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転職に悩んだ末にカメラマンを選んだ話

仕事を変えたいとき。職場を変えたいとき。そもそも変えるべきなのか、変えるにしてもどの方向に舵を切るべきか、悩んだら。

自分に正直になること。自分が興味を持てるほうを選ぶこと。わたしにとって、それが大事だった。

わたしは今年の3月まで、製造業で仕事をしていた。4月からは、サービス業である写真館で、カメラマン見習いとして働いている。

こう書いてみると、我ながらちょっとよく分からない話なので、これまでの経緯を振り返ってみたい。

人を撮ってみたい

もともとわたしは、趣味で写真を撮っていた。同じく趣味の自転車に関するイベントに行って撮ったり、身近な自然を撮ったり。でも、いちばん興味があったのは、人物(ポートレート)の撮影だった。

モデルさんを撮りたい訳ではなく、身近な人を撮りたい。その人がプロフィールやSNSのアイコンに使えるような写真を撮って、喜んでもらえたらいいなぁと。

ただ、人を撮らせてもらえる機会はそうそうない。こちらの“撮りたい”を押しつけてもいけないのが、難しいなぁと感じていた。

仕事が合わず悩む日々

製造業の会社で働いていたわたしは、昨年の春に部署異動となった。その異動先での仕事が自分に合わず、日々悩んでいた。

もう40代、このまま我慢して続けていくのか、リスクを覚悟で転職するのか。転職するにしても、なんの仕事をするのか。これからどう生きていきたいのか…。

決めきれない。でもとにかく、このままでは心が病んでしまうな、と気づきはじめた。

カメラマンの求人をみつけて

経験のある職種や業界で、仕事を探してみたものの、どうにもピンとこない。そこで、興味があるジャンルでどんな求人があるかを調べてみると、写真館のカメラマンの求人があった。

いやいや、いくら趣味で撮っているとはいえ、人はほとんど撮ったことがないし、いまからプロになれるわけないよな…。

そう思ったけれど、求人条件に未経験でも、とある。もし採用されたら、引っ越しが必要だし、休日や勤務時間などの生活リズムがまったく変わってしまう。いまの職場で得られているメリットも失う。その覚悟が、わたしはあるのか…?

さんざん迷った。そして、もうダメ元でチャレンジしてみようと応募した。面接を経て結果、なんと採用された。会社もずいぶん思い切ったものだ。

それから前の職場の退職、引っ越しとバタバタで、いよいよ入社となる4月には、ウイルスの流行が世の中全体に暗い影を落としていた。

入社はできたものの、当面は試用期間だったので不安だった。このほど無事に本採用されることになり、ほっとした。

いまは日々カメラマン見習いとして、上司や先輩に教えてもらいながら、スタジオで撮影している。

写真館には、赤ちゃんからご年配の方まで、撮る目的もさまざまなお客様が来店される。撮影に必要な知識や技術、お客様とのコミュニケーションの取り方など、覚えるべきことや身につけるべきことがたくさんで、やっとこの世界の入り口に立ったところという感じだ。

「人と接することが基本好きでしょう。写真館のカメラマンって、natsukoさん向いてそう」

転職を報告した友人がかけてくれた言葉が、うれしかった。

わたしは、前職での1年間が毎日辛かった。仕事がうまく出来なくて、劣等感にさいなまれていた。身体がこわばって、笑うことを忘れていた。

でも、カメラマンに転職してみて、自分もお客様も笑顔になれるところが、この仕事の良いところだなと感じている。

それに、やらされているのではなく、自分が好きでやると決めて選んだことだから。大変さやいろんなことをひっくるめても、納得できる。

カメラマンとして歩きはじめたばかりだけれど、写真の仕事を通じて、人の想いや願いに寄り添って、その人に楽しんでもらいたい。喜んでもらいたい。

写真は、その人が生きてきて、たしかにあった瞬間を残すことができる、素敵な手段だと思うから。

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