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『天皇の料理番』杉森久英

🍳🍳あらすじ🍳🍳
小さい頃から強情だった篤蔵は、次男故に17歳で婿養子になることになった。
だが、ひょんなことから食べた「カツレツ」の美味さが、彼の人生をガラリと変えることに…。
家出同然で東京に行き(ちなみに妻は何も知らされず置き去りにされるのが酷すぎる)、西洋料理の世界に裸一貫で飛び込んでいく、一人の男の成長と立身出世を描いた物語。

🍳🍳感想🍳🍳
自分の好きなことを見つけられることは一つの才能だ。
そして、その好きなことでなんとか食べていけるまでに到達するには、努力、忍耐、そしてまた努力と考えただけで、途方に暮れる。
すごくシンプルなことだが、自分はそれができていない。おそらく、多くの人が自分のやりたいことを仕事にできてないのではないだろうか?
本書を読むと、「本当にそれで良いのか?」と思わされる。
一度きりの人生、ついつい保守的になりがちだか、勝負にでてみるのも良いかもしれない。
また、作者の書きた方が上手いため読みやすく、本当に秋山徳蔵本人の体験談なのではないか!?と思うほど臨場感溢れる情熱的な作品だった。

♡こころの付箋♡
p310人が本当に好きなことをして一生を過ごすのが正しいのではあるまいか?
p312人生には満足ということはないのだろう、我々は一つの目標に到達したとは思った途端に、更に大きな目標が先に現れて、それに向かって進まなければならないように、運命づけられているのだろう
ただの技術者でなく、人生の真実を求めて遍歴する人の情熱が感じられる

『天皇の料理番』杉森久英


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