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カズオの運行日報 第7話メイキング

今回はトラックドライバーの業務についてのシーンはないので、日本神話・神社等に関する補足的なお話、メイキングです。



18歳にもなって号泣したカズオ

カズオがわんわん泣いたのはマンガとしての大げさな演出・涙もろいっていうキャラ立てでもあるんですが…、

カズオの運行日報 第7話より


よくないことが続いたときに自分を責めてしまったり、普段「頑張らなきゃ」と気を張っていたりする真面目な人は「脆い」とよく言いますね。
べつにマジメ自慢するワケじゃないのですが焦げ猫自身が人にそう指摘されるほど「全力投球してしまい→コケるとダメージが大きい」タイプでもあり、カズオと逆パターンでいい歳こいて大泣きしたことがあります。

一生懸命やって現場の評価は高かったのに、「出る釘を打つ」タイプの会社だったので上から自主退職に追い込まれ、「なぜ、なぜなんだぁ〜」と(空耳アワー KISS “Baby Driver ”)。

鼻水たらしてんの上司に見られました

だからカズオには逆に「一生懸命やってることを、わかってもらえてた嬉しさ」で泣いてもらいました。

こういうことももちろんあると思います。
ホンットウ〜に親身になってくれる会社もありましたから。
自分が大病して辞めざるを得なくなったり倒産しちゃったり、いろんな理由でお別れが来ちゃったんですけども。

ちなみに「ヨソでやらかした」青さん、槍杉さんのヒストリーもいずれアップする予定ですのでお楽しみに!


神主役やった禍津日神って何者ですか

カズオの少年時代〜就職までを描いた前作「グランジの神様」に登場したキーマンであり、「バチを当てる担当の神様」なんですが、前作を読んでない方スミマセン。
「誰コレ」だと思うのでちょっと説明しますと、「禍津日神(マガツヒノカミ)」というのは日本神話で国産みをした(日本列島を作った)イザナギの垢から生まれた「災厄を司る神」とされています。

作中では、貧乏神だったカズオのお祖父さんの元上司です。

「グランジの神様」 最終話前編より

日本神話すべてにおいて解釈が諸説ありますが、禍津日神については近々スピンオフ(?)短編を描こうと予定してます。

今回の禍津日神の設定について

焦げ猫の家はべつに代々日本神道というわけではないので、神社の神様が好きになって用が無くても神社に行くようになったのもここ数年ですし、家に神棚もないし、まだまだ神道1年生ではあります…。

なので、ご祈祷やお祓いを受けたことはありますが、あとあとマンガに描くとは思ってなかったので流れで作法通りにするのに一杯一杯であまり覚えておらず…考証や資料集めに苦労して、それでもまだ間違ってるとこがあるかもしれません。すみません。

神主(宮司)として登場した禍津日神の袴の色は、白地に白紋が最上級の神職さんと聞いたので「なんせ神そのものだから袴はソレなんだろうな」と。

白地に白って見にくいのですが一応描き込んでます


それと本来神主さんはマンガ作中のような仏教の法話じみたことはあまり言いません。
コレは縁ある禍津日神サンだからだと思ってください(汗)。

クセの強い祝詞

それと祝詞でカズオが笑うのは、やはりモデルとなった事件がありまして。
焦げ猫の姉の結婚式のときの神主さんがすんごいクセ強くて、隣の弟も笑い堪えて震えてるしで余計におかしくなり大変だったことがあったんでその経験です。
ほかにもなんどもお祓いやご祈祷は受けたことがありますが、笑っちゃったのは後にも先にもこのときだけで、すべての神主さんの祝詞奏上がおもしろいわけではありません。

カズオの運行日報 第7話より

シニカルな禍津日神だし、そもそも「祝詞を上げる側」になったこともないでしょうから、大げさに読んだって設定です。

自分で描いてて今さらですが、そういえばこのキャラなんかに似てるなと思ったら、「風の谷のナウシカ」のクワトロっぽい?
あの「胡散臭いのに有能」ってとこが。


天女の作画について

コレは正直なところ、結果的にちゃんと資料見て考証して描いてないです。

「天女」「弁天」的な神々しい優しいお姉さんに連れていってもらう…という図を描きたかったのですが、「天女」「弁天」で古くに描かれた絵などを参考にしようとしたら、検索で出てくるのがどちらかというと仏教系というか大陸から来た匂いがする絵ばっかりなんですよね。
そもそも弁天はじめ七福神が大陸由来で、焦げ猫が描いたのも結局ソレっぽいですが。

それじゃあ神楽を舞う巫女さんをモデルにしようかとも思ったのですが、「お迎え」っぽくならない気がして…。
かといって古墳時代以前の高貴な女性だと卑弥呼のような占い師っぽい雰囲気で神々しくないし、天照大御神にしちゃうのはいくらなんでもVIP待遇すぎ。

で、なんとなくで描いたら「吉原炎上」の派手な衿に筒袖の襦袢、前結びの帯という女郎スタイル、しかも大陸っぽいのがイヤだったのに髪型や髪飾りがソレ風になってしまった。

カズオの運行日報 第7話より

あとから「大和朝廷 衣服 女性」ってキーワードで探せばよかったんだ!!」と気づきました。
男性の衣装のほうは手塚先生(「火の鳥」ヤマト編」)の作品で覚えてたんですが…。

しかも上衣をレイヤーにしてない、袖や裾見ると襦袢も着てなさそうなのに襟が二重になってたり、あとから見るとツッコミどころ満載ですな。

カイゼンの余地ありです。
もしいずれKindleにまとめて出版できるなら、そのときは新しく描いて差し替えようかとも思っています。


大きい神社がいいとは限らない?

作中でお祖父さんが「大きい神社がいいとは限らない」と言ってますが、コレは焦げ猫の経験プラス、プロの方の筆による実在霊能者さんのマンガ作品等からの知識です。

カズオの運行日報 第7話より

大きな神社の出張ご祈祷で経験した話

焦げ猫は昔、建売り買ったらなんかの怒りを買ってしまい、取り返しのつかない経験をしたことがあります。

その家を買ったとき、建売りだから地鎮祭なんかやってないだろうくらいのことはなんとなくわかっていたので、入居時のお清めというかお祓いというか、「氏神様よろしくお願いします」を一応しなきゃと思ったんです。

近くに神社はあったけど、普段人がいないのでどうしていいかわからず、もう少し離れたとこにある地元で有名な某神社に申し込み神主さんに来ていただきました。

神主さんは三宝やら簡易祭壇やらぜんぶ持ってきてくださったんですが、お供えの野菜が見るからに使い回しのしなびた芋や大根で、信心のあまりなかった私が見ても「大丈夫なのかなコレ…言ってもらえればこっちで用意したのに…」と思いました。

やって頂いてこんなコト言っちゃいけませんが、まぁ不安的中?

てか、自分自身に心底から信心がなかったからいけなかったのかもしれません。神主さんのせいにしてはいけませんね。

その後いろいろあって「普段人がいない(社務所に)」神社のそばに引っ越しましたが、そここそが氏神神社としていつも通って頭下げるべき場所なんだなぁと実感。

未公開作品「オバケ屋敷、神さま屋敷」より

実話系マンガ作品なんかでも、「神主の力が足りなくて禍事が収まらなかった」ケースが結構描かれているので、神職だからって全員がなんか能力があるわけじゃないってのは実感しましたね…。
コレは仏教つまりお寺のお坊さんでも同じだと思います。
だからって神職者の能力のあるなしを値踏みするのは傲りというか不遜だと思うので、こればっかりは自分の信心と運任せですかね…。

大きな有名な神社のデメリット

それと昔からの通説ですが、大きい有名な神社は人がたくさん自分の願い事ばっかり言いにくる、その負のエネルギーを拾ってしまうってこともあるようです。

焦げ猫は龍神様のお水取りができる某H神社で、非常に嫌な思いをしたことがあります…。

七五三か何かで子どもや若夫婦を連れてきたお義母さんとおぼしき年配の女性が、持参した空のペットボトル何本もに汲んだあげく中味の入ったペットボトルを空にするためにその場に残りの飲料を捨て、ご家族に「ホレあんたもどんどん汲めや」とその場を占領…。

その神社ではお水取り用に250mlくらいの小さな空ペットボトルを100円(確か…今値上げしてるかも)で売っているのですが、焦げ猫はお賽銭というか神社維持費になるのだろうと思い、お水を頂戴するならと毎回そのボトル買ってお水を頂いていました。
みんなにそうしろとは言わないけど飲み残しをそこで捨てるなんて…!?

なんかその欲むき出しのあさましさ、不躾な感じを不快に思ったので、「なるほど有名な神社だからいろんな人がくる、負のエネルギーが溜まる、それを拾うってこういうことか」と思ったのでした。
自分がそれを不愉快に思うことでハッキリと「あー拾っちゃったわ」って実感しましたもん…。

「氏神神社」とは別に「崇敬神社」として自分に合った有名どころに行くのもいいと思いますが、できれば人の少ない日に行きたいですね…。

自分の家の一番近くで、普段は静かでも通年ときどき人が参拝していて、お祭りや初詣には人が集まり、手入れが行き届いていてリクエストがあればちゃんと神事もやっている…そんな「氏神神社」にカジュアルに親しむのがいいのかなと自分は思いました。

神社に行く意味

さいごに、禍津日神が「たまに神社にこい」と言ってますが、コレには神道信仰を強制する意図はありません。
カジュアルにきて、鳥居をくぐり、日々の感謝を伝えたりよきことをご報告したり…それだけで気持ちが爽やかになるのでいいもんですよ。
だいたいの神社は樹木がありますから空気も物理的に綺麗ですし。

ただ、あんまりさびれた神社もオススメできないかな…。
誰も手入れしてないような。

また、「神社は感謝を伝える所であって願掛けする所じゃない」
…とも言う人もいますが、いつも感謝しててときどきなら、どうしてものお願いごとはしてもいいんじゃないですか。
そのために神主さんにご祈祷を頼む慣いがあるワケですし。
(あっ、「上司の✖️✖️タヒね」なんて書いた絵馬をテレビかなんかで見たことありますがそういうのはいけないですね〜)

もちろん、お寺が好きな人はお寺でもいいと思います。
自分が気持ちいいと思える場所でいいんじゃないですかね、パワースポット情報なんかアテにせずに。

心が垢抜けたってこういうこと

「カズオの〜」次回は

「カズオの運行日報」本編は次回話から新展開です。

あの男とあの女がやってくる!?
…と、本編記事末に書いてますが。
すみません大した者じゃないです…「グランジの神様」「グランジの神様 外伝」に登場したキャラです。

更新に時間かかってますが、楽しみにして頂ければ幸いです。

「グランジの神様」はこちらのマガジンで読めます↓

カズオの運行日報 本編はこちらのマガジンで!↓


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