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「好き」と私

「自分の気持ちを他人に見せるのは恥である」
自分の中にはそういう思い込みが昔あった。

確かに昔は自分の好きなものを理解されなかった記憶がある。
「キモくない?」「え、そんなの好きなの?」「変わっちゃったね」
…まあこんなことを言われたらいい気持ちにならないよなあ。
好きになることで誰かを傷つけているわけではないのに、
素直に言ったら変な目で見られる。そんなのどうしろと?

そんな自分を変えてくれたのは一人の友人だった。
彼女(この表記が正しいかは分からないが…)は好きに素直な人だった。
「今このアーティストが好きでさ、」「それ、好きだな」

彼女はある意味カルチャーショックだった。
なぜこんなにも好きを言えるのだろう?自分の気持ちを隠さないの?
疑問がよぎったことが何度もあった。

でも、そんな彼女がまぶしかった。
自由で、正直で、輝いていて。
彼女のそんなところが好きだったのだろう、と振り返ると思う。

それ以来、私は好きを言えるようになった。
今では何に対しても好きというような人になった、と言われることがある。
昔の私が今の私を見たら、びっくりするんだろうな。

でも、今は好きを言える自分のことを誇りに思っている。
私のことも、きっかけをくれた彼女のことも、好きなんだ。

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