ドラマのタイトルデザインはいつも秀逸

私はあんまりテレビを点けない。

なのであんまりドラマも見ないのだけれど、1クールに1つくらい気になるドラマがある。

今回は話題になってる「大豆田とわ子と三人の元夫」について、デザインの観点から覚書も兼ねて書こうと思います。


発端は、お世話になっているお仕事関連の方に、佐藤可士和と落合陽一(知り合いではないので敬称略)の対談動画?を見せて頂いたことだった。

ご存知ない方のために簡単にご紹介すると、佐藤可士和は日本のトップクリエイターで、ユニクロのロゴとかセブイレのロゴとか、まぁ何かと有名なものを作りまくってる人である。


で、その中でセブイレのPBデザインの話が出て、つぶあんぱんだったかな、とにかくね、どーーーんってあんぱんの現物がパッケージ全面に透けていて、さらにその上に何の変哲もないゴシック体で「つぶあんぱん」って書かれているデザイン。

正直、デザイナーが絶対やらないデザインなんですよ。一見すると、WordとかExcelで作れるやん・・・って言うような。

けど、佐藤可士和は敢えてそれをやる。

トップクリエイターがそれをやる勇気(デザインはパンクだ、という本人の言い分)も凄いし、何より私がすげーと思ったのが、この、絶対デザイナーがやらないデザインに着地した理由。

「昔の番組は、テロップが出るとしても一部だけだった。けど、今の番組って全セリフくらいの勢いでテロップが出る。つまり日本人がそういう情報の取り方になっていると言うこと」

という、テレビ番組の作り方に基づいたデザインの裏側だった。


私、テレビをそんな観点で見たことなかったわ・・・!

アンテナの立て方と、そしてそれをすぐ取り入れるスピード感。

そういう側面があるからこそ、たとえ素人が作れるレベルのデザインだったとしても、敢えてそれを選ぶ勇気、そしてクライアントに通せる実力。

すげーーーーー!!!!!と思ったんです。

今まであんまり好きじゃなかったんだけど、佐藤可士和。すげーっす。

(情緒なんてかなぐり捨てて、情報に走る商業デザインの鑑・・・そう言う意味では、あの物議を醸し出したLAWSONのPBパッケージはやはり0点か😇)


で、早速自分もアンテナの立て方と言うか、改めてそう言う目で世の中を見てみよう、と思って。

で、冒頭の「大豆田〜」のドラマの話にやっと行き着くんですけども。

ドラマ自体もね、めっちゃ面白いんですよ。

何がおもろいかに関しては、きっと私よりずっと説明上手いひとたちがnoteを書いてくれると思うので割愛。


私が注目したのは、タイトルの入り方。

今までのドラマのタイトルの流行って、数年前からデジタルとアナログの融合が増えたなと思っていて、例えばこの前までめっちゃ流行ってた「私の家政婦ナギサさん」とかは、毎回タイトルロゴがドラマ内の小物だったりに印刷されていて、カメラワークでそれを映し出す、みたいな手法になってました。(説明下手すぎて伝わるか不安)

あえてデジタルでタイトルをバーンと出すんじゃなくて、ドラマにフィットさせつつ、あえて違和感を残す表現、みたいな。


で、この「大豆田〜」はね、毎回主役の松たか子が、「大豆田とわ子と三人の元夫!」とかね、口で言うんですよ。

あとナレーションがめちゃくちゃ喋る。画面内で行われていることを逐一説明する。とても丁寧に。ひたすら喋る。

もちろんドラマの構成として、シュール感を出す演出だったり何だりがあると思うんですが、前述のセブイレの例を見たときにね、あれ?これも時代の表現かな?って思って。

ちょっと前に(一応今もか?)Clubhouseが流行ったり、StandFMだったり、音声版Twitterと言われているSpacesだったり、「聴覚」に訴える表現が今は強いのかなって。

情報疲れが謳われるこの現代で、視覚以外の部分から情報を得るという流れが少なからず出来ている。

それに則ってのこの手法なのかな・・・と思ったんですよね。


ちなみに私は仕事上どうしても「視覚」に訴える表現が多くなるので、この「聴覚」に訴える表現を取り入れるのはめちゃくちゃ難しいんだけども。

でも、こうやって世の中の物事ひとつひとつにアンテナを立てて、分析して、そうして自分の仕事をアップデートしていくってとても大事な事だなって改めて思ったわけです。


今日全然オチなくて、これだけの話なんですがw

でもおもろいからドラマは是非一度見て頂きたいーーー!

あとエンディングが毎回変わるんだわ・・・最高なんだわ・・・

カルテットと同じく、演者が歌うやつなんだわ・・・

(5月末のフェスでSTUTS見られるの、今から超楽しみ)


では皆さま、良いゴールデンウィークをお過ごしください!

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