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推しの1年を振り返る|岡野祐一郎

岡野祐一郎さんが、中日ドラゴンズから戦力外通告を受けて、1週間が経ちました。

何度調べても、そのニュースはフェイクじゃなくて、もうドラゴンズのユニフォームを着ない現実に、涙が止まりません。

どうあがいても子供料金で入園できない大人が、ワンワン泣くのです。ウェンウェンなのか、ヒンヒンなのか、ウォンウォンなのか、とにかく声を上げて泣くのです。

起きているとエンエン泣くもんで、夢の世界へゴーということで、ふて寝を決め込みました。先週末の2日間で、25時間くらい眠ったと思います。睡眠時間だけは、大谷翔平という感じです。

今年の日記は、その大半が、ドラゴンズの試合記録となりました。

岡野祐一郎さんは、今年のファーム開幕投手を務めてから、4月は土曜日・5月は火曜日に先発登板していました。登板すると、6~7回まで投げて、しっかりイニングを消化してくれます。

岡野さんは、ドラゴンズの入団会見で「同級生が活躍しているけど、自分は自分ということで、自分のペースで活躍できるように頑張ります」と言っていました。

入団時は26歳、今年は4年目の29歳。焦りや不安もあったと思いますが、自分のやるべきことを淡々とこなし続ける、その強さが本当に素敵だと思っています。

6月29日。8点ビハインドの8回裏。今季初の一軍マウンドは甲子園でした。1イニング無失点。「きっと今年は勝負の年。最後のチャンスになるかもしれない。頑張ってほしい。」祈るような思いで、そう日記に綴ったことを今でも覚えています。

7月5日。1回表から緊急登板、4イニング跨ぎで試合を立て直して、犠打まで決めてくれました。バント失敗が続いていたドラゴンズ。1球で完璧な送りバントを決めたのは、今季初打席の岡野祐一郎さんでした。ミスター淡々、さすがです。「おかたかがバンテリンドームで、こんな形で観れると思わなかった。見事な火消し、宏斗君の負けを消してくれた。」

7月9日。9回表1点ビハインドの場面で、1イニング9球無安打1奪三振無失点ピッチング。「1点差でのパーフェクトリリーフ。この調子で信頼掴んでいこう」

7月12日。神宮での8回裏、三振➡三振➡村神様ホームラン➡三振。「ビタビタのコースに投げ切れる岡野さんがカッコよすぎます(ホームランは余計だったけども)」

7月17日。甲子園8回裏で岡野さん登場。死球からの安打で、片目瞑って恐る恐る見ていたけど、ストライクアウト!「岡野さん無失点、出力も上がってきていて嬉しい。どうか、ウェルダンでもミディアムでもなく、生で岡野さんが見れますように」

7月25日。オールスターブレイクを挟んで、おかえりバンテリンDeNA戦。7・8回のイニング跨ぎで、打者6人パーフェクトリリーフ。自主トレ仲間の今永先生との打席もありました。「オールスターブレイクを経て、元気いっぱい、安心です。」

7月27日。1点ビハインド8回表。DeNA牧秀悟選手がヒットでノーアウト1塁、龍空のファインプレーでゲッツー。守備にも助けられながら無失点ピッチング。「この日は岡野さんが登板すると思わず、出てきた瞬間ラーメンを吹き出しました、豚骨しょうゆだったと思います。」

7月28日。3点ビハインドの東京ドーム8回裏に登場。大城選手から2ランホームラン被弾で、1イニング3失点。アウトローをスタンドに運んだ、あれは大城選手が上手かった。「連投で疲れたかな…。次、切り替えられかが超大事!」

翌日の29日土曜日、わたしは東京ドーム現地にいました。ベンチメンバーがビジョンに映し出された時、真っ先に「岡野」を見つけました。チョコチュロスの塩気は、涙の味ではなかったと思います。

36 岡野

8月1日。おかえりバンテリンドームで8・9回のイニング跨ぎ登板。8回は三者凡退、9回は2安打からの捕逸で1失点。「あと2日くらい休んでほしかったけど、一軍で山浅君との聖光学院バッテリー  ごっつぁんです。」

8月3日。5点ビハインドで、6・7回イニング跨ぎで、2回無安打無失点リリーフ。この日、ついに今季初の四球が出ました。「先週の3失点を切り替えて、素晴らしいピッチング。だがしかし、休ませてやってくれ」

8月6日。同級生の柳裕也投手が4回途中で降板、岡野さん緊急登板。イニング跨ぎでクリーンナップ斬り。「2012年高校センバツから続く柳投手との縁。その柳投手の後を継いで無失点、素晴らしかった。」

8月9日。ハマスタで2イニング5失点。体調不良開けの先発 鈴木博志投手が3回途中で降板、7月後半から腕を振りまくってきた岡野さんが失点。どうか休ませてあげて…と思っていたけど、きっと岡野さんは、このチャンスに応えたかったと思います。「こんな日でも怪我がなくて良かった、それでもわたしは、HPもMPもゼロです。回復の呪文を唱えて下さい。」

8月11日。延長12回表、三振でツーアウト満塁斬り。洗濯機の影からカメのぬいぐるみを2つ抱いて、目を細めながらテレビを見つめる。ツーアウト満塁フルカウント。ザッツ カオス。最後はフォークで満塁斬り。「ちゃんと10,001回目が来ました。」

8月18日。神宮で6・7回の2イニング跨ぎ。6回三者凡退、7回に3失点。登板間隔が空いた中での被弾。「連投したり1週間空いたり、難しい起用に応えたかったと思います。残念だけど、また切り替えて頑張ろう。」

8月25日。バンテリンドーム8回表、1イニング三者凡退。5失点‐3失点と続く悪い流れを断ち切って、無失点リリーフ。前回登板から「投げてほしい」「でも投げてほしくない」を繰り返して迎えたこの日。「……近藤10失点」

これが一軍最後の登板になるとは、思いもしませんでした。翌日26日、バンテリンドームへ向かう車内で、岡野祐一郎さん抹消を知りました。「岡野さんが居ないのだから、負けるんじゃないぞ」

岡野さんが、戦力外通告後の囲み取材で「この後の人生の方が長いので、野球をするにせよ、しないにせよ、慎重に考えたい」と言っていました。

「この後の人生の方が長い」29歳の彼から、自然と出た言葉だと思います。岡野さんから、悲観的な雰囲気を感じない理由は、こういう所にあるのかもしれません。

「オッス、オラ前向き」みたいな感じ(どんな感じだ)じゃなくて、地に足が付いた等身大の前向きが、本当に素敵だと改めて思います。


トライアウトを受けるなら、残り1か月。どうか悔いの残らない過ごし方をしてほしい。そして、どうか来年も、マウンドに立つ彼の姿が見れますように。

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