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今いちばん面白い漫画家、それは安野モヨコーー今読むべき安野モヨコおすすめ3作品

今、いちばん面白い漫画家って、結局は安野モヨコなのではないだろうか……!? と最近真剣に思う。それくらい『後ハッピー・マニア』を読み返し、そして第n次安野モヨコブームが私に到来している。安野モヨコ作品を読み返している。

というわけで今回は「今これを読め!! 安野モヨコ特集!!」です。


1.『後ハピ』のおすすめ楽しみ方

私はね、安野先生の「人間への解像度の高さ」がなにより好きなんですよ~~~。こういう人間ってこういうモノ持ってるしこういう服着るしこういう歩き方するしこういう動きするよね、うんうん、というその解像度にグッとくるのです。その人が本当に生きてきた軌跡が、隙間なくそのキャラクターに敷き詰められている。それが読んでいて本当にうれしくてうれしくて。

漫画家さんって自分で絵を描かなきゃいけないので、たとえばファッションにしても表情筋にしても、なんというか画力の限界ってあるじゃないですか。それは単純に絵が下手という意味ではなく、たとえば「ある青年漫画家の描く美人の顔が1パターンしかない」みたいな。その美人の絵はすっごく上手くても、描くパターンがそんなにない、って人はよくいると思うのです(それは批判しているわけではなく、そういう作風ってだけなのですが)。イケメン、とか、老人、とか、そういうのも同様ですよね。

でも安野先生の場合は、どの人間を描いても、「こういう顔をしている」人生がわかるんですよ!! 眉とか皺とか顎のラインとか、そのレベルからその人らしい顔になっていて。それは顔だけじゃなくてファッションやら動き方やら歩き方やらも同様なんです。だからすごいなあって思うし、なにより読んでいてきもちいい。あ~~~そう~~~そうなんよ~~~と気持ちよくなる。これは私が人間への解像度を物語に求めるフェチがあるからですが。

そしてその解像度は、安野先生はキャリアを積み重ねるごとに上がってゆくんですよ。『ハッピー・マニア』よりも『後ハッピー・マニア』のほうが解像度が高いなあと思います。

それが如実に表れているのが……『後ハッピー・マニア』の話をしている安野先生のnote!!!(やっと本題)

私はこのnoteが好きで好きで……常に更新を待ち望んでいる。有料だけど『後ハッピー・マニア』ファンは全員読んでほしい。まじで。

『後ハッピー・マニア』に出てくる女性たちの小道具やら意図やらキャラクター解説を安野先生がしてくれているんですが、もう楽しすぎて……こういう作者のキャラクター解説だけ読んでいたいんですがそういう王国はこの世にないんでしょうか? ないんですかね。

たとえばフクちゃんとシゲタさんの化粧品の話にまるまる一回使って解説してくれている回。好きすぎる。こういう化粧品を使ってそうわかるわかるわかる~~~と思いながら読んでしまう。

あるいはこれは今一番気になる女こと麻衣子の解説。彼女がなぜあーいう服を着ているのか、どこで服を買っているのかまで書いてくれていてまじ嬉しい。こういう話を読みたいんだ私は(なんでこんなに好きなんだろう……)。

ちなみにこのnoteを読んだ感想は「はやく田嶋家の娘が見たい」。

というわけで、わたくし『後ハッピー・マニア』は安野先生のnoteとともに楽しむことをおすすめします。ぜひ読んでください。そうしてこのnoteを待ち望んでいる読者がいるアピールを運営(どこ?)にしたい。


2.『美人画報』が今読んでもたのしい

みなさまご存知でしょうか、安野モヨコ伝説のVOCE連載『美人画報』が電子版として現在販売されていることを……!!!

私たしか実家に『美人画報』があった気がするんだけど(母が買ったのであろう)、自分でも買って読んでいたんでした。しかし電子版も買ってしまった。なぜなら表紙の絵が素敵すぎるのと書き下ろしも読みたかったから。

書き下ろし漫画には現在の安野先生がストレッチポールで体をほぐしながら原稿をなさっている様子が描かれています。……わ、私もやらねば(涙目)という気持ちになります。安野先生くらいレジェンド売れっ子でも、体をほぐしながら、原稿をしているという、事実……!!!!! モチベーションとはこのことです。

『美人画報』は1998~2003年連載なので、情報そのものは昔のものなのですが、それでも今読んでも楽しい。なぜなら安野先生の美意識そのものがここには詰まっているから……。原稿をやる時もちゃんと着替えるとか、しぬほど忙しくてもデートしているとか、服を買ったりエステに行ったり旅行で楽しんだりしているとか、ちゃんとネイルにうっとりするとか、そういう、そういう安野先生の美意識が私は大好き。絵も大好き。

しかし読んでいてふと思ったのが、林真理子先生とか安野モヨコ先生とかに代表されるような「買った服とダイエット情報を常に発信してくれる文筆業女性」って結構いたんだけど今はそういうアイコンって誰なんだろう。最近だとVOCEで東村アキコ先生が連載されてたよなあ。いやでもダイエットって感じじゃなかったような。いやはや誰かダイエット頑張ってる作家業の連載を立ち上げておくれよ(何の要望なんだ)。


3.『働きマン』を今読むとグッとくる

『働きマン』とかさ……もうまごうことなく安野先生の代表作のひとつだとは思うんですが、何度読んでも漫画としての面白さにびっくりしちゃうよな……。

ていうか何度も言うけど安野モヨコ先生の描く、人間の容姿への解像度は異常。すごすぎる。それがよく分かる漫画こと『働きマン』……。

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