見出し画像

熱く、冷静に、そしてフェアであれ。第1回 #インハウスエディターコミュニティ での覚え書き。

「自分、インハウスエディターかも?」「インハウスエディターって何?」と思う方、ぜひご集合くださいませ。

こちらのツイートをきっかけに、「#インハウスエディターコミュニティ」が爆誕しました。

メルカリのインハウスエディター・西丸さんの呼びかけで、マネーフォワードのやる気さん、LIGのたびちんさん、元インハウスエディターのかわばたさん、GCストーリーのさとうみさきちの6人がインハウスエディターのアレコレについて語り合いました。

画像1

とくにトークテーマを設けずに始まりましたが、蓋を開けるとアチチな話のオンパレード!一部にはなりますが、お届けできればと思います。

川上から川下まで一貫させる役割

本命ド直球の問い「インハウスエディターとは何なのか?」に対して出た言葉が、「組織の編集者」でした。

インハウスエディターはただ文章を書く人、メディア運営をする人ではありません。ときには組織の背骨となるMVVの策定から、採用広報、コーポレートブランディング、事業ブランディング、ブランド・コミュニケーション、メディアの記事執筆まで、幅広い業務を担当します。

いわば組織の川上から川下までを「言葉」の力でつなぐ役割。ボード層と現場を言葉の力でつなぐ、とも言えるかもしれません。単なるコピーライティング的なスキルだけでなく、問いをつくる力や物語をつくる力、"WHY"をもとに社内外と対話する力が必要になります。(後述します)

だれもが教育課程で言葉と触れる機会が多いからこそ、「文章なんて誰でも書ける」と無意識に思われてしまう。インハウスエディターの価値は、言語化しにくいのが現状だと感じました。社内に価値を理解されにくい上に、一人職種ゆえの孤独や葛藤も生まれやすいように思います。


五角形を満たすのではなく、六角目をつくる

インハウスエディターと切り離せない領域が「ブランディング」です。
西丸さんは、「ブランディングは総合格闘技」と仰っていました。企業のあらゆる情報を、あらゆる切り口や手段を検討しながら世の中へ届ける総合格闘技。

総合格闘技をしながら、「なぜA社ではなくB社なのか」という問いにあらゆる場面、あらゆるレイヤーで応え続けなければなりません。

「その組織らしさ」をいろんな角度から捉え、言葉にしていく。あらゆる人に対して会社と人生の交点を「言葉」として持ち、投げかける。その繰り返しの中で、いかにユーザーの認知や意識に変化を生じさせるか。芯を食った言葉でなければ、人の心は動きません。ここにインハウスエディターの価値が見出されるように思います。

「五角形をまんべんなく満たすのではなく、六角目、七角目を作っていく」

今、多くのサービスが飽和状態にあり、売り手市場により採用候補者とフェアな関係になっています。あらたな角度を開拓していく精神がインハウスエディターに求められているようです。


「"メルカン"みたいに」って、本気?

どんな仕事にも「覚悟」が必要です。

インハウスエディターの中には、しばしば社内から「"メルカン"みたいなメディアがいいよね。」とオーダーをもらう方がいるそうです。

『mercan(メルカン)』は、メルカリグループのメンバー全員が発信することができるコンテンツプラットフォームです。

インハウスエディターは社内と社外をつなぐ役割でもあります。社内の人が自分たちの言葉で組織を語ってくれるほどありがたいことはありません。ひとりひとりの言葉で「その組織らしさ」を形成できるため信頼度が増し、温度も伝わりやすいからです。メルカン、うらやましい。

しかし同時に、多くのインハウスエディターは思っています。

箱だけ作っても、中身の運用どうするん???

コンテンツ発信を社員全体で行なっていくことは、非常に根気のいる作業です。どう社員を巻き込み、モチベートし、継続していくのか。言うのは簡単ですが、実現と継続の難しさをわたしも肌で感じています(GCTwitter部、GCnote部の部長を務めております…)。西丸さんの話を聞くと、本当に地味な努力の積み重ねが必要だと分かりました。メルカンの運用、すごい。

LIGブログを担当するたびちんさんからも、社内の巻き込みについて経験をシェアしてもらいました。

やりたいこと、やったほうがいいことはたくさんあります。しかし、一人職種の限られたリソースの中で、覚悟をもってやりきれるか。シビアな状況に立たされがちなインハウスエディターの実情を垣間見ました。

(西丸さんより先にマネフォのやる気さんがメルカンを成り立たせる難しさについて語りだし、西丸さんから「メルカリの人」として認められた流れが面白かったです。)


インハウスエディターは、フェアであれ。

事業会社の編集者という性質上、あらゆる部署やレイヤーから声がかかります。「この商品を記事にしてほしい」「こんなインタビュー記事を出してほしい」…。ついつい引き受けてしまいがちですが、社内受託者にならないことが大事なようです。また、社員に発信をしてほしいあまり媚びてしまうことも避けたほうがいいと思います。

むしろ、社内の新聞記者であること、第三者委員会的なスタンスでいることが健全に仕事を続けるために必要という話がありました。

なぜしてほしいのか?それは自分たちでやる価値があるのか?

依頼主・依頼対象に対しても、自分たちに対しても、問いを忘れない。
突き放すのでもなく媚びるのでもなく、共に考え伴走する。「組織を編集する」役割だからこそ、組織から出す「言葉」「意味」に責任をもつ。"WHY"をもとに社内外と対話する力が、こういう場面で必要になってきます。

インハウスエディター自身も、「HOWに課題感がよりがちだが、突き詰めるとWHYが煮詰まっていない」場合が往々にしてあるというのは発見でした。

真に目指すのはスキルのカルチャー化

インハウスエディターのひとつの到達点として、「スキルをカルチャー化すること」が挙げられました。

言葉を扱うスキル、問いをつくる力、物語をつくる力、"WHY"をもとに社内外と対話する力…

こういったスキルを社員全員がもてるようになると、「組織の川上から川下までどんな文脈が流れているか」を俯瞰でき、どんなタイミングでどんな発信が必要か、各々で考えられるようになります。カルチャー化すれば、たとえばブランディングを統括する役割は要らなくなります。マネジメントが不要になるのです。

インハウスエディターがいなくなったら組織のブランディングが崩れる、発信が途絶える。そんな未来を防ぐために、スキルをカルチャー化していくことが大切です。身近なところで言えば、まず発信に対するハードルを下げる工夫が必要だと学びました。
(例えば、メルカリでは社内wikiで「メルカン」とつぶやくと編集方針が自動で呼び出されたり、OKRの評価項目に「発信」があったりと、ハードルを下げカルチャー化する仕組みがあるそうです。)

まとめ

価値の言語化がしにくく、孤立しがちなインハウスエディター。
業務の範囲が広く、手を動かす仕事も頭を使う仕事もたくさんあります。わからないなりに社内を巻き込みながら社外に橋を架け、仮説検証しながら言葉を紡いでいます。

インハウスエディターコミュニティは、「それ思ってた!」を共有出来る場、ナレッジを共有できる場、自分の仕事を俯瞰してみる場として非常にありがたい場でした。仲間ができることの心強さを感じました。

組織と言葉に対する熱をもちながら、客観的で冷静な視点を忘れず、フェアな立場で組織を編集する存在。

インハウスエディターに対して、そんな認識を深められたように思います。
最後に、西丸さんオススメの本と、わたしのネクストアクションを載せて、レポートを締めます。

▼西丸さんオススメの本

▼みさきちのネクストアクション

・「なぜ発信するのか?」を社員に腹落ちしてもらう
・社員ブログ投稿をマネジメント型→伴走型に切り替える

西丸さんから「みさきち!視座を2段階上げて"GCらしさ"を考えるんだ!!」と激励をいただきましたので、頑張ります!

西丸さん、やる気さん、たびちんさん、かわばたさん、さとうさん、素敵な時間をありがとうございました♡

画像3



▼noteの新作お知らせはTwitterからもお届けしてます。(#インハウスエディターコミュニティ の発信もしてます。)


ここまで読んでいただきありがとうございます! いただいたサポートで、自分へご褒美あげたいなと思います。