2023年見えない私のベストバイ
シグナルエイドはボタンを押すと音声信号のスイッチが入ったり公共施設の入口があ
るところを音声で教えてくれたりする視覚障碍者用生活用具だ。
後で聞いたことによると、信号が青になっている時間を延長してくれたりもするらし
い。見えなかったり足が悪かったりすると普通の速度で横断歩道を渡るのは難しい。
信号が変わりそうだと焦ってけがをするリスクも高い。
私はすでに四半世紀以上視覚障碍者をやっているが昨年初めてこの商品の存在を全盲
の友人に教えてもらった。
その後日本点字図書館に白杖の修理に行ったとき、早速シグナルエイドについて質問
してみたところ、用具部の職員さんが丁寧に説明してくれた。
点字図書館には用具部というのがあって、図書の貸し出し以外にも盲人グッズ(正式
名称はわからない)を売っているところがある。
白杖はもちろん、音声で動くあれこれ、点字関連の商品などを始め、一般商品の中で
も見えない人に使いやすそうな物を売っている。
信号でのお試しはできなかったが外に出てボタンを押すと「日本点字図書館です」と
音声が流れた。
昨今はありがたいことに音声信号もあればエレベーターや駅の券売機、トイレのウォ
シュレットなどいろいろなところに点字を貼ってくれている。
でも見えない私たちがそこに点字が貼ってある事を知らなければそれはないのと同じ
。
だからたまたま点字に触れて「こんなところに点字があったのかい!!」なんて経験を
した事も1度や2度ではない。
エレベーターやトイレなどは点字が貼ってあるに違いないという憶測のもととにかく
あちこち触りまくって探す。特にコロナ禍の時は本当にいやだった。
そんなわけでせっかく点字をつけてくれているけれど、私はあまりエレベーターは使
わない。それでなくても苦手な点字をあちこち探すストレスを考えると階段の方が速
いし楽なのだ。
しかしそこらへんは個人差があって、点字が得意な全盲の友人も盲導犬ユーザーの友
達も基本エレベーターを使っていると言っていた。
目の前にある信号も音声信号化どうかすらわからない。
最近は音声信号のボタンから小さな音が出ているものもあるけれど、それを探すのは
意外と大変。
特に私はカンが悪いので音源を探すのが苦手。音声信号であってもボタンを探さない
で人がいればその人にヒタヒタくっついて行く。
これはもうただの不審人物。それ以前に安全面からも推奨されない。世の中には信号
無視をする人もいるし、ギリギリにダッシュで渡る人もいるからだ。それでもとにか
く私は音源を探すのが面倒なのだ。
だからポケットかカバンに入れてあるシグナルエイドのボタンを押すだけで音声信号
のスイッチがオンになるのは外出中のストレスが一つ減ることになる。
ボタンを押すとピーと信号音が鳴り、そこが音声信号ならピロリんとスイッチがオン
になる音がする。
音声信号てなければ最初のピーしか聞こえてこない。
値段は12000円くらいと盲人グッズにありがちな高値。でも用具部の人に聞いたら生
活補助具になっているから1割負担でいいとの事。
重度障碍者には障害ゆえにとくに必要なものに対しては国から補助が出るのだ。
中途で重度視覚障碍者になった人のほとんどは点字が読めない。点字が読めてもその
点字をあちこち触って見つけるのがストレスフルだったりする。
以前見えないとトイレを見つけるのが大変だと書いた。音声を流してくれているとこ
ろも多いけれど、事情を知らない人のクレームで音声を消してしまったり音量を極端
に絞ったりされている所も増えている。
だったら普段は音声を流さなくてもいいから、シグナルエイドを押せばトイレから音
声が流れるみたいなシステムを作ってくれないものだろうか。
エレベーターもシグナルエイドを押せば音声の受け答えで行先を指定できればいい。
先日電話でヤマト運輸に集荷をお願いしたら、全部音声の受け答えでできたのがとて
も楽だった。あんな風に音声の応答で行先を指定できれば助かる人は確実に増えるに
違いない。
誰か同乗してくれていれば、行先ボタンを押してくれるようお願いもできるけれど、
エレベーターで一人の時はかなり大変。機種も多種多様だし、車椅子の人たちのため
に下の方にスイッチがあるとなかなか見つけられなかったリスる。
点字を探しているうちにエレベーターが呼ばれてしまい、下に行くはずだったのに上
に動き出してしまうなんてこともよくある。
スマホのアプリでもいいけれど、やはりシグナルエイドみたいな誰でも使えそうな簡
単な機会がいい。
なんだかんだまだまだ視覚障碍者のスマホ普及率は低いのだ。
蛇足だけれど、日本点字図書館の用具部が出しているメルマガは「ニューヨーグタイ
ムズ」という。
考えた人に座布団10枚!!
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?