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見えなくても応援したい

クラブハウスでお世話になっている脚本家の今井雅子先生の作品を朗読する「膝枕リ
レー」の500日アニバーサリーにプロのナレーターさんがやっている「迷ナレーター
達が紡ぐ朗読の世界」というルームで今井雅子祭りをやっていた。

そこで読まれたNoteでの今井先生の最初の記事。


彼女のnoteを応援したくて元応援団員はnoteを始めた|脚本家・今井雅子(clubhous
e朗読 #膝枕リレー)|note
https://note.com/masakoimal/n/nf31477fa2305


先生がNoteを始めたきっかけは応援するためだったとの事。レベルは天と地の差だが
、動機が私と同じだったことに感無量。私も視覚障碍者の友人「れきしー君の知育歴
史話」さんの応援のためにNoteのアカウントを取った。

れきしーくんの知育歴史話|note
https://note.com/yokko9025/

れきしー君は子供でも楽しめる歴史上のエピソードや豆知識を投稿しているが、毎日
休まずもう2年近くも続けている。
とりあえず子供向けというていだが、本を読む習慣がない大人が「600文字くらいな
ら読める」と言ったらしく、長い作品も一回を1000文字以内くらいで何回かに分けて
投稿している。


そんなれきしー君を私が応援している理由は以下のとおり。

れきしー君は幼少期に失明しているので、盲学校で点字教育を受けてきている。だか
ら点字の読み書きのスピードは私のような中途失明者的には神レベル。でも反対に漢
字教育を受けていないので漢字の知識があまりない。
彼女のように盲学校で点字で教育を受けてきた人も今はパソコンやスマホで漢字かな
交じり文をやり取りしている。音声出力ソフトやボイスオーバーは、例えば「字」と
いう漢字なら「もじのじ、あざ」というように説明をしてくれている。しかし形を見
たことのない漢字を説明だけで覚えて使っている盲学校育ちの人たちは私たち中途障
碍者が点字を習得するのと同様多くの苦労を強いられている。

そんな中、日常エッセイならともかく、歴史物を書くのはかなりハードルが高い。Go
ogleとかでいちいち漢字を調べていたら毎日更新は無理だろう。

高校まで漢字教育を受けてきて、しかもどうでもいい日常のよしなしごとをそこはか
となく書いている私でさえ、誤字脱字は音声ソフトでは拾いきれない。


はじめのうちは知り合いのヘルパーさんに自分が点字で書いた文章を清書してもらっ
ていたらしいが、途中でその人の都合がつかなくなり、断念か!と思いきや、Twitter
でつぶやいたところ、清書を頼まれてくれるという人が手を挙げてくれた。
まさに捨てる神あれば拾う神あり。
その方もれきしー君も仕事をしているので朝しか時間がないという事で、4時に起き
て電話でやり取りしているそうだ。

私が「テキストを仮名で書いて送ったら」と提案したところ、細かいところもちゃん
と伝えたいから電話がいいとの言だった。
何という精神力!何という継続力!もう多少誤字脱字があっても責められない。


こんな文字のハードルに加えて、題材探しがまた大変。見える人のように資料やデー
タを広げて・・・なんて事はできない。
朗読図書と点字本を中心に題材を選んでいるそうだが、私たちは斜め読みというのが
できない。デジタルの朗読図書はチャプターごとに飛べるので、カセットテープだっ
た時よりははるかにましだが、目次にあたりをつけたらそこをかなり聴きこまなけれ
ば自分が目的としている内容かどうか判別できない。点字も同様である。
本も、見える人のように図書館で欲しいテーマのタイトルを何冊かその場で確かめて
必要なものを選ぶことができない。今はパソコンや盲人向け読書機でダウンロードで
きるようになったので、昔のように図書館から送られてくるのを今か今かと待ちわび
ることはなくなったけれど、タイトルでダウンロードしてかなり読んでみたけれど、
自分の探していた内容とは違ったなんてことはざらにある。この辺は視覚障碍者の学
習困難にも通じている。


こんなハードル競争みたいな状態で毎日更新を2年近く続けているれきしー君、同じ
視覚障碍者として応援しないわけにはいかない。

歴史話や豆知識は私が知らなかったものも多く、読者としても楽しく読ませてもらっ
ている。毎日、しかも長く続けている上面白いので固定ファンもたくさんついて今や
ちょっとした人気コンテンツになっていて、「好き」(見える人にはハートのマーク
らしい)もたくさんついている。

そんなわけで、自分の適当な脳トレ記事はともかく、れきしー君にスキがたくさんつ
いていると何となく自分事のようにうれしい気持ちになる。


Noteを読んでいると、Noterさん同士が応援しあっている記事に出会う。お互い刺激
やインスピレーションをもらって、そこからまた新しいコンテンツが生まれているの
を感じる。

私も人の尻馬に乗って始めたNoteだけれど、こんな刺激的な循環に乗っかって地味に
でもちまちま書き続けられていることに改めて感謝である。

あ、ちなみに私も小学生の頃は目立ってなんぼの応援団長でした(笑)

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