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足を向けながら終わる夜、迎える朝 #5

"Good morning!"

そうルームメイトと言葉を交わすことから、わたしの1日は始まる。


"Good night!"

そうルームメイトと言葉を交わすことで、わたしの1日は終わる。


わたしが住んでいるフォルケホイスコーレの寮はほとんどが2人部屋となっていて、わたしのルーミーは同い年のデンマーク人。

ベッド、机、洗面台、クローゼットだけがある割と狭い部屋。
お手洗いとシャワーは共用。
そして、なんとシングルベッド2台は横に並んでいて、お互い足を向けながら寝ている。

ベッドのイメージはこちら
(最初は人に足を向けて寝ることに抵抗がありました)


出国前は2人部屋なんて絶対に無理だと思っていたので、出願時に「1人部屋を希望する」と伝えたが、学校からは「リクエストは受け付けたけど、確証はできないよ~」と言われていた。

だから、寮に着いて、2人部屋で、バスルームが共用だと知ったときは、ものすごく不安を感じた。
けれども、そのときは「一旦シェアルームやっときな~」という神のお告げだと思い、部屋を変更することはしなかった。


そんな生活をして3か月弱。どうしても一人になりたいときもあって、誰かとパーソナルスペースを共有することに慣れたわけではない。

しかし、わたしがこの異国の地で壁にぶつかっても、また明日も頑張ろうと思わせてくれる存在がルーミーなのだ。

いつも見せてくれる笑顔と優しいまなざし、
部屋に入るときはいつもより1トーン高い声で"Hello!"と言ってくれるところ、
周りをよく見ているところ、
芸術的センスに溢れているところ、
がとっても愛おしいし、こんなルーミーに巡り合えてとてもうれしい。

また、さまざまな価値観の相性がいいことも、とても運がよかったと思っている。

朝は焦らずゆっくり準備をしたいから早めに起きること、
寒い日でも朝起きたら換気をすること、
夜は早寝で、消灯のタイミングが割と合うこと、
共用部分の清潔感に対する価値観が似ていること、
なんといっても、狭い部屋の中に無言で2人でいても、居心地が良いと感じること。

一人になりたいときもあるし、頑張れば部屋を変更することもできる。
でも、わたしがこの部屋に居続けるのは、部屋を移動すると、ルーミーと話せる時間が減り寂しいからだ、と最近気付いた。

毎日多くの言葉を交わしているわけでは決してないが、確実にわたしの心の支えになっているルーミー。

このnoteを書き上げながら、あと少しの期間、ルーミーと過ごせる時間を大切にしよう、日々の感謝ををしっかり相手に伝えよう、と思った。



今日もわたしたちは足を向けながら眠りにつく。


“Good night~”



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