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『いのちのある限り生きなしゃーないねん』

ほんまに死ぬかもしれん
危うい毎日を過ごす孫に
『死んだらあかん』
じゃなくてこの言葉、さすがです。

調子が悪くなると
コンビニに駆け込み、大量のアルコールと薬。
カッターナイフを弓にして腕バイオリンを弾く。
この繰り返しをしている彼女から
決まって 演奏会🎵をした後は
連絡が来る

『いつかほんまに死んでしまうかもしれん
死ぬのって本当は怖い』
と言うのだ

そしてこの日も

ピロリロリン♩LINEの通知が鳴った

生きてるな・・・
良かったと思う

いつもの内容だったらこんな感じ


私も怖いよ
鉄の女の様にこの人ならなにを言っても大丈夫と思われている節は否めない。

無防備に静かに安眠している私の所へ
なぜか土俵から投げ飛ばされた力士が乗ってきたくらい重い
しかし乗られたことは一度も無い!
(結構ストレスも感じてる私)

ひと息深呼吸して
スマホを開いた

無い、無いよ
いつもの辛い、辛いの文字が見当たらない
樹海に迷い込んで出口を探して歩くふりをしていつまでも迷路をぐるぐる歩く
彼女と今日は少し違った。

なにがあったのか?

それが、おばあちゃんからの
『いのちある限り生きなしゃーないねん』
と言う愛は地球を救うたったこれだけの言葉だった

もう少し生きてみることにした
今日のLINEのメインメニューには
そんな言葉が記されていた。

死んではいけません!
いのちは大切です!
そんなの分かってるだよね。
だから敢えて言わない様にして来た。

どうしてもやめられないのは、
死ぬことの反対で、今日も生きていたと
自分で確認するための行動なんだよね。
(望ましい行動では無いけど)
「自分で気を付けて傷付けて、あっ!切りすぎたと思ったらその時が止め時だよ」
って前に伝えたことがあった。

簡単じゃなかった彼女の止め時は
自分の体を深く傷付けてしまった時じゃなくて
「生きなしゃーないねん」のひとことだった。

しゃーないって
これまではあまり好きな言葉じゃなかった。
このことを聞いてから
少しだけ好きになった。

諦め?のしゃーないだけじゃなかったね
どうにもならんこともあるけどそんなんしゃーないやん 大丈夫や
そんなことどうでも良いねん!
前向きにいこや!って意味で言ったかはわからないけど
彼女にはそんな風に伝わったんだと思った。

どんな励ましの言葉より効果
があったんだ!

いのちある限りどうにもならんこともある、そんなしゃーないこと考えるより生きよう。って言葉に変換されたんだね。

さすが、おばあちゃん
彼女の意思が生きるという道しるべ向かってヨチヨチ歩きを始めた。
嬉しかった。

しっかり歩ける様になって
また分かれ道が現れても
おばあちゃん、また
「しゃーない しゃーない」って
言ってやってくださいね。

自分でもきっとしゃーない生きるかって思えるはずだから。

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