宅建受験体験記ー宅建で、人生変わるのか?ー

「宅建を受けよう」そう思ったのは、令和3年7月。娘がが1歳になり、時短で看護師として職場復帰をしたその日だ。
特に宅建を取ることに意味はなかった。あるとすれば、遠い記憶の中で母が「宅建取ろうと思ったけど、やめた」と言っていたのを覚えていたのもある。
時短勤務は私にとってはなんだか物足りないと感じていたのもある(復帰して1日目の言葉じゃないw)。時短のうちに時間を有効利用して、なにかしてやろうと思ったのだ。本当は、育児時間なんだけどね…。
そんな曖昧でふわふわした理由はさておき、願書配布が始まった次の日には書店に行って適当に選んだ参考書を購入した。同時に願書を受け取り、早々に出願を終えた。
そして、約3ヶ月の必死の勉強が始まった…!!はず…だった。
1歳児はとにかくわんぱくで、目の前の全てに目を輝かせていじくり回す。わたしのテキストや筆記具も例外ではなかった。なんせ勉強に集中できない。勉強というものが机に向かって静かにするものだと思っていた私が、やる気を失うまでにそう時間はかからなかった。夫は仕事の帰宅時間が遅く、娘とふたりの時間も多かった。時短といえど、人手不足で走り回る仕事のあとで、家事をして育児をして…ああ大変だとやれない理由ばかり考えていた。そして次第に勉強時間0秒の日が増えた。
これではまずい!!!
そう思ったのは9月に入ってからだった。とにかくこんなことではいけないと、YouTube で棚田行政書士の不動産大学を見たり、とにかく過去問をこなして、やっとエンジンがかかった。結構本気で頑張った。
試験日が近づくと、夫のお休みがとれなくて娘見る人いない問題もちらついたが、夫が会社に猛抗議してなんとか休んでもらって事なきを得た。仕事の帰りが遅い夫には正直うんざりしていたが、この件で夫を見直した。「一生懸命勉強してきて、俺が休めなくて受験できないなんてあり得ない」と必死で休みをもぎ取った夫の姿には本気で感謝した。
その感謝の気持ちもあって結構本気で勉強した(何回言うねん)。

そうして迎えた受験日。近々受けた試験の中で一番緊張した。緊張しすぎて震えた。まじで。
でも、何度も見直してマークミスだけはないように確認した。
結果が気になりすぎて、解答速報を見ながら答え合わせをした。
点数は…33点。
その年の速報のボーダーは34-36点が有力。正直不合格確実だった。お願いだから合格点下がってくださいと願った。12月1日…

家に合格通知は届かなかった。あと1点だった。やはりダメだった。

「もうやらない!!」それが私の言葉だった。
宅建を甘く見ていたなと痛感した。何度悔やんでも今年度の宅建はもう合格しない。育児と仕事との両立の難しさと、休みをとってくれた夫への申し訳なさでかなり凹んだ。

しばらくして受験を知っていた後輩には変なプライドで「次こそ」と言ったものの、心の傷は思った以上に深く(笑)、そして常勤に戻ったのを言い訳に次年度の令和4年の受験申請はせずに終わっていった。

時は流れて令和5年7月。宅建の受験申込の時がまたやってきた。
私はずっと心の中にしまっていた悔しい気持ちと、やはりあの努力の数ヶ月(と言えるほどかは別として)を無駄にしたくないという思いがあり、もう一度リベンジを決意した。

前回の反省を生かして、とりあえず独学を辞めた。某通信講座で総額6万5000円程度の教材を購入。これでもう戻れない。とりあえず金で追い込んだ。…はずだったが、失敗から学ばない女。またも8月中旬まで寝て過ごすのであった。

しかし、家族での旅行費に使えるはずのお金を6万超を教材につぎ込んだ手前、もうやるしかないのもわかっていた。重い腰をあげ、勉強漬け生活を始めた。娘は3歳になったが、落ち着くことを知らず、超絶げんきないたずらっ子になっていた。したがって、机に向かうのはやはり不可能。ならば…耳を使おう。と言う事で、最低限の直前対策の一問一答のような教材を完璧にすることだけを目標にして、まちがえた一問一答をひたすら録音して繰り返した。車での通勤中も、昼休憩も、家でも…とにかく目が開いている間は繰り返し続けた。数えてはいないけど、1000回やればどんなアホでも大丈夫なはずという謎の持論でやり抜いた。
すると、試験まで残り2週間のころにやった分野別の模試で、宅建業法は8割を越えるようになった。

一般的に、宅建合格者の大半は宅建業法を必ず8割以上得点している。しかしそんなことも知らなかった私は、初回のチャレンジでは民法ばかりやっており完全に方針が間違っていたのだ。今回はとにかく宅建業法8割越えを目標にして、宅建業法を重点的に対策した。するとかなり自信がつき、今度こそは行けそうだという手ごたえを感じ始めた。
ちなみに、この手応えを感じていた時点での本番と同形式の模試の点数は32点。これでは前回と変わらない。
ここから法令上の制限とその他の法令分野の暗記に録音作戦で取り組み、得意の短期記憶で巻き返した。民法はなんとなくフィーリングでも解けるタイプの人間だったので、借地借家法や区分所有法以外はもはや対策という対策はしなかった。試験前日まで、とにかく諦めずにつめこみに詰め込んで、当日を迎えた。

前回はあれほど緊張したのに、今回はそこまで緊張せずに試験に臨むことができた。
2年前には、子どもをみててもらうのもなんだか心配だった夫も、今では娘とのデートでうれしそうな様子で頼もしく感じた。どうでもいいけど、うちの夫はえらい。試験にふと思った(集中しろ)。
とにかく作戦通り、問26から始め、宅建業法を確実に得点できるようにしていった。特に奇問はないが、個数問題が増えて慎重に選択肢を検討していく必要があった。ひやひやしながら行き詰まった問題は印をつけて後に回し、とにかく平常心を心掛けた。5問免除まで解いて、問11〜に移ってとにかく正確に、ひっかけに騙されないように慎重読み進めた。全問解き終わったのが終了40分前。再度見直しをすると4問程度間違えに気づき修正した。正確な自己採点のために2周ほどマークを確認し、試験は終わった。

終わった瞬間、もう、達成感しかなかった。
ああ、自分はやれるだけのことはやった。本気でそう思った。しかし、やり切った割に自信がない。不安に襲われた。

また来年、同じように努力をしなければならないのか?

その不安でいてもたってもいられなかった。

とりあえずお腹が空いたので帰り道に迎えに来てくれた家族とラーメンを食べ、夫が連れて行ってくれたプレイランドの話を楽しそうにする娘の話を笑顔で聞き続けた。楽しそうでなにより。
でも、結果が気になってしかたない。

結局我慢できずに車の中で解答速報を見て自己採点をした。結果は…
自己採点39点。

やった!!!
これはいけるわ!!!!

…マークミスしてなければ。ね。
結局不安だった笑
そこから3つの自己採点サイトを利用してやはり39点。ただ、点数的には上出来だが、某不動産大学のコメント欄を見るとみなさん点数が高い。39点なんてもはや平均点かと思うくらいに得点が高い印象だった。点数が高い人のみコメントしている可能性もあるため、一旦落ち着こうとしたが、各所から「難問はなし」「合格点上昇か」と不安になるデータ(という名の予想)が次々と上がってくる。そうして、合格発表までの結局不安な日々を送った。

そして今日。このnoteを描いているのは11月20日。合格発表前日である。明日21日の0時には合格点が発表され、9:30には合格発表となる。果たして、我が家に合格通知は届くのか?…

本日は11/28。
宅建合格発表から1週間が経ちました。はやいですね。笑
残業続きで再配達を19-21時にしても受け取れない日々が続きまして…あ、そうなんです。合格してました!!!
いえーい!ぱちぱち!!おめでとう!!笑
そしてやっと土曜日に受け取りましたー♡

一応この合格体験記が嘘でないことを証明するため、合格証書をのせますね。

実際に届いた合格証書

はあよかったよかった。ちゃんちゃん。
…じゃなかった。このnoteの題は宅建で「人生変わるのか?」だよ!!!

まあ、人生変わりそうです。
え?病棟看護師なの変わらないじゃんて?そうなんです。べつにジョブチェンジなんてしてないんですが、宅建のお勉強したことで勉強グセが身につきました。宅建の試験が終わったら、「手持ち無沙汰」になりまして、次はどうしようかな…と考えましたが、とりあえず4月に夫の実家への引っ越しも控えておりまして、ハードル低めにITパスポートを受験することにしてみました。

それとそれと、来年4月から放送大学に入学することにしました。
今までのこの資格マニア感のある日々の原因を真剣に考えたら、「大卒じゃないことにコンプレックスな私」がいたことに気づき、じゃあ大卒になっちまえということで入学を決めました。看護学士と教養学士の取得を目指していきます。

宅建で変わったのは学習面だけではありません。マインドが変わったと思います。私はずっと子育てがつらいつらいと言いながらがんばってきました。こどもが3歳になったのもあるかもしれませんが、最近はそんなにつらいつらいアピールしなくてもまともに過ごせるようになってきました。つらいアピールの背景にある子育て中のあの独特の孤独感には、自分のペースで生活できないことで、メンタル破壊されていたからだと思います。勉強の時間を作ることは自分の時間を作る言い訳になりますし、勉強を進めることは数少ないコントロールできる出来事となります。

こどもというものは思うようには育たないし、言うこと聞かせるために存在しているわけでもないし、寝て欲しい時に寝ないし、食べて欲しい時に食べないし、落ち着かないし、邪魔するし、ふざけるし笑
でもなんかかわいくてちいさくて許しちゃうし、今日も元気でいてくれるのがありがたいなあなんて思いながら、なんか一生懸命なところに励まされたり。悪くないですよね、ほんと。(文章崩壊)

とにかく、私は宅建で宅地建物取引に関しての法令やルールだけじゃなくて、学習への意欲やちょっとだけ前向きなマインドを手に入れて、結果的に人生は少しずつ変わっていきそうな気がしてます。

これからまた、新たな目標に向かってがんばっていきますね。

おわり

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