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「端的でわかりやすいけど、温かい」テキストコミュニケーションをするための文章術。

先日同期から、テキストコミュニケーションに関するこんな相談を受けました。

オフラインで顔を合わせられる時は、テキストコミュニケーションは「わかりやすく」「端的に」に重点が置かれていて、さっぱりとした文章が多かったと思うんだけどオンライン上での仕事が多くなってくると体温の載せた言葉が欠かせなくなるんじゃないかと考えていて。。。
でも、端的でわかりやすいけど、温かい文章を書くのが難しくてよく時間をかけすぎてしまうんだよね。そこで、模範的な「型」を知ることができたらなと考えてる。

社内編集者として日々仕事をしているので「テキストの伝わり方」にはかなり関心があります。同期もそれを知っていて自分に相談してくれました。

確かに「端的なわかりやすさ」と「体温」を併せ持つテキストコミュニケーションをすることは、今の時代大切だなぁと思います。

「模範的な型を知りたい」という要望なので、自分が普段実践していることを挙げてみます。相談をくれた同期に限らず、同じことにお困りの方の参考になれば幸いです。

基本は「わかりやすさ」。温度は+α

まず押さえておきたいのですが、仕事においては「わかりやすい」文章にすることが最優先だと思っています。「冷たい印象になってないかな…」と心配してアレコレ文章を付け足した結果、冗長でわかりにくくなっては元も子もありません。

わたしが社内チャットで相談や依頼をするときは、情報を端的にわかりやすく整理することを第一にしています。このあたりは調べるとたくさんTipsが出てくるので割愛しますが、個人的によく使うのは構造化と箇条書きです。

【依頼】〇〇の原稿確認(希望納期:◯/◯(曜日)◯時)
■依頼内容



■納期
◯/◯(曜日)◯時
■その他
・◯◯◯にご注意お願いします。
・◯◯◯は後日差し替えの可能性があります。

こんな感じで、まずは温度のことは考えず簡潔に「わかりやすさ」を固めます。
(箇条書きについてはリサーチャーの菅原大介さんの新著『新・箇条書き思考』が大変勉強になりました!)

冒頭と末尾の温度を上げる

文章の構成って大枠「冒頭文+本論+結び」になってると思うのですが、短いテキストでも同じだと思います。先程作ったわかりやすさ重視の部分を本論とし、冒頭と末尾に温度を乗せるのが「端的でわかりやすいけど、温かい」テキストコミュニケーションとして一番実践しやすい型だと思います。

例えば冒頭だと「お疲れ様です!」、末尾だと「よろしくお願いします!」がベーシックと言えそうです。相手への感謝や労りの一言も素敵だと思います。

【依頼】〇〇の原稿確認(希望納期:◯/◯(曜日)◯時)
お疲れ様です!先日はインタビューありがとうございました!原稿が完成しましたので、下記ご確認をお願いいたします。

■依頼内容



■納期
◯/◯(曜日)◯時
■その他
・◯◯◯にご注意お願いします。
・◯◯◯は後日差し替えの可能性があります。

お忙しいところ申し訳ありませんが、何卒よろしくお願いいたします!

冒頭と末尾の温度を少し上げるだけで、全体の温度も上がった気がしませんか?「冒頭文+本論+結び」を「温・冷・温」とサンドイッチしてあげると分かりやすさと温かさが共存できると思います。

記号と絵文字で印象をあやつる

あとは細かいですが、よく言われるように「!」「?」の記号や「ー」「~」の伸ばし棒、「…」の三点リーダー、絵文字なんかは印象の操作がしやすいです。

よろしくお願いします。(冷静な印象)
よろしくお願いします!(元気な印象)
よろしくお願いします!!(とても元気な印象)
よろしくお願いします…!(切実な印象)
よろしくお願いしますー。(マイペースな印象)
よろしくお願いします~。(ゆるっとした印象)
よろしくお願いします😁(明るい印象)
よろしいでしょうか。(冷静な印象)
よろしいでしょうか?(フラットな印象)
よろしいでしょうか??(カジュアルな印象)
よろしいでしょうか…?(おどおど感のある印象)

余談になりますが、「自分の定番を決める」のも面白いなと思っています。定番を決めるとは、自分が使う記号や絵文字、顔文字を一定にすることです。

定番を決めると自分への印象が一定になり、相手のコミュニケーションストレスが減る気がしています。
(わたしは社内だと記号は「ー」「!」、絵文字は「💓」、顔文字は「(*˘︶˘*).。.:*♡」を使うことが多いです。)

文章を「ひらいて」みる

また細かい話になりますが、冷たい印象の文章って「硬い」要素が強いことも一因な気がします。編集の世界では 漢字で書ける語句をひらがなで書くことを「ひらく」と言います(逆は「とじる」)。

文章の何割かをひらくだけで、温かい印象になります。

【Before】

【依頼】〇〇の原稿確認(希望納期:◯/◯(曜日)◯時)
お疲れ様です。先日はインタビュー有難うございました。原稿が完成致しましたので、下記ご確認をお願い致します。

■依頼内容



■納期
◯/◯(曜日)◯時
■その他
・◯◯◯にご注意お願いします。
・◯◯◯は後日差し替えの可能性が有ります。

お忙しい所恐縮ですが、何卒宜しくお願い致します。

【After】

【依頼】〇〇の原稿確認(希望納期:◯/◯(曜日)◯時)
お疲れ様です。先日はインタビューありがとうございました。原稿が完成しましたので、下記ご確認をお願いいたします。

■依頼内容



■納期
◯/◯(曜日)◯時
■その他
・◯◯◯にご注意お願いします。
・◯◯◯は後日差し替えの可能性があります。

お忙しいところ恐縮ですが、何卒よろしくお願いいたします。

並べてみると、けっこう印象が違う感じがしませんか?
文章はとじすぎても、ひらきすぎても読みにくくバランス感覚が大事です。少し硬いかもと感じたらひらいてみるのも良い手かもしれません。

DMを上手に活用する

最後は文章術と少し離れてしまうのですが、テキストコミュニケーションとして考えるなら補足としてDMをうまく活用するのもアリだと思います。

「冷たすぎたかも…?」
「意図伝わってるかな…?」
「もっと伝えたい気持ちがあるのに、簡潔に表現できない…!」

悩んだら、ひょひょいとDMで「さっきの依頼冷たく思われたらすみません!」と一言送ったらいいと思います。よくDMの使いすぎは良くないと言われます。同意しますが、DMはうまく使えば円滑なコミュニケーションの手助けになると思います。

日本人は諸外国に比べ、ハイコンテクストなコミュニケーションに長けています。そのノリのままテキストコミュニケーションに移行すると多少の不具合が発生するのは仕方ないのではないでしょうか。慣れるまでの間は、公の場所でちゃんと進めながらも水面下で温度を補うことがあってもいいと思います。

以上、わたしが普段「端的でわかりやすいけど、温かい」テキストコミュニケーションをするために実践している工夫を挙げてみました。
最近はだいぶテキストコミュニケーションに慣れてきた方も多いと思いますが、改めて何か参考になりましたら嬉しいです!


▼今回相談してくれたあったかい同期と一緒に働いてる会社です!新卒、中途共に採用を進めています。ご興味ある方は下記をご覧ください(*˘︶˘*).。.:*♡


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