ポール・サイモン「A Hazy Shade of Winter(冬の散歩道)」についての私見
ポール・サイモン作詞のこの名楽曲の歌詞について、思うところを述べたい。また、練習で翻訳していて気がついたことである。
まずこの歌詞は、大人になれなかった人間の悲劇と絶望を描いているといってよいと思う(散歩道とされる邦題は、いささか能天気な雰囲気を醸し出してしまっている)。そのうえで誤訳されがちであろう部分に down by the riverside というくだりがある。実はこれは、黒人霊歌(民謡のジャンルのひとつ。ブルースと融合して、のちにゴスペルソングと呼ばれるかたちになってゆく)のタイトルなのだ。このくだりは「the Salvation Army (救世軍)」という社会事業団体が出てきたあとにくる部分なのだが、要するに救世軍の楽隊がこの黒人霊歌を演奏しているということだ(ボーカルがいたかどうかは定かではない)。社会事業を川岸でやっているなんて妙だな、と思って調べた次第である。
もう職業にはしないつもりだが、翻訳は気が抜けない。
私の拙い記事をご覧いただき、心より感謝申し上げます。コメントなどもいただけますと幸いです。これからも、さまざまな内容をアウトプットしてゆく所存です。どうぞよろしくお願いいたします。