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骨格筋量の低いICU患者には早期タンパク質摂取量は多い方が良い?

Clinical Nutritionから2020年に報告されたICU患者の骨格筋量と早期のタンパク質摂取量に関する論文です。

アムステルダムの大学病院から報告された後ろ向きコホート研究で、739人の挿管患者のデータから解析されています。

CT画像から解析されたL3領域の筋面積と筋密度をもとに、①正常な筋面積の患者と②低い筋面積の患者における、入室から2~4日でのタンパク質摂取量と生命予後との関連を示しています。

対象者の60%が低骨格筋量であり、そのうち45%が低筋密度を同時に有していました。骨格筋機能が低い患者が多く、ICU患者において機能予後や生命予後と関連するとされているので、非常に重要なターゲットです。

①正常な筋面積の患者においては、タンパク質摂取量は予後との関連はありませんでしたが、②低い筋面積および低い筋密度の患者では、タンパク質摂取量が多いほど予後が良好でした。(0.1 g/kg/day増加ごとに) 60日死亡:HR 0.82 [0.73-0.94]、6ヶ月死亡:HR 0.88 [0.79-0.98]

後ろ向き研究ではありますが、骨格筋量に着目して栄養と予後との関連を示した研究で、非常に興味深い内容でした。

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