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【ライティング】圧縮ファイルの名付け方(DAY220)

近ごろ、思うところがあって
漫画やライトノベルなど
若者向けの本を読んでいます。

・・・とはいえ、ざざっと読みですが・・・

そこで改めて感じたのが、

「タイトルとは圧縮ファイルだな」

ということ。


時代のトレンドや
読者層の考え方なども踏まえて、
その物語を凝縮したものが「タイトル」。

・・・なのですが、

本によって「圧縮度」が異なるなあと
感じたのです。


【圧縮1】めちゃ分かりやすい


まずは、ビジネス書や
最近の漫画・ライトノベルなどに見られる
「めっちゃ分かりやすい」タイトル。

  • ◯◯するための5つの方法

  • ◯◯するなら◯◯はやめなさい!

  • 転生したら◯◯だった

・・・などなど。

最近特に感じているのが、

結末をタイトルにしているものが
以前と比べて増えたような気がします。

水戸黄門方式なのでしょうか、
あらかじめ終わりが分かっていると
安心して読めるからなのかもしれません。

近ごろの若者は
「先が見えない」
という不安を解消するために、

物語に「安心」を求めるのでしょうか・・・?


ストーリーの作り方も
シンデレラ曲線などの
テンプレ型が多いですよね。

情報が多すぎて
もう先の展開が読めるぶん、

表現など物語の情緒というよりも
スペック(設定)で
差別化を図っているような気がします。


【圧縮2】考える余白あり


小説に多いのが、考える余白があるタイトル。

個人的に松本清張先生のタイトルが好きで、
タイトルに悶え転げたくて読む節があります。

『球形の荒野』とか、
意味が理解できたときは
萌えすぎて気絶するかと思いました。

読まないとタイトルの意味が分からない。

でも、読んでタイトルの背景が
一気にインストールされる快感(伝われ)。

小説を読む楽しみの一つです。

タイトルに作家のセンスや生きざまが
表れているような気がします。


実用本でも、
『限界突破勉強法』って聞いたら

「何それ!?」

って思いますよね。

タイトルを用いて、読者に問いを投げかける。

本って、読者との対話ですね…!


【閑話休題】

『限界突破勉強法』は改訂版が出されていて、
内容がより
ブラッシュアップされているのですが、

個人的には一番最初のバージョンが好きです。

なぜなら、カバーを外すと…!

装丁も「読者との対話」ですね!

【圧縮3】理解不能


私の理解では
追い付けないタイトルもあります。

『雨月物語』という
江戸時代の本があるのですが、

なぜ雨月?とずっと疑問でした。

どうやら、
この本がホラー系であり、

幽霊が出る前に
雨が降ったり月が出ていたりすることから
タイトルが付いたようです。

作者の背景や意図、
物語のテーマが分からないと

理解できないタイトルもあるのだなあと
感心した次第です。

これは、圧縮度の高低はありつつも、

受け手(読者)の器に
よるところがあるのかなと感じました。

作家が命を費やして形にした文章、
それと向き合うにあたって、

「娯楽」としての消費ではなく

器を拡げていく気持ちで向き合っていけたら。

そんなことを思いました。

タイトルで読む人が変わる


圧縮ファイルの名付け方…タイトル如何で
読者が変わるのだなと改めて感じました。

noteはじめ文章を書くときは

  1. 読んでくれそうな方を想定

  2. 仮タイトルを付ける

  3. 文章書く

  4. タイトルを確定

の順番になると思いますが、

「1.読んでくれそうな方を想定」を
最後まで大切にして
文章を書いていこうと背筋が伸びた思いです。


そして、あなたにお願いです。

「このタイトルすげえ!」

という本がありましたら、
是非ぜひ教えていただけますでしょうか。

本は雑食派なので、
オススメされたものは
可能な限り読みたいと思います!


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