見出し画像

塗り絵っぽくない塗り絵も描いています。

こんにちは。福祉施設の絵画の活動のために作った塗り絵を公開しているサイト〔ぬりえラボ〕です。
施設利用者さんの好きなものを描いたり、手先の器用さに応じて難易度を工夫したりして塗り絵の画像を作っています。

でも、いわゆる塗り絵塗り絵してない塗り絵も描いているときもあります。

「これは塗り絵って言わないんじゃないかな~」と、フッと頭をよぎることはなくはないんですが、わたしのサイトなわけだしまあわたしが塗り絵と言ったら塗り絵。描きたいものを描きたいように、という塗り絵も掲載しています。たまに。いや結構。


きっかけはこの作品「海の中の楽園で」

海の中の楽園で

サイトをつくって2年目くらいまでは、せっかく訪れてくれた方をがっかりさせたくなくてコンテンツを充実させることを念頭に置いていました。

とにかく塗り絵を探している方のニーズにどんな角度からも応えたかった。まあそんなのどだい無理ではあるんですが、そう思ってた。

検索ワードなんかもたよりにして、子どもむけとか男の子むけとか和風なのとかいろいろいろ。

画像検索にもだんだん載るようになってきて、まあしょっちゅう「塗り絵○○」で検索かけて、ってことをやっていて。

そしたら塗り絵の画像検索って、あたりまえだけどほぼ白黒なんですね。だから「あ、色があってもいいんじゃないか、目立つんじゃないか」とか思っていました。

ばっちり全面塗ってしまうと、かえって「塗り絵」ってわかりにくい。

そしたらちょこっとだけ塗ってみていいかんじに塗り残して、続き塗ってみたいなくらいのやつもいいんじゃないかと。

そう思っていた頃描いたのが、この「海の中の楽園で」だったかなあと思います。

描いている線も、それまでは水性ボールペンで、抑揚のないできるだけ個性とアクをおさえた、すんなりとした一定の太さの線で描くことをルールにしていました。

施設のみんなのための塗り絵だし、わたしのクセみたいなものはできるだけ出さないようにしていた方が塗ったあとの完成作に個性が出やすい。おんなじ塗り絵でもぜんぜん違った雰囲気の作品になる。それを是としていそしみ続けていたわけです。コンクールとかにも出すし外部展示もするし。そしたら「わたしの絵」ではないほうがいい。

でもでも、ま、そういうのばかり描いていると飽きる時もやっぱりあり、ぬりえを作るつもりもなくスケッチブックにさらさらと丸ペンで線を走らせていましたら、

ん、これも塗り絵って言えなくもないかも

と、なったんでした。たしか夏だった。

暑中お見舞いがわりにちょっと色をつけてFacebookに載せてみた。そしたらお友達のみなさんがことのほか喜んでくださりリアクションをくれました。

考えてみればそれまで、こんなぬりえをつくりましたよと白黒の線画の画像ばっかりあげていた。でもFacebookのお友達はほぼ、ぬりえの愛好家さんではないわけです。ああそうか。色がある画像のほうが楽しいよね。色があるって目を楽しませることなんだと。

そんなこんなで、FacebookとInstagramには色付きの画像もあげていこー
、になりました。


ふたつめに描いたのはたしかこの「和文様と金魚」

和文様と金魚

だったとおもいます。色をつけるぞを前提に、なんかリアルなの描きたいとか思って、たしか目の前にあった子ども図鑑見ながらカリカリカリ。これも線は丸ペンと墨汁です。

和文様はそれまでに「ぬりえシリーズ」として和文様の塗り絵をさんざん描いたので、息をするように描けます。たのしい。画材を水性ボールペンから丸ペンに変えるだけですごい新鮮で楽しかった。

そして色ぬり。陰影は腕のみせどころ。たのしい。生徒がわーすごいとか言ってくれる(昼休み)。たのしい。

で、飽きたところでやめ。なんてたのしいーたのしいし自由。なのでした。


「デイドリーム」

デイドリーム

そしてしばらく間をおきまして、昨年の4月5月。

お仕事自宅待機の日々は施設のみんなにも会えないし、何をしていたかというとおうちで絵ばかり描いているという実は至福の時間でした。

ひまに飽かせて動画にしたりもしました。

この、デイドリーム・白日夢(白昼夢よりもこの言い方のほうがすき)はずっとわたしのテーマです。大それた大仰なそれではなくて、ふだんの日常にするっと入り込んでくる空想。あたりまえの日々がちょっと見方をかえるとなんかたのしくひとりでにんまりしてるようなかんじ。

そうですそう。大仰なものじゃなくて、っていうのが自分にとってのアートとか芸術とかに関する考え方に、そうずっとある気がするあった気がします。


「晴れた日の午後」

晴れた日の午後

これも自粛期間中の作。このように画面を分割して、それぞれに違う世界を盛り込むやりかたをわたしはよくします。パラレルワールド的な世界観。あっちとこっちでぜんぜんちがう時間がながれていて、みんな好き勝手にしていて花はさいて鳥はとんで。おひさまとお月さまが交代で世界を見守って、みたいな世界。じつは私たちが生きているこの世界なんだよ的な。見方をかえるとたのしいよって、ここでもおんなじこと言ってますねわたし。

これも簡単な動画にしました。


「夢の鳥」

夢の鳥

こちらも線描きはするっと描けて、「色をつけるぞー」といきごんでいて、でも単色ぬったあたりでなんだか満足してしまって、という作品です。これは気に入ってくれた方が多かった。自分ではその時にはわからないんだけれど、今おもうと変化のきっかけになった一枚になったような気がしています。


「お月さまのいる静かな夜」

お月さまのいる静かな夜

これは近作です。2020年の年末にブログで公開したもの。静かな雰囲気の夜を描きたくなった年の瀬でした。

ところでわたしは丸ペンが、この世でいちばん細い線がひけると信じて疑わずにこれまできたんですが、技術の進歩はすばらしく丸ペンなみに細い線をひける、どこの文具コーナーでも手に入るボールペンがたくさんある時代に、時はいつのまにかなっていたのでした。
数種購入してためしてみて、いまのお気に入りはHI-TEC-Cの0.25。すばらしいですスゴいです。

ペン先が意のままなめらかに動いてくれないと気持ちが入ってゆかないのですが、これはとてもきもちいい。気持ちよくすんなりと、その時の気分を出すことができました。

ここまで書きつらねてきて気が付いたんですが、たのしいと気持ちいいという言葉ばかりが文にでてきてしまいます。わたしは「たのしい」と「気持ちいい」で絵をかいてきてるんだなあと。

ものの見方の角度をちょっと変えて、日常を世界をたのしみたい面白がりたい。お絵描きを通して。
だからか。だからやめられずにずっと来ちゃったのかもしれないな。

ここに文章つらねることは、誰の為でもなく自分のため自分を知るためなんだなあと気が付いたところで、今日のnoteは終わりにします。

※1 お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、Youtube・ブログの作品名とnoteでの作品名をすこし変えています。これはGoogleからどちらかが悪質なコピーとみなされてしまうかもしれないことへの対応としてやってみています。

※2 画像の下に添えてあるPDFファイルは、白黒の線画のみの塗り絵の画像です。

〔ぬりえラボ〕のホームページではいろいろなタイプの約500種類の塗り絵を公開しています。各種施設や学童保育などで指導されている方むけのコンテンツも用意しています。ぜひ一度のぞいてみてください。


この記事が参加している募集

おうち時間を工夫で楽しく

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?