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君に期待。

現在アラサーで、一度もジャニー○にときめいたことがありません、なんて人がいるんだろうか。

物心ついた辺りでスマスマが始まり、中学年の頃にTOKIOの歌う主題歌のアニメを見て、V6の学校へ行こうにバラエティーの洗礼を受けたと思ったらKinKi Kidsが硝子の少年でCDデビュー!
タキツバ、斗真くん、山PはJr.の中でもひときわ輝いていたし、風間くんにいたってはジャンプ漫画の声優業にいそしむと同時に、金八先生で鮮烈ないじめっ子役を演じ、拍手喝采を浴びていた。
少し時間がたって、大学に上がってみたら、花より男子が超人気ドラマに! 嵐の lovesosweetを口ずさめない友達はいなかった。

私にももちろん、ご多分に漏れず、ジャ○ーズにドはまりした時期が存在する。

それはいつか。

なう、である。
私、ジャニー○、ドはまりなう!

***

きっかけは、前職時代にお世話になっていたジャニー○ホリックの仕事相手だ。

その頃私は、片付けても片付けても次々とやってくる仕事に疲れはてていた。
仕事は好きだった。しかしまぁ、いかんせん量が多い。三つ、四つの媒体を同時進行……なんてこともざらで、朝方まで仕事して、少し寝て会社に行って、また帰って朝方まで仕事して……という終わりの見えない繰り返しに限界を覚えていた。

そんなとき、その人の家で開かれた飲み会で、私はであってしまったのだ。
「そうだ、これこれ、一緒に見よう!」
疲れに酒の入った頭で朦朧としていた私は、ぜひー、とあまり深く考えずに返事をした。

回り出したDVDから溢れだす黄色い悲鳴。
我に返って画面を凝視する。
そこに映し出されていたのは、圧倒的かつ絶対的な楽園(パラダイス)――五人の少年たちの華麗なる饗宴――……つまるところ、

○exy Zoneだったのである。

この日、その人は私に(録画番組も合わせて)DVDを三枚ほど見せたであろうか。
時間にして、六時間ほどぶっつづけで彼らの姿を見つめ続けていたことになる。

翌日から、私は仕事に詰まると検索ボックスに「Sexy ○one」と打ち込むようになった。
恐ろしいことに、この頃まだ、自分が既に引き返せない何かにはまっていることに気づいていなかったのだ。

200字書いてはセクシー、200字書いてはセクシー……。

おそろしや、○ャニーズ。
こうして書いていると、もはやちょっとした洗脳状態であることがうかがえる。しかし、実に幸せな洗脳状態だったということを書き添えておく。
徹夜だってへっちゃら。何故なら私のそば(画面内)には、彼らがいるから!

そしてとうとう私は気がついた。
有料チャンネルでしか見られない、彼らの冠番組が見たくて見たくて、月額300円の契約を結んだ直後のことである。

「あ、私今、Sexy ○oneが超好きだわ!!」
「これはもう、どっからどう見ても立派なセクガル(※○exy Zoneファンのこと)だわ!!」

遅い。
いろんな意味でもう遅い。

こうして私は、齢27歳(当時)にしてジャニー○沼へとずぶずぶに沈んでいくことになったのであった。

完。

***

話は「私の遺伝子は父親よりである」というところに飛ぶ。

母親が年の割に若く、かわいい系の顔立ちなので、会った人は大抵「お父さん似なの?(訳:似てないね)」と言ってくる。
もっとも率直な意見は、現在の部長(40代男性)の言い放った

「お母さん、砂東さんに 全然似てなくて美人!」

という一言である。組合に訴えたろか。

とはいえ父親は祖母似であり、小さいときは「かわいい、かわいい」ともてはやされたらしいし、享年66歳だったが、同窓会などの写真を見るとダントツで若々しく見えた。
贔屓目ではないと思うのは、父娘で同時に通ってた歯医者の歯科助手さん(女性)から、「お父さんかわいい顔してるじゃなーい」と言われた経験があるからである。お世辞だとしたら、定年過ぎた男の形容に可愛いって使わない気がするのだが、どうだろう。

よく、成長した女性が鏡を見たときに「母親がいるかと思った」などと思うらしいが、私の場合、

「父親がいるかと思った!!(怯)」

である。すっぴんだと特に。

また、前職時代に取材した某業界重鎮より、
「私は飾り気のない女性が好きでね」
「だからあなたも好きだよ」
「スッキリ系の顔立ちだね」
などの言葉をいただいたことがある。

……いやフルメイクですが! そして顔がスッキリってどんな事態だよ!

なんてわき上がる感情をねじ伏せて、にこやかに微笑んだのを覚えている。顔で笑って、心で泣くのが編集者であり社会人だ。

しかし、プライベートで社会性を保てるか、と言ったら話は別である。
こんなこと言われた!ひどくないか!と、ぷんすかぷんすか友人たちに当たり散らすのはもはや年中行事だ。

ぷんすかぷんすかしていたら、黙って話を聞いていた学生時代の男友達が、じっと私を見つめて、口を開いた。

「お前が男だったら、イケメンだったろうな」

…………ん?

と、私もまじまじ彼の顔を見返した。

「まぁ女だからよくわからんけど、目も一重で涼しい感じだし(←一重ではなく奥二重だしかつ毎朝必死で各種化粧品で盛ってるし)、眉とかもキリッと系だし(←放置するとつながるので泣く泣く処理した結果の形)、男だったら結構イケメンなんじゃない?」

返事の難しさがお分かりいただけるであろうか。
諸手を挙げて「褒められた!!」と言うにはプライドが邪魔をする。

いやだって男じゃねぇし。

しかし彼の次の言葉が、私のテンションを一気にMAXまで跳ね上げた。

「お前の息子、ジャ○ーズ系かもな」

***

「あー、わかるかもー。砂東さん、ちょっと亀○くん系だよね!」

一通り話を聞いた、件のジャニー○ホリックの台詞である。
残念ながら、私の顔は微塵も○梨くんに似ていないのだが、せっかくそう言われたのでそういうことにしておく。
こんにちは、亀○くん系の砂東真実です。

***

男の子は、母親に似るという。

ならば、○梨くんに似ている(らしい)まだ見ぬ私の息子は、ジャ○ーさん好みの色男である可能性も捨てきれないんじゃないか……?

いや、常々思っていたのだ。

ジャニー○って、実は結構雰囲気イケメンもいるよねと。

よくテレビで、「あのジャ○ーズアイドルの幼少期の写真が!!」なんてコーナーが放映される。
すると、大抵の幼少期はもさっとしていたりするのだ。
完成されているのなんて一握りで、大抵はぷっくりしていたり、私服がおかしかったり、髪形が似合ってなかったりしているのだ。

しかし彼らがJr.として事務所に所属し始めると、あーら不思議!
気付けばオシャレな古着を身に付けてみたり、アクセサリーをつけてみたり、髪の毛をワックスで立ててみたりしている。

「あこがれの先輩は○○くん!」

と目をキラキラさせるJr.たちは、勝手に自らを高めるすべを習得する。そして気付けばもさい男子たちは美男子集団へと早変わりしているのだ。
(単に、事務所社長の恐るべき能力、「将来イケメンになる子どもを見分けられる」が導きだす結果である可能性も否めないが……)

だが、これだけはいえる。
ジャニー○事務所は、単なるイケメン所属集団ではない。イケメンがイケメンを見習いイケメンを産み出す、イケメン養成所なのである。

うちの息子(現在細胞にもなっていないレベル)が成長したみぎりに、ジャ○ー社長がいらっしゃるかどうかはわからない。

しかし私は心に決めた。

彼を入れよう。

ジャニー○に!!

***

以上、誰に話してもバカじゃないのと一蹴される、私の野望である。

「でも、やつ(息子です)が事務所にはいったらさぁ! ○exy Zoneを我が家につれてきてくれるかもしれないんだよ!?」

後輩の母親として、Sexy ○oneに微笑む私(亀梨似)。
なんて素敵な光景だろう。

「その頃Sexy Zo○e、おっさんだよ」

すげなく言う友人に、そんなことない、まだ○MAPより若いはずだとぷんすかぷんすかしてみる。

ねえ、聞いている?
私のかわいいかわいい息子くん(細胞未満)。

まだ見ぬ君に、私は全力で期待する。
我が家(先日賃貸契約)にSexy ○oneをつれてきてくれる日が待ち遠しくてしかたがない。



サポートをご検討いただきありがとうございます! 主に息子のミルク代になります……笑。