卵巣が破裂して緊急入院した話 -2
緊急入院(原因)
まず搬送先はかかりつけの病院になりました。ストレッチャーの上から見える壁やドアの既視感。勝手知ったる我が家感がすごい!
そうなった悲しい経緯は前回の1をご覧くださいね。
私も「いつかこうなるんじゃないか」と考えていて、入院できる婦人科のある病院をさがして一年半ほど前にすこしはなれた病院へ転院をしていたのです。
なんも知らない病院で一から説明したり検査するよりは、これまでの検査結果がぜんぶそろっていて経過を把握してくれている病院でラッキーだったのかもしれません。
さらに異常なまでに準備だけはいい女なので、こんなときのために診察券・保険証・カード類・お薬手帳・鍵・薬をいつもサコッシュに入れて持ち歩いていたので、これらを持ってきたことをあとで看護師さんにほめられました。
自分で立てたフラグ、全回収(うれしさゼロ)。
すぐさまストレッチャーの上で痛み止めの点滴と血液検査の採血をして頂き、30分くらいで薬が効いて痛みが生理痛の10倍が3倍くらいまで引いたところで車椅子に乗り換え、CT(血管造影)などで手際よく検査をして頂き、なんとか腕を支えてもらって例の婦人科診察台に上がることができました。
全身が脂汗でおパンツまでキモいくらいびっちょりだったのに、嫌な顔一つせず受け取ってカゴにいれて下さったお若い看護師さんに申し訳なさすぎて土下座したかったけど、したら私の腹が終了するっていう。
緊急で対応して下さった医師(いつもの掛かりつけ医とは別の方)がエコーの画像を見せながら説明をして下さり、「卵巣破裂の疑い」という診断が出され、のちに詳しい検査結果が出てからもこの診断が正しかったことが分かりました。
この具体的な診断名がでるまでは
「ブログなんかでよく見るあの卵巣捻転? にしては卵巣は無痛だし子宮もさほどは痛くないし、ヘソ周辺の直接関係なさそうな所ばかり激痛で変だぞ?でも私、婦人科系以外の部位は全身健康だからおかしいな?」
って疑問符オンパレードでいました。まさか破裂していたなんて!
この緊急入院と同じ週がたまたま通院日だったのでエコー検査をしたばかりで(こんな短期間にまたここへ来る恥)、その時の画像と搬送されてすぐの画像をならべて見比べると6.5cmくらいの卵巣がつぶれて中身が飛び出たせいで上半分が無いお茶碗みたいなゆがんだ形になってました。
ちなみに健康な卵巣は約2cmくらいの球体なのだそうです(ググってみてね)。卵巣が破裂すること自体には大きさにあまり関係ないようですが、小さいよりは大きい方が破裂や捻転しがちな印象です。といっても情報源が個人様のブログなので、あまり信じすぎないでください。
医師の説明によると、卵巣が破裂して飛び出たものが腹膜や体内に広がって炎症が起き、下腹部から鳩尾まで広範囲に痛みが出たのではないか、とのこと。
破裂自体が痛いのではなく、この炎症が原因だったようです。
でも原因が分かっただけでもかなり安心できました。
ベッドで動けなかったときはナニコレコワイ・イタイと疑問符しかなかったです。
同じ症状でもあまり痛くない人もいれば、もっと痛い人もいるはず。
抗生剤の点滴と痛み止めはこのあと四日間続き、大量の抗生剤のおかげで2日目までほとんど出ていなかった尿も出るようになりました。出ないと膀胱パンパンの圧迫で子宮ともども痛いので助かりました!
なにしろ市販薬でも処方のロキソニンが効かない痛みともなれば、家庭でどうこうできるレベルではないので、救急車に乗せてもらったのは正解だったのでしょう。呼びつけてしまった罪悪感があるのですけれどおかげで助かりました。
ご家族などがふつうじゃない痛がり方をしていたら救急車を呼んであげてくださいね。
あとで看護師さんが聞かせてくれた話では「これは緊急手術になるかも」と思ったそうです。痛がり方が尋常じゃなかったですし、これまたビビらせてしまって申し訳なかったです。
しかし、むしろ「よく手術にならなかったよなぁ」とも思います。
痛み止めを駆使してなるべく効果が切れないようにコントロールして頂けたおかげで、すぐには治らなかったですが3日目頃からは座れるようになり(それまでは上半身起こしてると痛いのでトイレ以外ほぼ寝てました)、4日目には部屋の外を少し歩けるようになり、医療従事者の方々の知識や技術もマインドも、医療そのものもすげえって感心しかなかったです。
入院決定
入院は一週間を言い渡され、「痛みが出てるうちは退院できない」と言われました。
8月が終わる前にどうしても描きたかった夏っぽい絵を描けそうもなくなったことが悲しかったですが、仕方がないです。
健康第一、仕事も家事も遊びも体があってこそ。
不幸中の幸い、直近で人様とのお約束や期日が迫ってる事がなかったので、そこはご迷惑をおかけせずにすんで安心していました。
まぁ、そんなこといってるわりに病室のベッドの上でピクミンブルームやってたんですけどね。
病院周辺の鉢をゲットしたり、病室のAR撮影したり、夫氏に歩数を稼いでもらってチャレンジに便乗し1歩も歩かずにチャレンジ達成リワードをもらったりなんかしてたのですけれども。
コロナ禍の入院は検査もされます
入院確定直後にストレッチャーの上でPCR検査を2回分連続で受けまして、鼻の奥を一瞬で4回グリグリされました。
手際の良さを映像に納められないのが残念でなりません。
コロナの検査が痛いという噂をきいていましたが、体が痛すぎるとBIGな痛みの前にどんな痛みも感じない無敵状態になっているので鼻なんかどうされてもいいしなんなら注射針も無痛でした。私がマリオなら全身光ってる。
ちなみにワクチン接種済みでして、この2回とも陰性でした。
コロナ禍なので入院中は家族の面会も不可。手術の場合は一人だけ、手術時間の前後のすこしだけ立ち会えます。これは病院によって規定が違うかも。
救急車で夫氏に付き添ってもらっていたので、電車乗り継いで自宅へ戻ってもらい、歯ブラシとか眉毛を描くペンシルとか着替えとか替えのマスクとか荷物をもってまた病院まで来てもらって、また帰ってもらい…申し訳ない! ごめんね! ごめんね! ごめんね!
車椅子を看護師さんに押してもらって私が病室にはいったあとはもう退院までは面会謝絶。
着替えなどの荷物は病院スタッフを介して渡してもらえるけど会えません。
でもその道すがら、病院から家とは反対方向に一駅いった町へラーメンとマンゴーパフェ食べに行ってた夫氏の平常心すげえ! スタンドアローン。インテル入ってる。
まぁ、手間ばかりかけてしまってこちとら肩身が狭いので、夫氏には自由に過ごしてもらえた方がこちらとしても気が楽です。
ふだんから一人で始発にのって姿を消してラーメンを食べる遠足にでかけていようが、衝動で僕の考えた最強のPCを衝動で組み立てようが、ほぼ束縛しないようにしてるのもそのような理由です。
結論。パートナーにはちょっとサイコパシーみがあるくらいの方がラク。
発症したときはただ寝てただけ
それにしても何が一番怖い事かって、ただベッドで仰向けにグーグー寝てたら朝4時頃に臓器が自然に破裂したことです。
何度もしつこいですが、大の字で寝てただけ。
過度な運動もしていなければ変な姿勢で寝ていたわけでもなく、気温も25度くらい。前日もむりな動きなどもせず、健康に歩いていました。
何で破裂したのかは、わかりません。
そういえば小学生の頃、暴力をふるってケンカしてる二人の男児たちを止めた女性教師が「内臓が破裂しちゃうかもしれないのよ、やめなさい」って止めてるのを見た時に、具体的な説明付きだったので「なるほど! 取り返しがつかないな。暴力はダメだな」と納得したことを思い出しました。
でも先生、なんもしてなくても寝てるだけで破裂することもがあるって、30年たってわかりましたよ!(笑)
子宮の筋腫にしろ、卵巣の肥大や破裂は生活習慣や運動などとの関連性がまだはっきりとはわかっていないようなので、子宮や卵巣を持っている人なら運しだいで誰でも起こりえるし、逆に一生無縁のままでいられる方もおられるのでしょうね。
同じ病気で悩んでいる方はあまり悩みすぎない方がよいのかもしれません。
余談 - メンタルは自分で維持する
超健康生活の鏡みたいな生き方をしていた私の父もちょっと具合悪いと思ったらいきなりステージ4の末期がんで、年金もらうより早くにあっさり亡くなりました。
なので勤労と運動と睡眠とバランスよい食生活を送っていても、病気って、なるときはなるんですよね。父子そろって運、ワルッ!
一方、運動不足で健康診断や定期検診も受けに行かないメタボの母やほとんど動かずヘビースモーカーの義父は病気一つしたことのない人たちなので、健康に気をつかったら100%病気にはならないというわけではないんですよね。
健康に気を使った方が統計的に病気になりにくいということは確かです。それを否定しているわけではありませんが、例外はいくらでもあるので正義中毒になって責めても意味がないということです。
インターネットでもそうでない場でも、非科学的な迷信や思い込みで原因を決めつけて自己管理がどうとか、あるいはもっと下品な理由で中傷している謎な人がいますが、そういう輩は単に無知なサディストなので相手にしないのがベターなのでしょう。
入院生活や闘病生活には無責任な発言が飛び交いやすいSNSを見ないことも大事なことだと思います。
私は日頃から意図的にSNSを見ないようにしていますが、つながってる方への入院報告を上げたりはしました。それを除いては入院中はまったくSNSを見ないようにしていました。一定数、鬼がいるからです。
たとえ身内だとしても、自衛のためにやべぇ人には知らせない方がいい場合があると思います。
続きはこれまでの卵巣の話と摘出手術をせず迷っていた理由などを書きたいと思います。また読んでくださるとうれしいです。
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