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#1 子供が低血糖症になった時の対処法。低血糖症の根本的な原因と解決方法を分子栄養学的アプローチから解説

子供は低血糖症になりやすいと言われています。低血糖症は、血糖値が通常よりも低くなってしまった状態の事です。特に、痩せているお子さんや筋肉量が少ないお子さんが低血糖症になりやすいと言われており、他にも食事量が少なかったり、消化吸収に問題がある場合にも低血糖症になりやすくなります。

では、子供が低血糖症に陥ってしまった場合にはどのように対処すればよいのでしょうか? また、繰り返すお子さんの低血糖症に対して、根本的に解決させるにはどのように対処すればよいのでしょうか?

今回は、子供が低血糖症になったときの対処法と、なかなか治らずに繰り返してしまう低血糖症についての対処法を分子栄養学的アプローチから解説します。

子供が急に倒れたら? 子供が低血糖症になったときの対処法

低血糖症とは? 低血糖症になると引き起こされる症状について

低血糖症とは、血糖値が正常範囲以下にまで下がってしまった状態の事です。
通常血糖値は80〜100前後に保たれていますが、何らかの原因で血糖値が80以下を下回っている状態が続いていると、低血糖症と判断することが出来ます。

低血糖症にもいくつか種類がありますが、お子さんが発症する低血糖症の殆どは、主に「ケトン性低血糖症」と呼ばれる低血糖症です。これは、食事量が足りなかったり、運動会などで激しい運動を行ったりした事によって糖の消費量が増大した場合に引き起こされる低血糖症になります。

低血糖状態になると、冷や汗や動機、意識障害や痙攣、手足の震えなどの症状が現れることもあり、最悪の場合は死に至る恐れもあります。
他にも、「食べた後や夕方になると猛烈な眠気が襲ってくる」「夜寝ていると目が覚めてしまう」「悪夢を見る」というのも低血糖の典型的な症状の1つです。それ以外にも耐えられないほど甘い物の欲求が強くなったり、気分が落ち込んだり不安感に襲われるなど、その症状は多岐にわたります。

https://dmic.ncgm.go.jp/general/about-dm/040/050/05.htmlより

低血糖症の主な症状

  • 全身の倦怠感、疲れやすい

  • 集中力が無い

  • 眠気が強く、朝起きられない

  • 寒がり、低体温

  • 動悸がする

  • めまいがする

  • 冷や汗をかく

  • 不眠

  • イライラする

  • 頭痛

  • 神経過敏

  • 不安、恐怖感が強くなる

  • 太りやすくなった

このため、低血糖の症状が起こった場合には速やかな糖分の補給と、低血糖症に陥らないために十分な食事を行う事が大切です。

私達の身体は、食べた物をエネルギーに変えて身体を動かしています。血糖値も同じで、普段私達が食べた物を元に血糖値を維持しています。この時、食事量が少なかったり、抜いてしまったりしてしまうと、血糖値を維持するための材料が足りなくなってしまいます。その結果、血糖値が下がってしまい、低血糖症を引き起こしてしまうのです。

特にお子さんが発症するケトン性低血糖症の原因は、食事量の不足によるものと言われています。これは、朝食や夕食が少なかったり、抜いたりしてしまうことによるカロリー不足が主な原因です。

ケトン性低血糖症に陥らないようにするためにも、日頃から十分な食事量を確保し、間食をうまく取り入れて低血糖症を防ぎましょう。

子供が低血糖症になったときの応急処置方法。まずは糖分を補給させる事が最優先です。

では、実際にお子さんが低血糖に陥ってしまった場合、どのように対処すればよいのでしょうか。

もし、意識障害を起こしていたり、物を飲み込むことが出来ない状態でしたら、早急に救急車を呼んで下さい。低血糖症は命に関わる事態ですので、迅速な対応が必要です。

逆に、お子さんに意識があって何か食べられる状態なら、まず第一に糖分を補給させましょう。そのまま何もせず血糖値が下がってしまうと、意識障害など更に重篤な症状に発展する恐れがあります。そうならないためにも、まずは吸収の良い糖分を摂取させて、血糖値を速やかに上昇させることが必要です。

糖分の補給に向いている食べ物としては、以下のような物が挙げられます。

速やかな糖の補給に向いているもの(ブドウ糖)

  • あめ(砂糖、ブドウ糖が使われている物)

  • ラムネ(ブドウ糖が主成分の物)

  • ジュース(イオン飲料や、砂糖・果糖ブドウ糖液糖が使われている物)

  • ハチミツ

この他にも、砂糖が使われている物ならチョコレートやクッキーなどでも大丈夫です。ただし、硬いグミやガムなど、よく噛まないと食べられない物や誤嚥する危険性がある物についてはなるべく避けて下さい。

また、人工甘味料が使われている物や、カロリーオフ、糖質オフの飴やチョコレートなどは、ブドウ糖が含まれていないために血糖値を上げられません。これらは血糖値に影響を与えない糖分が使われているため、低血糖時の糖分補給には不向きです。

血糖値に影響を与えにくい糖や食べ物

  • 人工甘味料など(アスパルテーム、サッカリン、ネオテームなど)

  • オリゴ糖

  • 果糖

  • ラカント

  • スクラロース

  • アドバンテーム

  • ステビア

  • エリスリトール

  • ゼロカロリー飲料

  • 糖質オフクッキーやチョコレート

  • ゼロカロリーの飴

糖分を補給させる際は、パッケージのウラ面を見て、人工甘味料が使われていないかどうかや、砂糖、ブドウ糖が使われているかどうかをよく確認してから選びましょう。

ただし、この時、糖分の取り過ぎには注意が必要です。これらの食べ物は血糖値の上昇をもたらしてくれる反面、摂りすぎると血糖値の乱高下を引き起こす可能性があります。血糖値の乱高下とは、甘い物の摂りすぎによって血糖値が急上昇し、その後大量のインスリンの分泌によって血糖値が急降下してしまう状態の事です。

血糖値の急上昇が起こると、血糖値を下げるためにインスリンというホルモンが過剰に分泌されます。このインスリンが効き過ぎることによって血糖値が下がりすぎてしまい、低血糖に陥ってしまうことがあります。

低血糖時には糖分の補給が有効ですが、摂りすぎた場合はむしろ低血糖症を繰り返してしまう事態に繋がることがあります。くれぐれも、糖分の取り過ぎには注意して下さい。





この記事は、下記記事から一部を抜粋・改編したものです。記事全文は下記記事をご覧下さい。元記事はこちら↓


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