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育休から戻ったら、病院が豹変していた話

「こんなことになってしまったのか…」
わたしは1年3ヶ月ぶりに産育休を経て病棟看護師として職場復帰しました。これがわたしの復帰初日の感想です。

わたしがお休みを頂いたのは、2020年の4月。そこから1年3ヶ月は臨床を離れ、ありがたいことに子育てに集中させていただきました。そして2021年7月、よし、がんばるぞー!と意気込んで復帰してみると、全てが大きく変わった病院の姿がありました。

COVID-19(新型コロナウイルス)対策のため、病院は体制を大きく変えざるをなくなったのです。

わたしがいちばんショックだったのは、昼食を病棟でナース同士で食べられないこと。マスクを外さざるを得ない食事の場面で、複数人で狭い部屋にいることは、ウイルス感染者がいればクラスター発生のリスクがあることから、そんな場面は一切なくなりました。

もう、ナース同士でお弁当の中身について話したり、ごはんを食べながら和気藹々と何気ない話をするという、いつもの光景はないのだと、悲しくなりました。

現在は、大きな会議室に、1.5m間隔で椅子が置かれている部屋で、静かに昼食をとります。このなんと虚しいことか。

他にも、新しく入院してきた患者さんはPCR検査で3回陰性が出るまでは全員ウイルス感染者とみなして対応します。このため、毎回患者さんのお部屋に行く際は、防護具を必ずつけて入室するのですが、体全体を覆うものなので、体拭きをするだけでも汗だくになってしまいます。

さらに、認知症の患者さんであると、防護服を着てマスクをつけた看護師をみて恐怖心を持ってしまい、何をされるかわからないという不安から暴力を振るってしまうなどの場合もあります。本来なら、マスクなしで笑顔で対応すれば防げることではありますが、防護具を外すわけにもいかず、対応に苦慮します。

そして、小さい子の親であればあるあるな、子どもの発熱。普通だったら熱が下がったらまたすぐに復帰できますが、今はわたしが症状あるなしに関わらずPCR検査を受け、医師の診察を受けてからでないと復帰出来なくなりました。また、子どもの風邪症状が少しでも長引けば、その間は出勤出来なくなってしまいます。もちろん症状がある時には様々なリスクを考えて出勤しないのが最善であると理解していますが、その分どんどんお給料が減っていくことに厳しさを感じます。

と、ここまでわたしの愚痴を読んでくださってありがとうございます。もちろん、病院に文句が言いたいわけでもなんでもありません。病院はわたしが言うのもなんですが、本当に一生懸命対応していて、入院中の患者さんが、安全に療養できるようにさまざまな工夫をした結果今のような体制になっているのです。

COVID-19がここまで世界中に広がり、人々を苦しめるなんて誰が想像したでしょうか。わたしも、パンデミックになる直前までは「まあいつか治るでしょ」なんて楽観していました。しかし、そうではなかった。私たちに今できるのは、手洗いや消毒などの感染予防策をしっかりとって、自分がウイルスを持っているという意識で対応していくことしかありません。

一刻も早くCOVID-19のパンデミックが収束し、遠慮なくお互いの笑顔をみて、抱きしめ合える日がまた来ることを心から願いながら、明日からもまた病院での仕事をがんばろうと思います。

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