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カルチャーを作ることと、グランツーリスモが育ててきたもの

マガジン「思考のスナップショット」は、ライトなアウトプットを目的に、自分が今考えている事を地層のように蓄積していくシリーズです。
自分は本業でウェブサービスのPdMとEMを兼任していたり、趣味で音楽活動を行っているため、話題もサービス・モノの作り方などに関わることが多くなってくると思います。

初回のテーマは「カルチャーを作ること」です。

カルチャーを理解し、カルチャーを自ら作ることが重要である

今回は、OffTopicの宮武さんがPodcastで語っていたものを取り上げます。(Twitterにもサマリーが載っています)

今まで以上に会社はカルチャーを理解し、カルチャーを自ら作ったり、作るステークホルダーを知らなければいけない。

自分も同じように思っています。
良いプロダクト、強いビジネスモデルを作ることは最低条件で、それだけではユーザーに支持されない時代が来ているなと。
プロダクトを作るだけではなく、どのような文化・コミュニティを作っていくか、どのようなポジティブな影響を与えられるかも考える必要がありそうです。

最近、ゲームの分野で一つ事例があるなと感じていて、その一つがグランツーリスモにあると思います。

e-Sports文脈に力を入れ、モータースポーツ文化にさらなる広がりをもたらしたグランツーリスモ(GT)シリーズ

今年で25周年を向かえたPlayStationファミリー向けのゲームソフト、グランツーリスモ シリーズです。
PS3世代のGT6までは、車業界とのコラボレーションもあったものの、あくまでもドライビングシミュレーターとしてのリアルさを追求して、プロダクトのクオリティを高めていく方向が中心でした。
ただ、PS4のGT SPORTSから明確に舵切りが変わっていて、カルチャーを育てる方向に軸をシフトしたと思います。

それまでオフラインが主軸のゲーム性だったのに、突然、ネットワーク対戦やe-Sportsが中心に据えられたソフトに切り替わってしまいました。
当時の自分としては「どんな判断なんだ」と否定的な見方をした記憶があります。
ただし、今となっては、その時のポリフォニー・デジタルの判断は適切で、本当にすごかったなと思っています。

毎年、世界各地の都市で開催されるワールドツアーでは、リアルのカーメーカーが協賛し、コンセプトカーなども作られています。
F1の解説者も招いて7言語同時配信したり、リアルとゲーム、両方走るレーサーも存在しており、それぞれの垣根が消えてどんどん融合が進んでいます。
最近初めて大会をしっかりとみたのですが、その熱気が凄まじくとても引き込まれてしまいました。
車に詳しくなくても、わかりやすい解説などがついていて一つのスポーツ観戦として楽しめます。是非以下のリンクから試しに覗いてみてください。

▼ FPSゲーマーの釈迦さんが大会の様子を見ている切り抜き。大会の熱気を感じることが出来る

▼ ネイションズカップ2020の最終ラップの激闘。とにかく伝説級に熱い

比較する例を挙げるとすれば、Forza Motorsportがありそうです。
数年前までは、リアル系のレースゲームというと、グランツーリスモとForza Motorsportの双璧といった感じでした。

Forza Motorsportは、圧倒的なグラフィックと音が備わっており、高いクオリティを発揮していたゲームだと言えると思います。
ただ、やはりカルチャーを作り上げる所までは手が伸ばせず、プロダクト領域の改善にとどまっているように感じています。
現在は、全く違ったゲーム性でForza Horizonというスピンオフシリーズを中心に展開しており、そちらはゲームとしての楽しさにフォーカスしており、好調に推移しているようです。

もちろん、グランツーリスモでも通常のゲーミングシーンカルチャーも大事な部分だと思うので、今後も引き続き頑張ってほしいなと思います。

現在の思考のスナップショット

少し前は「コンテキスト」をプロダクト内に貯めていく必要があるぐらいに思っていましたが、それだけでは不十分ではと思うようになりました。
既存ユーザーやコミュニティはもちろん、外にも良い影響をもたらすためには「カルチャー」を把握し、作り、浸透させていく。
サービスを作って運用していく上でも、そのような動きが不可欠だと考え始めました。

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