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トップアスリートの育ち方に見る、教育と教育虐待の分水嶺

1.最善を尽くすことの難しさ

コロナ禍であることや無観客であることで、イマイチ盛り上がりに欠けると思っていた東京オリンピックですが、日本勢の活躍により、連日子どもたちとテレビでオリンピックを観戦しています。優勝候補と目された瀬戸大也選手が400M個人メドレーと200Mバタフライで予選落ちに終わったり、同じく金メダルを期待されていた内村航平選手が、鉄棒から落下したことにより失格となってしまったりと、例年よりも番狂わせが目立つように感じました。

やはりトップアスリートと呼ばれる人たちにとっても、オリンピックが一年延期され、直前まで開催すら危ぶまれていた中で、気力や体力、コンディション、そしてメンタルを当日に照準を合わせていく作業は、並大抵のことではなかったのでしょう。今年の受験も同じく、いつコロナにかかってテストが受けられない状況になるか、あるいはいつクラスターが起きて試験そのものが延期になるか、天のみぞ知る不安定な状況だったことで、思うように集中できなかった受験生もいたと思います。Withコロナの時代となった来年度の受験においても、そうした状況の読めない中でも最善を尽くせるかどうかということは、必須のスキルになっていくのだと感じました。こうした状況下は、背負うものが大きかったベテラン勢には特に不利に働いてしまったのかもしれません。

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