見出し画像

ナース妻はなぜ謝らないのか?~ジェンダーバイアスを手放そう~

夫や子どもに対して絶対に謝らない。これは新たに発見されたナース妻の生態です。
ナース妻はなぜ謝らないのでしょうか?その謎に迫ります。​

ナース妻シリーズ#01
ナース妻はなぜ強い?〜気になるその生態とは〜まずはこちらをどうぞ♡

https://note.com/nurselab/n/n7717f8526d0b

1. 本当はわかっているけれど


「お母さん、今日お弁当にお箸入ってなかったよ」と、学校から帰宅した子どもに言われても、謝罪の言葉は出てきません。

ナース妻は「自分でも確認すればいいじゃない!社会に出たら自分のことは自分でやらないといけないのよ」と、自分のミスを子どもの社会勉強の機会にしてしまいます。

“確認”は看護師の基本原則。医療事故防止のための鉄則です。それを子どもに教えたいという親心も伺えますが、巧みに謝罪を逃れていることを家族は察しています。

残念ながら、それでは確認作業の大切さではなく“世の中の理不尽さ”を子どもに教えることになっています。


しかしナース妻は、本当は自分が悪いことをよく理解しています。「ごめんなさい」を言えないために、自己嫌悪に陥ることも少なくありません。
謝らないことも問題ですが、謝れないことでますますネガティブになっていくこともナース妻の見逃せない問題です。

2. プライドが許さない


「トイレットペーパー切れてるよ!何で買ってないんだよ」と忙しい朝にトイレから聞こえる夫の怒鳴り声。
「私だって忙しいのよ!そっちこそチリ紙ないのに気がつかなかったの?あなたが買って来てもいいんじゃない?」とイライラしながらすかさず言い返すナース妻。謝罪の言葉はもちろんありません。
夫たちが「うちの嫁は強くてさあ‥‥」と思わず同僚に愚痴るのもうなずけます。

看護師は仕事にプライドを持っています。このプライドが家族に謝れない一因となっています。
看護師の仕事はハードで責任も重く、常に正確な仕事を要求されています。そのため「間違いを許さない」というプライドが培われていきます。

仕事で疲れてしまい、家庭ではうっかりしてしまうこともあります。しかし看護師としてのプライドが許さず、謝罪することができないのです。

画像1

3. 心の中は常に謎のバトル


ナース妻は夫より優位でありたいという気持ちが強いです。夫婦は平等であるはずなのに、なぜか勝ち負け思考に支配されています。

看護師として働いていると、早出、残業や土日祝日の出勤、夜勤など、多忙な勤務状況により、家事育児に十分な時間が割けません。
そのことからナース妻は、常に母として妻として家庭のことを十分にできていないという後ろめたさを感じています。


看護職を選ぶ女性は基本的に心やさしく真面目であるため、家事育児をできていない自分を責める傾向があります。

逆説的ですが、夫より優位に立ちたいという気持ちはその罪悪感の裏返しと言えます。夫より優位に立っておくことで自分への非難を回避したいという複雑な心理が隠されています。
そんな人知れぬ葛藤が、夫への勝ち負け思考につながり、謝れない状況を作り出しています。

4. 謝ることで得られるもの


「でも本当は謝った方がいいのはわかっている……」そんな後悔にさいなまれることはありませんか?では、素直に謝れたら、どのようなメリットがあるでしょうか?


「朝、あれ買っといてって頼んだのに~」と夫や子どもに言われていたけれど、忘れてしまった。そんな時「ごめんね~お母さん考えごとしててウッカリしちゃった」と言えたら、それ以上追及されることはないでしょう。筆者はまだまだその境地には至りませんが、謝罪とともに「エヘッ」と少女漫画の主人公のような照れ笑いもしてみましょう。

「しょうがないな〜。じゃあ僕が帰りに買ってくるよ」と家族が申し出てくれるかも知れません。家族の思いやりを感じられますよね。
それまでは一人でキリキリと頑張っているように感じていた心が、ふっとやわらかくなります。

「ごめんなさい」を言わなかったら?それはもうお分かりですね。

画像2

5. ジェンダーバイアスを手放そう


謝れない根本原因である“自責の念”を取り払うために、「私がしなくちゃいけない」という思い込みを手放す必要があります。

この自責の念は、女だから家事育児をしなくてはならないといった社会通念やジェンダーバイアスによるものです。
性役割分業は、時代とともに徐々に薄れていますが、私たちの手でさらになくしていきたいですね。


次に、夫婦は対等な関係であると再度認識しましょう。対等であるということは、必要以上に自分を責めることや被害者意識をやめなくてはなりません。


被害者意識とは、ここではナース妻が「私だけ頑張っている」と自分だけ損をしているように感じてしまうことです。本当に自分だけが大変なのか振り返ってみましょう。

子どもは子どもなりに学校や部活で忙しいもの。友達関係の悩みもあるでしょう。夫も同じです。
「自分だけ」という思いを捨て、家族もそれぞれ大変なのだと理解を示し、思いやりを持ちましょう。


このように考え方を変えることで、素直に謝れる自分に成長するのです。

おわりに


ナース妻が謝るようになると、家庭も円満になりそうですね。
ナース妻がごめんなさいと言えるようになるためには、様々な思い込みに気づき、それを乗り越える必要があります。

だからこそ謝れるようになった時には、“新しい自分”に出会えるのかも知れません。




ナースライターさきのブログ

ナースLab/アンファミエに寄稿中!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?