「コロコロ変わる名探偵」 #ショートショートnote杯
”
都心の大通りから少し入ったところにある、小さなビル。
一階にはコンビニ、地下は駐車場となっており、上の方の階は事務所に使われている。
『西野探偵事務所』
と看板を掲げる事務所の一室で、キレイなスーツに身を包んだ男性が二人、なにやら話し込んでいる。
「橋本さん、初めまして。よろしくお願いします。」
茶を出された客人が、少し緊張しながら手短に挨拶をした。
「初めまして。こちらこそ、よろしくお願いします。松村社長のご紹介であれば、なんでも引き受けますよ。」
後から部屋に入ってきた男性は、穏やかに答えた。
「ありがとうございます。立派な事務所ですね、白石さん。白石さんは名探偵だって、よく聞いています。」
「いえいえ、そんな。さて、ご相談というのは?」
「それが...。大変お恥ずかしい話ですが、女性関係の相談でして...。」
”
「うーん。」
僕はため息をついた。
「困った。どうしても主人公の名探偵の名前が決まらない。」