るさと憂いのコントラストの描き方が秀逸でした。

ぶっさんの周りには学生時代からの仲間が4人いるのですが、
これまたみんなキャラが立っていてぶっさんを含めた
5人の関係性がとても面白い。

【ぶっさん(岡田准一)】

このドラマの主人公。
野球チームのポジションはキャッチャー。
理髪店を営む父親と二人暮らし。
冷めた風を装っているが、実は仲間が大好きな寂しがりや。
強がってはいるが、死を恐れる繊細な面も覗かせる。
生まれてから一度も木更津を出たことが無いらしい。


【バンビ(櫻井翔)】

木更津から東京の大学に通う、
メンバーの中では一目置かれた存在。
野球チームのポジションはピッチャー。
女性経験がない事をいじられるが、
片思い中の「モー子」を一途に思い続けている。
呉服屋の息子。


【アニ(塚本高史)】

親も周囲も高校の野球部で優秀な弟(純)を中心に見ているため、
純の兄という立ち位置で「アニ」と呼ばれている。
みんな自分の本当の名前を忘れているのではないかと気にしている。
ギャンブルで借金を抱えたりと破天荒キャラ。
家業は写真屋。


【マスター(佐藤隆太)】

メンバー唯一の妻帯者。子供は三人。
(途中までは一人はお腹の中)
所帯持ちのせいかメンバーの中では一番地に足がついているかも!?
元先輩の奧さんには頭が上がらない。
居酒屋「野球狂の詩」のマスターなのであだ名が「マスター」。


【うっちー(岡田義徳)】

謎多きキャラだが、何かと事件解決のキーパーソンだったりする。
最初ロン毛だったが途中でモヒカンにさせられる。
ずっと家を教えてくれなかったが実はお父さんがスパイらしい。
船で生活していて弟妹がやたらたくさんいる。


メインの5人以外のキャラも個性的でしたね。

・モー子(酒井若菜)

おバカキャラで男性関係もユルく見られているが、
実は男性経験なし。
ぶっさんが好きなようだが途中からバンビと付き合う。


・美礼先生(薬師丸ひろ子)

ぶっさんがちょっと好きな憧れの先生。
学校でのストレスを抱えすぎて学校に行けなくなってしまう。
学校に仕掛けるための爆弾を作ったり、意外とダークな面もある。


・猫田(阿部サダヲ)

ぶっさんたちの野球チーム「木更津キャッツ」の監督でもあり、
ヤクザの手下でもある胡散臭い人物。


・山口先輩(山口智充)

町のヤクザだが、頼もしい先輩でもある。
むしろ周りを和ませる存在でもある。


・オジー(古田新太)

木更津の町に住むホームレスだが、町の人には愛されている。
朝は「朝だよーー!」夜は「夜だよーー!」と叫んでいる。


・田淵公助(小日向文世)

ぶっさんのお父さん。
美容師だった亡きぶっさんのお母さんのお店を
引き継いで床屋を営んでいるが無免許でやっている。


・ローズ姉さん(森下愛子)

木更津のストリップ劇場の売れっ子?ストリッパー。
いろいろ過去があるようだが明るく町の男性陣を元気付けている。



2000年代初頭のドラマで(もう20年以上も前なんだね!)、
今見たらコンプラ引っかかりまくりの内容かもしれないけど、
当時は見たこともない(今でもこんなのない)革新的なドラマでした。

それまで見たことのなかった手法
(野球になぞらえた表のストーリーと裏の伏線回収、
表と裏の繋ぎ目はキュルキュルと映像が巻き戻る)に、
度肝を抜かれました。

サントラは今でもバラエティやニュースの特集VTRで度々使われてるしね。

後世に残る傑作だと思います。

今ならアマプラとU-NEXTでなら見れるみたい。

私ももう一度DVD(←後にDVDボックス買った)見返してみようかな〜。



「もうちょっと長く生きられりゃ、お前らなんかといねぇのに。」
と書いてありますね〜。
ぶっさんの裏腹な心が伺えますね。


ロケ地も行ったな〜。
懐かしい!


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