ここ15年ぐらいの個人での同人ゲーム・インディーゲーム活動の振り返り

自分の体験としては、2010年以降の同人ゲームとインディーゲームは非常にグラデーションだったなぁという振り返り。

2008年

ゲーム作りはじめた年。この頃はインディーゲームという言葉は基本的に聞かない。
大学では個人製作アニメーションのムーブメント(新海誠や吉浦康裕の影響)があって、私もそれをやっていたが、自分には仕事にできる感じがしなかったので他にCG技術が活かせるものを探していた。
ニコ動で東方Projectの二次創作が流行ってたので同人ゲームを知る。この頃、PCゲーム開発に関しては、一般書店にDirectX9関連書籍が充実していて学習には不自由しなかった。
11月に『ゲームプログラマになる前に覚えておきたい技術』が出版され、さらにゲームプログラミングを網羅的に学ぶことができた。

2009年

いきなり『NEO AQUARIUM -甲殻王-』の原型である『BattleShellfish』が「アジアデジタルアート大賞 2008 エンターテインメント部門 大賞」を受賞してしまった!
https://animeanime.jp/article/2008/12/28/4082.html
審査員にレベルファイブの日野晃博社長がいたのだが、授賞式には来なかったので話す機会は無かった。
第15回学生CGコンテストでも「エンターテインメント賞」を受賞した。授賞式の後、審査員の方のゲーム会社に見学に行った。受注メインの会社で「君みたいに企画とプログラムとアート全部やる人はいないよー」みたいな話をきいた。
大学の研究室でGDCの展示を観に行った。Independent games festivalの展示を観て、これがインディーゲームを最初に意識した時だったと思う。会場で『RETRO/GRADE』 を遊んだ。後年このゲームの作者は売れなくてうつ病・強迫性障害になってしまい、その経験を元に2015年『Neverending Nightmares』を作ったそうな。

2010年

賞をもらっても特に変化はないのでコミックマーケットで『NEO AQUARIUM -甲殻王-』の体験版出したりしながら、普通に就職活動をする。
Xbox LIVE Indie Gamesの存在を知る。日本からは 『REVOLVER360』 というゲームが出てて、作者のくろろさんもコミケに参加していた。
開発環境のXNAの言語はC#で新しい感じがあった。

『NEO AQUARIUM -甲殻王-』の完成版を12月31日にコミケで頒布
その時にPLAYISMさんが来て、インディーゲームのダウンロードサイトをやるぞという話をきいた。

2011年

2011年3月31日に甲殻王のとらのあなメロンブックスでの委託販売が始まった。
とらのあなさんから3000本ぐらい委託どうすっか?みたいな感じで来たので、いきなり3000本刷った。あとから知ったが、まあだいぶ多めに提案されるらしい。まだダンボール一箱ぐらい在庫あるけど、大方は売れたのでよかった。
当時はショップが同人ゲームの特設コーナー作ってくれたりしていた。

とらのあなにできた甲殻類祭壇

全日本学生ゲーム開発者連合という勉強会があって、5月21日の第9回交流会に参加した。この時に『Unity使ってゲーム作ってみた』という公演があってそこでUnityを知ったんだっけな。

会社の仕事が忙しい。

2012年

『NEO AQUARIUM -甲殻王-』が PLAYISMさんのサイトで販売を開始
あとPlaystation Mobile(PSM)がインディーゲームを配信できるって事になって、PSVitaでインディーゲームを配信できる事になった。甲殻王はDirectXべったりで移植困難だったので私はやらなかった。ここで今後はゲームエンジン使ったほうがいいなーと思ってUnity触りだしたんだった。(Unityを使えばiOSとAndroidにもゲームが出せるというのもある。)

この年からえーでるわいすさんが同人ゲームまとめ動画 を作っていて、コミケに出る同人ゲームを一挙に把握することができたし、サークル側も告知面でとても助けられた。コミケは2017年まで断続的にサークル参加していた。

会社の仕事が忙しい。

2013年

会社の仕事が比較的忙しくなくなったので、
Unityを触って『エース・オブ・シーフード』を作り始めていた。
3月9日第一回BitSummit が開催されて招待された。当時は開発者とメディアだけで一般のお客さんは参加していない。『エース・オブ・シーフード』を展示した。
9月22日 INDIE STREAMのパーティーが開催された。こちらは展示ではなくSSJ 品川ビルの社食コーナーでのパーティー。
11月17日 第一回デジゲー博に参加。コミケではコンセントが使えなかったので、即売会で電源が使える事に感動。デジゲー博は以降の年も断続的にサークル参加している。
11月18日東京ロケテゲームショウ2013に参加、これも電源を使えるイベント。
えーでるわいすさんが『アスタブリード』を出してすげ~ってなってた。
Oculus DK1を買ってVRすげ~ってなってた。

2014年

OculusFestival アキバ大好き祭り に参加した。
同人ゲームとはあまり被らないけど、VR勢はVR勢でインディーゲーム作っている。
Unity for PSMが公式リリースされた。私は手を出さなかったけど、一條 貴彰さんが『CardBoard Cat EP』をリリースしていた。

9月20日INDIE STREAM FESが開催され『エース・オブ・シーフード』は審査委員特別賞を貰った。

2015年

PSMが終了。

『NEO AQUARIUM -甲殻王-』がPLAYISMさんからSteamで配信された。当時は誰でもSteamで配信できるわけじゃなくて Steam GreenLightを通過する必要があった
夏コミで『エース・オブ・シーフード』をコミケでリリース
メロンブックスさんと三月兎さんげっと店さんに委託。さんげっと店はなんと同人ゲーム専門店だが、残念ながら翌年閉店している。

2016年

『エース・オブ・シーフード』をSteamでリリース。同人ショップとは比較にならないくらいのお金が入ってきたので、会社を辞めたくなる。会社のプロジェクトも中止され、アサインがなくなり、即売会でWiiUでのリリースの提案を貰ったのも後押しとなり、じゃあ辞めるか~となる。
『エース・オブ・シーフード』をWiiUでリリース。この頃WiiUは新作が殆ど出ておらず、ダウンロードランキングで『マインクラフト』とトップ争いをする。
※新作が無い時のトップはだいたいマインクラフト

個人的な同人ゲームからインディーゲームへの決定的な転換点はこの年だと思っていて、同人流通よりもSteam, 家庭用ゲーム機の方が圧倒的に売れるので、じゃあ私はインディーゲームってことで…とはなる。

2017年

『カニノケンカ』を作り始める。夏コミケで体験版を出す。
Unite 2017 Tokyoで「好きなゲームを作り続けるために、僕らは何をすべきか」のトークセッションに参加 (会社をやめたので実名・顔出しプレイをはじめる。)
インディーゲームの世間的な注目が上がっているようで、ワールドビジネスサテライトから取材を受ける。
『エース・オブ・シーフード』で東京ゲームショウのインディーブースに出展。Sense of Wonder NightでAudience AwardとBest Technological Game Awardを頂く
Unity Developer’s Delight でカニノケンカのプレゼンをする。
『エース・オブ・シーフード』をPS4にリリース。

2018年

『エース・オブ・シーフード』をSwitchでリリース
『カニノケンカ』でBitSummit Volume 6に出展し、Innovative Outlaw Award にノミネート

2019年

『カニノケンカ』のitch.ioでのアーリーアクセスを開始
12月にCOVID19が発生

2020年

Taipei Game Show 2020にエントリーし、Best Innovation Finalistになったが、COVID19の影響で開催中止。
BitSummitもオンライン開催になり『BitSummit 外伝』と銘打つことに
カップヌードルアワードを受賞、カップヌードル360個が送られてくる。
同時に行われた京都eスポーツゲーム大賞2020で特別賞も受賞
『カニノケンカ』をSteam, Switchでリリース
コロナの影響で東京ゲームショーもオンライン開催だった。
Sense of Wonder Nightはスタジオ収録で、Best Presentation Award受賞
シューイチ とか色々テレビに出たりした。

2021年

『カニノケンカ』の大会が沢山開催される。

一條 貴彰さんの インディーゲーム・サバイバルガイド にインタビューで協力。
iGi[indie Game incubator]にメンターとしてちょっとだけ協力。

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