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#9 分子栄養学とは? 分子栄養学の基本をわかりやすく解説!

分子栄養学基礎⑦ 将来に備えるオプティマムヘルス。分子栄養学を学び、自分の健康は自分で守りましょう。

最後に、分子栄養学における重要な考え方として「オプティマムヘルス」があります。オプティマムヘルスとは、単に病気を予防するだけに限らず、心身ともに最高・最善の健康状態の実現を目指す事です。

私達は、病気になったり調子が悪くなったりすると、当然ながら気分が落ち込んだり、活動量が低下したりしてしまいますよね。逆に、体調が良い状態が続いていれば、気分も明るく活動的に過ごすことが出来ます。

ただ、中には体調不良の状態に慣れてしまって、不調であることの自覚がないまま、自分は健康だと思い込んでしまっている方もいます。また、分子栄養学で病気が良くなったり、自分の中では健康だ、調子が良いと思っていたりしたとしても、分子栄養学的に見たら分子レベルではまだまだ改善の余地が残っている場合も多いです。

このような場合、ご自身では今が最高の状態だと思っていても、分子レベルで見たらパフォーマンスが低下している可能性があります。細胞それぞれの働きが低下している場合、あなたが本来が持っている能力をすべて発揮出来ているとは言えません。

例えば、自分の中では「よく眠れている」と思っていても、分子レベルで見たらまだまだ質の良い睡眠に改善出来る余地が残っている可能性があります。

また、ちょっとしたことでイライラしやすい、不安になりやすい、気分が落ち込むなどの精神的な症状や、疲れやすいといったことも、実は分子レベルで見たら改善出来る余地が残っているかもしれません。

あなたが「自分の性格だ」と思っていることや、「これが普通だ」と思っていることでも、実は栄養がまだまだ不足していることによって引き起こされている可能性があるのです。

このような不調や活動量の低下は、日々あなたの人生に影響を与え続けます。特にイライラしたり気分が落ち込むなどの精神的不調は、気がつかない間に人間関係や仕事などに影響を与えてしまうことがあります。

もし、このような精神的な不調が無くなり、今よりも活動的になれたとしたらあなた自身でも気がついていないような能力やパフォーマンスがすべて発揮され、今よりももっと人生が変わると思いませんか?

この分子レベルで細胞を整え、あなた本来の能力をすべて引き出し、心身共に最高の状態を目指すことが、分子栄養学の最大の目的であり、オプティマムヘルス(最適な健康)と呼ばれる状態です。

オプティマムヘルスとは、どのような環境下や激しいストレス下においても、常に最適な健康状態が維持できている状態の事です。人生では、その時々に応じて環境も変化しますし、良いこともあれば悪い事もあります。そのたびに体調が変化したり寝込んだりしていては、オプティマムヘルスの状態とは言えません。どのような状況下においても、最適な健康状態を維持できていることが理想です。

このオプティマムヘルスの状態を目指すためには、自ら分子栄養学を学び、自分の健康状態は自分で管理できることが必要です。

例えば、栄養の必要量は、運動や食事内容、体調によって日々変化します。オプティマムヘルスの状態を維持するためには、これらも考慮して、自らが日々分子栄養学を実践し続ける必要があります。

日常的な活動で言えば、

  • 今日はお酒を飲むからアルコール代謝に必要なナイアシンを多く摂っておこう

  • 今日はストレスが多くかかったから、カルシウム・マグネシウムを多く摂っておこう

  • 今日はいつもより運動量が多かったから、プロテインを多く摂ろう

  • 風邪を引いたみたいだから、ビタミンCを多めに摂ろう

  • 血液検査の結果でフェリチンが下がってきたから、ヘム鉄を多めに摂ろう

といった感じです。

このように分子栄養学では、単に病気の治療や予防という枠を超え、細胞レベルで常に最適な健康状態を得られるよう、その時々の状態に応じて最適な栄養補給を行っていく事が理想です。

そのためには、やはり自分自身の健康状態は自分で管理するという意識に加え、分子栄養学に関する知識も欠かせません。自分自身の状態は自分が1番理解していますので、自分に必要な栄養素は自分自身で判断出来ようになる事が重要です。

つまり、分子栄養学とは、自らの身体を自ら管理できるようになる学問でもあります。ここで解説した分子栄養学に関する事は、まだまだ基本中の基本で、学ばなければならないことは沢山あります。

もし、ここまで読んで分子栄養学に興味が湧いた方は、是非もっと深く分子栄養学を学んでみて下さい。分子栄養学の基礎を学ぶほか、病態別のアプローチなど分子栄養学を応用したアプローチについても学ぶことが必要です。

病気の予防、健康管理は一生続きます。病気が治ったからといって、その後に分子栄養学の実践が必要なくなるわけではありません。分子栄養学は、学び続けること、実践し続けることが一番大切です。是非、分子栄養学を学び、自分の健康は自分で守れるようになりましょう。


間違った分子栄養学の情報に注意!

近年、インターネットやSNSが発展したことから、健康に関する様々な情報が飛び交っています。分子栄養学においても、分子栄養学を学べるセミナーや講座が増えた事によって、これらを学んだ人達による情報発信が急激に増えてきました。

このような中で問題となってくるのが、間違った分子栄養学の情報です。分子栄養学の情報の中には間違った情報や、分子栄養学をしっかり理解せずに情報発信されたもの、独自理論を組み合わせたものや、自身の経験のみで語られた客観性、エビデンスのない情報なども発信されています。酷いものでは、全く分子栄養学でも何でも無いのに分子栄養学だと語られているものもあります。

例えば、以下のような情報は間違った分子栄養学の例です。

  • メガドーズ、メガビタミン健康法

  • 食事内容の改善や、特定の食材を摂取するだけで至適量の栄養が得られ、病気が改善するとしているもの

  • この不調にはこの栄養素」といったように、単に不調の症状だけで栄養アプローチを行うもの

  • 海外サプリメント、単に安価なサプリメントなど、安全性、有効性が確認されていないサプリメントで分子栄養学の実践をおこなっているもの

  • 前駆体では無く、活性型の栄養素を用いているもの

  • ファスティングと分子栄養学を組み合わせるなど、独自理論が組み合わされたもの

  • 薬は一切使わない、栄養療法だけで病気が治るなど極端なもの

  • 病態や不調の根本原因を調べるための検査に誘導しないなど、栄養欠損となった原因をきちんと調べずに行っているもの

  • 医師免許を持たない者が、血液検査データを扱う、サプリメントを処方する、食事指導を行うなど、医療機関を通さずに分子栄養学の指導を行っているカウンセラー など

このような情報は間違った分子栄養学であり、実践することで病態や体調が悪化するなどむしろ命に関わる危険性があります。事実、当方にもこれら誤った情報を元に実践した方からの健康被害に関するご相談も増えてきました。

現代では個人がSNSで気軽に情報発信が出来る世の中になっています。このような時代だからこそ、間違った分子栄養学の情報にはくれぐれもご注意ください。


分子栄養学とは? 分子栄養学の基本をわかりやすく解説!まとめ

以上が、分子栄養学の基本についてでした。

分子栄養学は、生体内の分子の乱れ(栄養素)を整える事により、病気の予防や改善を図る療法です。私達の身体は、私達が日々食べたもので身体を動かしたり、作られたりしています。

この食べ物からの栄養が不足していたり、過剰だったりすると、生体内の分子が乱れて病気を引き起こす原因になります。この乱れた分子を整えるために必要なのが、至適量の栄養補給です。

そして、至適量の栄養補給を行う際は、限りなく天然由来で、かつ前駆体の栄養素を用いる必要があります。人工的に合成された栄養素や、もともと天然物を使っていても保存性を良くするために誘導体をつけたり加工したりしたものでは、体内で酵素と結びつけずに、異物として排泄されたり効果が弱まったりしてしまいますので注意しましょう。

それから、至適量の栄養補給を行う以外にも、生活習慣の改善や運動も重要です。栄養素は、単に入れただけでは使われず、身体を修復したり作ったりするためには、栄養に加えて組織に刺激を与えることが必要です。

もし、分子栄養学に興味ある方は、是非分子栄養学を学んで実践してみて下さい。分子栄養学については、ここで解説した以外にもまだまだ奥が深く、一生かけても学びきれないほど奥が深い学問です。

分子栄養学を学ぶ際は、間違った情報に注意し、必ず学問として信頼出来る所から学ぶようにしましょう。



※この記事は、下記記事から一部を抜粋・改編したものです。記事全文は下記記事をご覧下さい。元記事はこちら↓


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