私立中高一貫校の世界③公立ではなく私立に通う出口以外のメリットとは?
1.出口が同じなら、公立の方がコスパがいい?
夫は中高一貫校出身だったので、子どもが生まれたころから、子どもは中学受験をさせたいと話していました。とはいえ高校まで地方の公立育ちの私からすると、いわゆる大学受験という出口を考えたとき、必ずしも中学受験をしなければならないのかという部分においては、非常に疑問に思っていました。
私の地方の公立であっても、数は少ないながらも国公立や難関私大に合格する子はいましたし、浪人をして国立医学部に入学する子もいました。今は若干状況が変わってしまいましたが、当時はもちろんのこと、今でも、たとえ私の地元の過疎化の進む公立であっても、本人のポテンシャルと努力があればそれなりの大学へ進学することは不可能ではないと思います。むしろ大学は、そうしてスクリーニングされた子が行くべき場所ですし、仮に出口にさほど違いがなければ、わざわざ中高と多大なお金を投じて私立に行かせる意味とはどこにあるのだろうか、とも思う部分もありました。
そんな私の疑問に対し、当時、夫は「比率が違う」と説明しました。
「公立でももちろんできる奴はいるだろうけど、キミの地元の公立だと卒業生で東大や京大に進学するのはせいぜい、10年に1人とかでしょ。早慶入れても現役で進学するのは、100人に1人くらいじゃない?そして、その中で学部を選べる奴がどれくらいいる?都会の公立だってほとんどの公立は私立にはかなわない。だって所詮シラバスは自由に決められないんだからさ。そんな公立のレアなケースを見ても、学校のカリキュラムや先生の力量は進学実績とはまるで関係ない。単なる個体差で、再現性はない。もしかしてキミ、長男が10年に1人の逸材だとでも思っている?本気でそう思ってるとしたら、おめでたいにもほどがあるんじゃない」
と、このように断じたのです。
さらに、「地方公立から頑張って受験勉強して合格して来た奴らって、大学がゴールになっちゃう人も多いんだよね。そりゃ、そうなると思うよ。地元ではお山の大将なんだから。大学に入ったらまわりができる奴ばかりなのにビビって、学歴にしがみつくしかなくなるんだろうね」とも。
もちろんこれはあくまで彼の意見に過ぎませんが、私もまさに大学に補欠合格をし、同じような体験を経たこともあって、とても身につまされる話でした。
2.公立ではなく、私立中高一貫校に通わせた方が満足度が高いと感じる理由
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