「真面目」ということ

私は真面目です。

って聞いたら、どう思いますか?

一般的には、長所に分類されることが多い気がしますが、これも「全力」と同じく、一定条件を達していない限り長所にはなりえない、凡人には厄介シリーズの一つであるというのが、長年考察してきた私の持論です。

まず、損しがちです。高確率で損な役回りがお約束です。そもそも、世の中には、要領が良い人と、悪い人がいると思います(これは、否定しようがない事実です)が、真面目は、後者が多い印象です(後者の真面目をまじめ族と私は呼んでいます)。

例えば、この社会には、毎日まじめ族だけがやっている作業や仕事というものがあります。しかしながら、本当にたまーに、まじめじゃない族が、気分でそれをやってくれることがあるのですが、その奇跡的な瞬間を誰かしら(権力者であることが多い)が目撃し、評価されるという事象が、高確率で日常的に発生します。

世の中の常識なのか、よく言われる一説として「あなたが毎日真面目にやっていることは、きっと誰かが見てるよ。もし見てなかったとしても、神さまが見てるから、絶対あとで評価されるよ。」という考え方があります。

…残念です(あくまでも私の場合です)。これも、真面目は真面目でも、要領が良い真面目、いわゆる3つの条件(どんとみ的考察:「全力」参照)の内一つでも兼ね備えた方が当てはまることだと思われます。また実際、誰かが見ていて、成功した事例もあるのでしょう。少なくとも私自身には起きたことがないし、私だけじゃなくて周りの数々のまじめ族のみなさんが涙をのんできた所も多々見てきました。しかし、この考えに至るまで、私は次のように考えていました。

きっとこれは、真面目が報われないことに耐えきれない人(まじめ族)が願望として言い始めたことなのだ。もしくは、社会の中に真面目(特にまじめ族)がいないと成り立たないから、それを守るために、まじめじゃない族が言い出したことなのではなかろうか、と。

長年追求してきた自説なだけあって、自分で言うのもなんですけれど、けっこう説得力あるのではないかと…(笑)。もし社会全員が本当に"真面目"だったら、あからさまな損得とか、格差とか、起きないんじゃないかなと思ったりもします。そういうの(格差というか身分?ちょっと違うかも)が昔からあったってことは、人類が誕生したときから真面目って存在していた…とか考えると、また壮大な考察対象になりそうです(笑)。

ただ、現段階で私が言えることは、真面目は厄介ということです。結局これも、捨てられないんですもん。損してばかりだけど、報われないけど、それでも真面目であり続けてしまう自分に、自己嫌悪になったり、もう仕方ないのだ、と諦めたり。私は考えすぎて、何故自分がダメージを受けなければならないだー!と、怒りをエネルギーに変えたりしてきました。もはや後ろ向きからのポジティブです(笑)。

今まで散々自分なりに「真面目」について向き合って、考えてきて、いつも拠り所にしてきた結論があります。それは、不真面目より、真面目の方が良いはずだ、ということです。だから、自分は真面目でいいじゃない!って。

でも最近、それすら揺らいできているのを感じます。真面目ゆえの不利益を自分で想定していても、納得していても、すごくすごく生きづらいんです。真面目が正しい訳じゃないぞ!みたいな風潮?というか、そんな真面目にやんなくてもいいんだから、みたいな…真面目であることが悪というか、煙たがられたり、痛々しい人扱いされたり、それが、なんだか悲しいです。「無理して真面目でいる訳じゃないのに…真面目に生きていきたいっていうのは自分の信念なのに…」とこっちが言っても、そんな無理しないで!もっとラクに生きなよ!っていう時代の空気みたいなものを感じます。(ファッションやメイクだけでなくて、あなた自身もヌケ感を!軽やかな生き方がトレンド?みたいな。)真面目も受け入れられるような、真面目も生きやすいような、そういう社会を、まじめ族の一人として、願っています。

追記:マジメというワードに目が留まり思わず読んでしまった記事があります。渡辺麻友さん引退についての記事(6/11:東スポweb)ですが、そうかぁ、真面目問題はあくまで凡人の世界だけの話かと(←それしか知らないので…)思ってたんですけど、アイドルさんの世界も真面目って生きづらいのかな…と思って、なんだかやるせなくなりました。

一般社会でもありがちな話だが、マジメにやっていることが必ずしも成功につながるとは限らない。渡辺自身も在籍中に出演したドキュメンタリー番組「情熱大陸」(TBS系)で、アイドル活動について「マジメに頑張ったり、ストイックにやったり、それが正解じゃないところ。マジメな子が損をするような世界でもあるので…」と胸の内を明かしている。

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