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「タミヤの戦車プラモを作りたい」と思って初めて手にとったもの

幼稚園の頃からプラモデルを作り初めてこれまで、一大ジャンルである戦車のプラモデルを作ったことがありませんでした。でも、

これとか、

これとか、昨年から「タミヤの戦車プラモはすごい」「塗装しなくても楽しい」というムーブメントをしっかり受けて一度作ってみたいと思うようになりました。ちょろい。にわか呼ばわりwelcome。
ところが売り場に行くと。

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すんごい多い。私の戦車の知識はシンゴジラで多摩川で奮戦していた10式戦車と、メタルギアソリッドでグレネードを投げ込んだことぐらいしかなく、正直何が何やらわかりません。おそらくガンプラも、知らない人から見たら同じく思われるのでしょう。新規開拓はかくも難しい。

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△けっこう車両が多いんですね

決めきれないため、作りたいものの条件から考えてみます。「タミヤの戦車プラモの良さを1個で知りたい!」というのが根底にあるので…
 ・僕から見て戦車であること (大きい主砲が1本&キャタピラがあること)
 ・新しめの商品であること
 ・かっこいいこと (作っていてテンションが上がること)

で、通し番号(新しいものほど大きいはず)と箱絵のカッコ良さ、戦車らしさだけで選ぶこととしました。戦車の正しい定義はさておき、です。僕が戦車と思えば戦車なんです。

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△選んだのはコイツだ!

M1A2エイブラムス戦車。語感から勝手に中東イメージだったのですがアメリカなんですね。そういえばリンカーンもエイブラハムだ。まごうことなき戦車。誰がどう見てもザ・戦車。はじめまして戦車。

サンドイエロー一色で塗装してもそこまで難しくないと思うのですが、ここは初めての戦車ということで、塗装無しの素材を活かした"刺身"でいただきたいと思います。

※刺身という表現は尊敬するからぱた氏がよく使う表現を使わせていただきました
https://wivern.exblog.jp/25419663/

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△初めてでもパッと見で何のパーツかわかる安心設計

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△砲塔上面にはザラザラのテクスチャーが整形されており撫で回してしまう

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△こちらにもザラザラパーツが。そしてとても細い手すり(後に折った)

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△戦車を戦車たらしめるキャタピラ。1コマずつの部分もありますが私に組めるのでしょうか…

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△タミヤと言えば人。過剰すぎない服のシワこそリアルというものでしょう

まず刺身にする前のネタの状態を見ていくと、細やかな造形が気配りとなって全てのパーツに施されているような感覚を覚えます。ちゃんと戦いそうだし、ちゃんと人の服。パーツ段階で「見てわかる」状態だと、組み立てていくテンションは上がりやすい。あとシャキッとした造形なのにプラ自体は柔らかい。接着剤必要だとプラの剛性・弾性による保持を考えなくていいのでしょう。細かいパーツが多いとこの柔らかさは助かります。一個折ったけど

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△まずはシャーシから。いきなり重りが出てきて戸惑うし、2個あるA12パーツをひっくり返して使うのすごい。接着剤流し込みながらサクサク進む

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△サクサク組めるぞーと思った直後「16個作ります」で出鼻を挫かれるの図

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最大の関門、キャタピラ。まっすぐの部分は1パーツながら、曲がっているところは1コマずつのパーツ。こんなんどうやって組むんじゃ、、と心配でしたがなんのことはない、説明書通りに作るとピタっとスプロケット(ギヤみたいなトゲがついてるやつ)に、キャタピラパーツが吸い込まれていく。そこに接着剤を流すだけ。これは気持ちいい。

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しかもそれが、最後のパーツをはめ込むとピタりと一周する。パーツを分割しないと生みだすことが出来ない面の傾きのグラデーションが目の前に現れる。これが模型を組むということなのか。

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△しかし胴体を完成させるとキャタピラの大部分は見えなくなってしまう

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しかし持ち上げると精巧さとしてまた顔を出す。隠れてはいるがそこにあるのを僕は知っている。組んだから。組み立てたから。これがただのプラスチックの塊ではなく模型であることも知っている。

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△合わせ目も表面処理もない。接着剤を流せば分割のない人が完成する

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そして戦車プラモデルの刺身が爆誕しました。
無塗装&無改造。それでもこれで完成であると言わんばかりの佇まい。これだけで酒が飲める。

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キャタピラがあり、ボディの上に砲塔が乗り、砲塔からは主砲が伸びる。This is 戦車。ありがとうタミヤ。

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タミヤプラモデルの細部を撮る時、人はマクロレンズの価値を再発見します。

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ハイディテールの戦車から顔を出すハイディテールのおっさん。同じプラスチックが、その造形のみによって戦車と肌と服を演じ分けます。

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おじさんは元気そうです。

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いやー、いいよね。

選ぶ際に自分の中の戦車イメージを条件にしてこの子を選びましたが、作っている時、私はどこで「あぁ戦車を作っているな」と思うのかを考えて見ると、

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実はこのタイミングだったんですよね。キャタピラを組んでいる時でもなく、主砲を差し込んでいる時でもなく。つまり、キャタピラを覆う屈強で堅牢な前低後高のボディこそに僕は戦車を感じていたと。

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きっと僕は機動戦闘車にも戦車を感じるし、主砲が対空機関砲だったとしても「これは(僕の中で)戦車である」と思ったのでしょう。

作ることで理解が増し、自分の認識が浮き彫りになる。
しかもかっこいい。
初めてでも作ってみましょう。

よく見たら、メタルギアで戦った戦車もM1だった。ザ・戦車!

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