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しいたけを狩った。

わたしは、しいたけが好きだ。

しいたけに限らず、きのこ類全般が好きだ。
しいたけに限らず、舞茸も、松茸も、エノキダケも、キクラゲも、ポルチーニ茸も好きだ。

昔、付き合い立ての彼に「好きなものは?」と聞かれて「きのこ」と答えたら、そのすぐ後にやってきた誕生日に、きのこの形のピアスをプレゼントされた。その時、自分でもびっくりするほどガッカリして、そのピアスは愛想程度に2回ぐらい着けただけで、お蔵入りになった。だから、食べるものとしてのきのこ類が好きなのだと思う。

ちなみに、そのピアスをくれたのが、今のオットだ。

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というわけで、しいたけ狩りに行ってきた。

とはいえ、わたしもいろんな「○○狩り」に挑戦したけど、しいたけ狩りほど、ワクワクしない狩りはない。
現地のひとに、数本の原木の前に立たされて、「このエリアからとってください」と、小さなプラスチックのカゴを渡される。サイズはA5版の本が入るかどうかぐらい小さくて、薄い。伸縮性もない。
そこに、なんとかパズルのようにしいたけを入れるんだけど、どうしても欲が出て笠の大きいのを選んでしまうし、そういうしいたけに限って、立派ないしづきを持っている。このいしづきが邪魔をして、けっきょく10個ぐらいしか狩れないのだ。

わたしたちの原木エリア。庭があるなら持って帰りたい。

しいたけを狩ったら、狩りたてのしいたけを食べたくなる。
食べたいのはしいたけだけなんだけど、しいたけを食べようと思ったらバーベキューを頼む必要がある。てか、今回行ったところでは、しいたけとバーベキューがセットになっていた。バーベキューつきで、だいたい一人4000円ぐらい。お代わりし放題のしいたけご飯は美味しいけど、お肉とかは別にいらないのに、と思う。

しいたけは、笠を下にして焼く。
じぃっと見ていると、笠の内側に小さな水滴が現れる。
さらにじぃっと見ていると、水滴がどんどん増えてくる。
なかなか官能的だ。
じわじわと水滴がいっぱいになるのを待つ時間が、いちばん高揚する。

七輪で焼く。網が小さくて、ちょっとしか焼けない。

バーベキュー会場には、アジシオと焼肉のたれとポン酢しかなくて、仕方ないからアジシオを振りかける。
家にある、ちょっといいお塩があれば、と思うけど、アジシオでも十分美味しい。もともとそんなに繊細な舌は持っていないのだ。

火にあたっていた笠の外側は少しパリッとして、内側はジューシー。汁をこぼさないように角度に気を付けながら、口いっぱいにほおばる。
月並みだけど、至福の時間だ。

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