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『いけない』道尾秀介
いけない 道尾秀介
向日葵の咲かない夏 が大好きで、
というかそもそも 読んでいる最中も読み終わったあともしっかり気持ち悪くなれるような小説が大好きで
登場人物の息遣いが耳元に伝わる感覚、薄気味悪いどころではなくしっかり気持ち悪い 正真正銘、吐きそうだった
大どんでん返し、えええ~!? みたいなのももちろん好きだけど 今回みたいに 文字通り息が詰まって頭が真っ白になってしまうような結末も好き 好きとしか言えない、悔しいけれど
読了後、涙が出た、どういう心情からかは自分でも分からない 真っ白になってがっちりと固まってしまった頭が少しずつほぐれていくのを感じるのと同時に、とてつもない恐怖も感じた こんな怖い本を枕元に置いて寝ていたのか、結末も知らずに、私は。 まだ1度しか読んでいない新品同然のこの本を ベランダから放り投げたくなった まだ読み返す勇気がない いつか2回目を迎えられますよう
、あ、全然ネタバレにならないと思うから書くけど
「まるで猜疑心というものが不眠症にかかったように、あらゆる疑いが脳裏を去来していた。」
この一文がどうも癖になって5回くらい音読した いつかの私みたいで
はあ、気持ちの悪い夜
夏が来る前にもう一度読みたい 向日葵の咲かない夏
貸したまま返って来ないし もう1冊買おう
蒸し暑い おやすみ
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