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バナナが落ちない

パートナーが不在の、土曜日の午後。いい感じで赤ちゃんが寝てくれたので、数分だけでも勉強をしようと、パソコンとノートを開く。しかし勉強の用意が整った途端に、子どもからおやつを要求される。やる気を途中で削がれたくないので、いつもよりも少し甘さ増しで、おやつを用意。静かになって、いい感じに勉強が進んでいた時、

「見て!バナナ普通は落ちるけど、落ちない。ここに来て。見に来て」


最近、また見てって言い出したな、と思う私。「バナナが落ちないって何よ?」
「普通は落ちない。こっちに見に来て、来ないとあかんわ。来てーー。」


やれやれ、と思い、しぶしぶ見にいく私。
「何が?」
「見て、ほらーー。」


お皿の上を、見る私。皮を剥いて輪切りにして置かれたバナナは、端っこが傾いていて倒れていない、というものだった。


バナナ、落ちてないけど、(粘力で)傾いてる。
「そっか、倒れなかったんやんね」
「そう、倒れなかった。普通はこうはならない」

私だと、ただバナナを食べるという出来事ひとつで、こんな大事に発展することは、ない。
こうして毎日が、とても些細なことで埋まっていくのが、疲れるやら、面白いやら。
しかし、一日の会話の80%以上が恐竜、ジュラシックワールドというのは、なかなかに面倒な子育て作業ではあるのだが。

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