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見えなくても信じる者は救われる ?!

最近カルト宗教の話題がニュースをにぎわせている。そこでまた、盲学校時代の衝撃
的なエピソードを思い出した。

ある日全校集会という事で物々しく全生徒が集められた。何事かと思ったが、音楽科
の全盲の生徒(もう成人している)が宗教団体に監禁されてしまったとの事だった。何
という宗教団体なのかは知らされなかったけれど、「あなたはもう見えている」とか
言われて白杖を取り上げられてしまったそうだ。


幼稚園からカトリックの学校に行っていたこともあって、自分の周りは宗教と言えば
カトリック一択。うわさに聞く、選挙前になるとそんなに親しくない知り合いから電
話がかかってくる攻撃なんてのにも遭遇したことはない。
だからこの事態はかなり衝撃的だった。本当にあったんだ、カルト宗教!!

そう言えば、大学時代にエホバの証人二世の人がいた。本当はロック音楽が好きなの
に親に禁止されていたらしく、外でこそこそ楽しんでいたという話を人づてに聞いた



盲学校に入ってから、とにかく勉強についていかねばと、通学の電車の中でも点字を
読んでいた。そんなある日、電車から降りたところで女の人に話しかけられた。
「私たちの会に来れば目が見えるようになります。」
出た!怪しいやつ!!私は矢継ぎ早に質問した。
」どのくらい会に行けば見えるようになるんですか?そのためにはいくら払うんです
か?あなたが提示した条件で見えるようにならなかったら、あなたは私が費やした時
間と金銭に対してどのような保証をしてくれるんですか。」
女性はすごすごと去っていった。しかし、見も知らずの人によくそんないかがわしい
話を振ってくるなとある意味感心した。そういえば、子供を連れてあちこちの家に飛
び込み営業する宗教もあるのだから、ターゲットをロックオンしたら、とにかく前進
あるのみというのが彼らの定石なのだろう。

別の日には、視覚障碍者の友人何人かで集まっていたところ、知らない人が近づいて
きて「よかったら聞いてください」と言ってカセットを何本か渡してきた。もちろん
聞かずにつぶして音楽を録音したりした。最近も、「近所に協会があるので行きませ
んか」と知らない人から声をかけられた。

見えていた時には真光の手かざしの人くらいにしか声をかけられたことはなかった。
よくわからない布教の人に声をかけられるようになったのは見えなくなってから。

障碍者は心の隙間が広い人の率が高いと思われているのだろう。確かにめちゃくちゃ
親切にされたりすると喪黒福造みたいな人にもやすやすとついて行ってしまう人がい
る。半面、こちらの意向を無視した押し付け宗教に追い回されるので、宗教アレルギ
ーの人も数多い。彼らは宗教の話が少しでも出てくると、速攻防御態勢に入る。特に
小さいころから見えない人は、子供のころから怖い大人に追い回された経験がトラウ
マになっているせいか、特に拒否反応が激しい。


お布施と称して全財産を没収したり、家族を崩壊させたり、犯罪まがいの事をしてい
るカルト宗教はその限りではないが、基本誰が何の宗教に傾倒しようがその人の自由
だと思う
実際宗教周りで素晴らしい人はたくさんいる。障害の有無にかかわらずそんな彼らに
感銘を受けて入信する人も多いだろう。私の友人にも留学中にお世話になったクリス
チャンの人の影響で帰国後にキリスト教の洗礼を受けた人がいる。

。だが、私は30年以上盲人をやっているが、宗教で目が見えるようになったという話
は一軒も聞いたことがない。心の支えになる宗教はともかく、目が見えるようになる
とかお金がたまるとか言って来たら、身ぐるみはがされる前に三十六計逃げるに如か
ずだ!!

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