現実と向きあわない向きあいかた

小学4年生のときのこと。わたしはいじめに遭っていた。プロレスのわざをかけられたり、当時はやっていたカンフー映画のやられ役をさせられたり。もう何だったか忘れたが、風貌のことでからかわれたり。とにかくつらかった。いちど、学校帰りに級友が発した言葉に我慢がならなくなり、ちょうど家の近くまで帰ってきていたわたしは、家に飛び込むや鋏を持って外に飛び出そうとした。洗面所の鏡の前にいた高校生の姉が

「あんたどうするつもりや!」

姉の一喝がなければ、わたしは傷害事件を起こしていたかもしれない。姉には今も深く感謝している。

ところで、わたしはいじめのことを両親に話していた。両親はこの件について、とくに学校に抗議する様子もなく、のんびり構えていた。そしてわたしはわたしで、そんな親たちに憤りを感じることもなかった。なぜか。

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