つれづれ…なるままに。124。
本を読む前に、一通りの家事を済ませて、ドッカリとくつろぎ、本を読み出すのは良い時間です。
今日の本の紹介は
「SFショートストーリー傑作セレクション」(汐文社)の『異次元』です。
このシリーズは
『時間』
『ロボット』
『異次元』
『未来』
の、全4巻です。
内容は、日本のSF作家たちのアンソロジーです。平井和正、筒井康隆、星新一などなど。
この本で、はじめて「今日泊亜蘭」という作家を知りました。
昔懐かしい世代も多いんじゃないかとおもいますが、内容は今読んでも新鮮です。面白いです。子どもたち向けにルビも充実してます。
本で違う世界に飛び出す気分です!
星新一の『殉教』は、少し、だけ現在を想像させられました。
学者が「死者と対話が出来る装置」を発明し発表する。死者たちは、みな揃って「死後は素晴らしい世界だ」と話す。半信半疑だった聴衆も、知り合いや家族など、信頼できる相手と話をしたがり…話をしたら。
最後までご紹介するのは、野暮でしょう。
『異次元』と言っても、いろいろあります。
眉村卓の作品は、誰もが大人になり…一度は感じるだろう郷愁を、異次元と結びつけた…私は美しい作品だと感じました。
筒井康隆は、さすが!なんといいますか、人の愚かさを考えました。そして主人公の先の生活までも、読者が不安になる余韻です。
私はSFで育ち、SFの世界が懐かしいので、作家のみなさんもベテランばかりです。文章も丁寧で、読んでいて何処かに誘われる…気持ちになります。
少し、ファンタジーが流行った時期に、SF は影が薄かった時代もありました。
しかし、SFは不滅です!
そんなふうに信じてしまう作品集です。
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