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舞台感想「モノノ怪 座敷童子」

2.5次元と言うと、昔テレビで特集されていたのがかなり微妙だったのでなんとなく
遠巻きにしてきた。
しかし数年前Amazon Primeで見た銀河英雄伝説がとても面白かった。画面は戦闘シー
ンのレーザー光線が飛び交っているところくらいしか見えなかったけれど、それでも
十分面白かったし役者さんたちもとても上手でキャラクター一人一人を鮮明にイメー
ジできた。

その後見に行った「Dr.STONE」も前評判にたがわず面白かった。
見えない私がそれなりに楽しめるのは、世界観がわかっていてキャラクターも把握し
ているという事もあるけれど、意外とセリフが多いのでストーリーに置いていかれな
いのも理由だろう。
だからモノステもぜひ見に行きたいと思っていた。好きな作品である上脚本がClubho
useでお世話になった高橋郁子さんなのだ。
高橋さんは脚本家として活躍している傍ら「朗読キネマ「という朗読劇のスタイルを
確立している方。今回はお芝居だけれど、どんな表現を見せて(聴かせて」くれるか
興味があった。
舞台が見えなくても聞いているだけで映画を見ているように場面が想像できる、そん
な芝居に違いない。


しかしいかんせん、観劇は見えないものにとってはチケットを取るところからハード
ルがある。もうこれは仕方がないので諦めようと思ったところ、Clubhouseでつなが
った朗読仲間が声をかけてくれた。
これは飛びつくしかない。私は全面的に彼女の行為に甘えることにした。


「モノノ怪」のアニメはリアルタイムでは見ていなかった。ノイタミナのアニメの存
在を知ったのはシリーズが始まってしばらくたってからだったので初期の作品は見て
いない。

高橋さんとClubhouseでつながったご縁で、何年か前にNetflixで見た。
時代物のファンタジー。派手な展開はないけれど、人生の哀切や吉備が詰まったじわ
じわ染み入ってくる作品だ。

今回舞台化ということで、忘れていたストーリーを復習すべく再びNetflixで見よう
と思ったら、もう配信しておらずがっかり(涙)
仕方なく予習なしで見に行ったけれど、見始めるとストーリーを思い出す。

若旦那に騙され子を宿した奉公人の女が命を狙われ雨の中ほうほうの体で宿屋へ飛び
込んでくる。
雨降りという事もあり、部屋はもういっぱいだと断られるが、粘った女は今はもう使
われていない広くて豪華な部屋に通された。

昔は遊郭だったというその宿屋、女が通された部屋は・・・。そしてそこにいた子供
たちは一体何者だったのか。

意図せず身ごもってしまった遊女たち、そして若旦那に遊ばれ妊娠が発覚すると命を
狙われる女。
望まれなくても状況が許さなくても産むか産むまいか。そして生きられなかった子供
たちの思いは・・。
命と出産、母と子というのは時代や場所を超えた普遍的なテーマだ。


思いテーマの作品ではあったけれど、セリフと音楽と効果音がうまくミックスされ、
舞台は見えなくても芝居の世界にぐんぐん引き込まれた。


ビジュアル的な演出については後で同行してくれた友人が色々と教えてくれた。
最近は舞台装置の代わりに映像を映し出して場面の奥行きや大道具を表現したりする
らしい。

芝居の始めに俳優の顔写真と名前と役柄が写し出されるのは俳優のファンにも作品に
あまりなじみのない人にとっても親切な作りだ。
登場人物を事前に把握しておくことは作品理解の助けになる。

他にも舞台上の演出や衣装についても説明してもらった。
特に効果音でしかわからなかったところを舞台ではどう表現しているかを説明しても
らえたのはとてもありがたかった。


「モノノ怪」は近いうちに劇場版も公開される。
こちらも音声ガイドがついてくれればと切に願っている。

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