まどマギの二次創作を終えて、言いてぇ

私はまどマギが好きである。

初めて見たときの衝撃は忘れられない、
それを二度と味わえないことを悔しく思う。

でも、新作が出る。
歓喜の歌を脳内で奏でようとすれば、
目覚めた心が走り出す。

そんなことはどうでも良いのだ。

私の、初めての二次創作について語らせて欲しい。

以下、魔法少女まどか☆マギカのネタバレを含む。
注意されたい。






まどマギの魔法少女を書くということ

 二次創作にはある程度方向性というものがあり、私は以下のような分類をしている。

  1.  原作のキャラクターを原作とは異なる物語に乗せて展開するもの

  2.  原作の世界の中でオリジナルキャラクター達の物語を展開するもの

 まどマギの二次創作をするにあたり、選んだのは2の系統だった。1に関しては既に多くの作品が存在しているのに加えて、原作以上の彼女たちの終わり方が思いつかなかった。
 1の系統では面白さの種類を変えて、まどほむがいちゃつくだけのものでも充分価値があるとは思ったが、私はこの作品の根幹である魔法少女のシステムを自分なりに書いてみたかったのだ。

 その場合、まどマギのシステムの中で視聴者に衝撃を与えた魔女化という情報をどのように扱うかが難しい部分であった。

 まどマギを見た読者からすれば、魔女化という事実を開示するだけでは面白くない。が、登場人物たちにとっては衝撃的な出来事になりえる。
 読者と登場人物たちの反応に差が生まれてしまう。それまでの過程で登場人物に対する感情移入が起こっていれば、見どころはあると感じてもらえるかも知れないが物語を書いてる側として面白くない。

 しかし、願いの終わりの形として魔女化を描きたかった。まどマギの魔法少女の基幹部分だからだ。まどかとほむらがいない世界の魔法少女だからこそ、その形を最後まで徹底したい。

 こうなれば、魔女化を知っている上で魔法少女を続けられる人物を魔法少女にする方がやりやすい。契約した時点で自殺を考えるほど自棄になっているような人物。

 キュウべえに『消えたい』と願うような、その年頃、あるいは精神基盤が融けてしまっている人物が言いがちな、この台詞を言う人物を主人公にすることにした。


そもそもの技術

 構想が固まっても、頭の中で展開しても、その通り書くことは難しい。

 読んで書いてを繰り返していくうちに、自分の文章が想像した面白さを持っていないことに気がつく。
 
 その原因が何かは詰めきれていない。文体なのか、表現なのか、文量なのか、あるいはそのすべてなのか。
 一番感じたのは一つ一つの展開の適切な長さ、間の持たせ方が技術として足りない部分であったこと。

 間に悩むこと自体が、小説を書く能力を欠いている気もしている。私の好きな小説というのは継ぎ目のなさ、突っかかりのない文章、思考、空間の遷移が特徴であるのに、全体の完成図だけを浮かべて都合良く細部を継いで行く私の創作過程は間違いなく継ぎ接ぎであった。ご都合主義というやつだ。

 現時点での結論として、私が好きな小説らしさを出すためには、無地の良い布にひたすら精緻に装飾を施して、気づけば端まで来てしまったというような没入感をもって書かなきゃならないということである。

 これは大変。

まどマギはまどマギ

 
 話を戻すが、まどマギという作品の二次創作を書いて思ったのは、まどマギという世界の物語がまどかやほむら無しには成立させにくいと感じた。

 理由の一つは先に述べた魔法少女のシステム、本編ではこのシステムに主人公が介入して少しでも魔法少女が報われるようにした。
 いわば、これが魔法少女まどか☆マギカにおける願いへの解答である。主人公が従うしか無かった理(願いと対価)に対する葛藤の答えが補完される。

 私がやった魔法少女のシステムを抜き出して、システムそのものへ抱かれる葛藤への態度を登場人物にただ受け入れてもらうやり方は、一見まどマギのシステムに忠実であったが、本編において示したかったものに全く触れられなかった。

 まどか達が魔法少女を変えるまでの過程がまどマギなのだ。

 私の二次創作はある意味で本編とはまるで異なる物語になったといえる。
 残念という訳ではなく、意外に感じた。

 二次創作を行い、振り返ったからこそ余計にまどマギが分かった気もするのだ。それは嬉しいことである。


あとがき

 二次創作はもうこりごりだ、といった文章になる予定でしたがそうならなかったのも意外です。
 
 面白いものが他人からみても面白いのか、自分の文章には何が足りないのかを考えるのはキツイ作業ですが小説と言うか創作を続けたいなら続けなくてはなーとしみじみ感じます。
 
 創作はじっくり向き合って生きたい。と思っています。

 宣伝になりますが、私が書いた件の作品の中で好きな部分を引用して終わります。pixivにあります。

 

開楼の制服を着て校門の前で写真を撮る彼女たちを想像した。当然私はそこにはいない。ふと、私は開楼の校舎を見たことが無かったと気がついた。恵理花の物語は私の想像には及ばないどこかへ向かって行くのだ。そう思うと、形のない明るさが眼前に広がるようだった。
 
 開楼高生はさすがだなぁとしみじみ感じながら、私は恵理花に手を振った。

魔法少女しおん☆マギカ より



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