溺れそうになりながら見つけた光 #7
「溺れた先に見える光があったりもするよね」
友達にそう言われて、今のデンマーク生活のことを思い浮かべた。
わたしのデンマーク留学生活は、ものすごく順調で毎日キラキラ最高!!
というわけではないと思う。(もちろん、楽しいこともあるが)
自分の弱さと闘い、もう駄目だと思う夜を何度も乗り越え、もがきながらも生き続ける。
それを例えると、足がギリギリつかないくらいの水深のプールで、つま先立ちになりながら必死にジャンプをし続けている感覚で、
ここで足が麻痺したら溺れてしまう。
ジャンプの高さがちょっとでも低くなると溺れてしまう。
前もよく見えない。でも、飛ぶことを辞めない。
そんな中、たまに浮き輪を持ってきてくれる人が来て、救われる。神経を集中させる必要もなく、リラックスしながらプールを泳ぐ。
自分が今どこにいて、目の前になにがあるのか、自分の中でしっかりと認識をする。
しかし、その浮き輪は気づいたらなくなっていて、また、孤独の中でジャンプをする。
それの繰り返し。
そんな日々だからこそ、日常にあるちょっとした変化を大切にするようにできた。
1DAYのコンタクトが1箱終わったとき、
シャンプーを使い切って、詰め替えるとき、
日付の月が変わったとき、
日が短くなるのを感じたとき、
気温が下がり、夏から冬になったことを実感したとき、
「一旦、よく頑張った!!えらいぞ!!」と自分を褒めてあげるようにしている。
今まで気づかなかったけれども、当たり前だった生活の中には、自分を肯定してあげられる瞬間がたくさん詰まっていた。
満員電車に乗って運ばれた先で授業を受け、バイトへ行き、課題に終われ、たまに遊びながらも、先のことを考えさせられる東京での日々。
たくさんの人工物と人に囲まれ、せかせかと生活している中で、日々呼吸をして生きているだけで素敵だという当たり前の事実を忘れかけてしまっていた。
そのことを思い出させてくれたのが、このデンマークでの生活だった。
自分の中では大きな成長の1つで、それに気づけたことだけでもデンマークに来た意味はあると思っている。
だからわたしは、これからも、
もがきながら、溺れそうになりながら、見えた一瞬の光を愛でていく。
わたしがわたしで在れるように。
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