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妊婦になって、すみません。

妊婦になって早24週。妊娠初期から「流産したらどうしよう」「早産になったらどうしよう」そんな不安は毎日付き纏う。
(たぶん産むまでずっとこう。)
不安ならとにかく大人しくしていろ、という声をよくネットで見るのだけど、日曜にソファで平に寝そべっている時ですらそう思うのだから、どこで何を、は妊婦の憂慮にぶっちゃけ全然関係ない。
それでも、22週が流産と早産の境目、と言われるだけあって、22週を過ぎたところで「妊婦も半ばまできたな」という気持ちが増してきた。

ここまでの妊娠期間を振り返って、改めて周囲から「おめでとう」という暖かい声をたくさんもらえたことがすごく嬉しかった。
とともに、個人的には「すみません」という機会も多かったなあ、と。

10週の時、はじめて母子手帳と一緒にもらったマタニティマークは、2週間近くカバンにつけるか迷い、つけた後もしばらくカバンの内側に隠して電車に乗っていた。
「席を譲ってくれって言っているみたいだから」という理由で同じようにマークを隠す妊婦さんもいるそうだけど、私はむしろ「妊婦だってバレることでホームや階段で押されたり、何かされたらどうしよう」という恐怖の方が大きかった。そんなつもりはなかったのに、妊婦=社会的弱者、淘汰される可能性がある、なんて思っていたのかも。

12週でつわりが辛くなり、仕事をセーブしてもらえるよう上司にお願いする時も、上司は「全然いいよ!今はこれ(妊娠)より大事なことなんてないから」と有難い言葉をくれた。「ありがとうございます」と言いつつ「すみません」は必ずセットで言っていたような気がする。
「すみません、じゃないから」「そこに気を遣わなくちゃいけない職場って嫌じゃない?」「次の妊婦さんが遠慮なくセーブできる前例になるから」と笑ってくれるいい職場だったけれど、「言わないだけで」と言うこともきっとあると思っていた。
(ここは素直に受け取ればいいんだけど、性格かな。笑)

同じ週数の妊婦さんのSNSを眺めている限り、自分は随分恵まれた状況にあったんだ、と思う。「妊娠してすみません」と謝る看護師さんがいるらしいと聞いた。理解のない上司に謝りながら、隠れて吐いて仕事して。そんな妊婦が世の中にはたくさんいる。
職場の数だけ状況もあるんだろう。でも、随分寂しい気持ちになった。
「妊婦」と検索するたび、予測変換に「迷惑」という文字が浮かぶのも最初は頭を殴られたみたいだった。

この記事を書いている今も、お腹の中でぽこぽこ動くお子。この子に愛情が湧くにつれて、すみませんと言ってきた今日までをちょっとだけ後悔している。
「妊婦になって、すみません」を卒業したい。せめてここからの十数週は。


※ちなみにマタニティマークは急変や事故などもしもの時に「この人妊婦だ!(=命2つ)」と周囲が認識するためにも必要、と思って今ではがっつりぶら下げて歩いてます!世の妊婦さん、つけよう。ちゃんと。

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