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『絶叫』葉真中顕

🎢あらすじ🎢
マンションで孤独死体となって発見された女性の名は、鈴木陽子。刑事の綾乃は彼女の足跡を追うほどにその壮絶な半生を知る。平凡な人生を送るはずが、無縁社会、ブラック企業、そしてより深い闇の世界へ…。辿り着いた先に待ち受ける予測不能の真実とは!?ミステリー、社会派サスペンス、エンタテインメント。小説の魅力を存分に注ぎ込み、さらなる高みに到達した衝撃作!─本書あらすじより




🎢感想🎢
平凡だった女性の転落人生がリアルに描かれており、とても他人事だとは思えませんでした。
誰だって、陽子のようになってしまう可能性はあります。
人生いつどこで足を踏み外し、表の世界から姿を消してしまっても、おかしくはありません。
ただ、そこには大きな差があります。
身近に頼れる家族や友人がいるかどうかです。
家族や友人とは誰にでも当たり前に1人か2人はいる存在だと思われがちですが、そんなことは決してないです。
どこまで行っても独りにならざるおえない人がいます。
その人たちにできるだけ多くの人が気づいて、生きやすい社会ができていけばと思いました。
明日は我が身です。


陽子の人生まとめ(ネタバレになるので未読の人は注意してください⚠️)

地方都市の短大事務員⇒バブル崩壊後父親が多額の借金をし蒸発⇒売れない漫画家の妻⇒夫の浮気による離婚⇒コールセンターの派遣社員⇒生保レディ⇒自爆営業により解雇⇒デリヘル嬢⇒ヤクザの情婦⇒連続保険金殺人犯


♡こころの付箋♡
p208
かつて大ヒットしたすごろく人生ゲームではすべてのプレイヤーが必ず結婚のマスに留まるようになっていた。しかし現代において、お一人様人生ゲームには結婚のマスがゲーム盤の外にあり、全員が必ずとまるマスはマンション購入になっているのだと言う。かつての女たちが結婚して家族を作ることで手に入れていた老後の安心を、お一人様資産形成と言う形で手に入れる。その最も確実な選択肢がマンションと言うわけだ。

p457
こうして元をたどって行けば、最後は生まれたことを後悔するよりなくなる。けれど、そもそも生まれる事は選んでいないのだから、後悔しようもない。

『絶叫』葉真中顕








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