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【読み切り連載38】~技能実習生制度、本格見直しか?~

 古川法務大臣が記者会見で述べたそうだ。

 今の技能実習制度では、目的は「発展途上国等の国民に技術を学ばせて帰国させてその国を発展させて国際貢献をする」ことで、実際は「経営者の低賃金労働者の確保と外国人の出稼ぎ(金儲け)」でしかない。
実状として、使い捨ての低賃金労働者としかみていない経営者たちは賃金を不払いしたり、勝手に手数料と称して天引きしたり、暴力をふるったりする。しかもそれを取り締まってくれるスベが実質的にない状態。
 でも外国人のほうも出稼ぎ金儲けとしか考えていない人が多く、ちょっとでもいい話を聞くと安易に失踪してしまう。
 この制度にはいいことなんて全くないです。
 ただ、本格的に見直すってどうする方向に行くんでしょうか。
 この制度には日本に長年ある大問題がからんでくるんです。
それは「移民」問題。
 今まで日本は移民、つまり単純労働ビザを発給したことがない歴史があります。日本の大多数の国民が移民について反対してもいます。しかし、経団連など経営者クラブは政府行政に低賃金外国労働者を認めさせ拡大するようにせまります。
 苦肉の策が、実習生と称した外国人労働者というわけです。
 この「脱法移民」制度の見直すというのはいいことですが、でも、できるんですかね。この乖離はなおすことができるんでしょうか。
 どうして、日本人は移民制度に反対してきたんでしょうか?
 理由は①日本人の仕事が取られる。②治安が悪くなる。という二つでしょう。
 これはズバリはあたってはいません。
 ①日本人の仕事は直接的には取られません。なぜなら外国人労働者(今は実習生)は日本人がやりたがらない仕事をするからです。
 ぼくのベトナム人親友Hは、一日中火のそばで灼熱の中、鋳物工場で働いたり、一日中ベビーサンダーを使い続け、手のしびれやふるえがとまらなくなったりしていました。少数零細工場には経営者と高齢者数人ということが多かったみたいです。日本の若者は今どきそういう仕事はしませんでしょ?
 ただし、実習生が給料もらって畑仕事するなどでは弊害が間接的に起こっています。低賃金外国人しか雇わない経営者がいることによって、非低賃金で日本人を雇うところが損をする例が出て来ています。
 また、②の移民が増えることによって治安が悪くなるの話ですが、今ベトナム人たちによる大窃盗事件が増えています。一番は不法滞在になってしまいまともな仕事にありつけなくなり犯罪に手を染めることが多いと思います。理解しあって不法滞在にさせない社会になれば、そこまで大きなことにはならなくなると思っています。ただ、やはり理由①②の完全なる反論は僕にはできません。難しい問題がはらんでいます。
 つまり、今までの平穏をとるか、労働力と経済を確保したいか、の天秤を国民はしいられているのだと思います。

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