同じモノを観ていないが、同じく観ている
以前、ある画家の方と、インターネットでやりとりをしたことがあった。その方は、自分の作品を添付ファイルで送ってくださった。細密な抽象画。宇宙を感じさせるようでもあり、細胞をも想わせた。何号という言い方をわたしは知らないが、きっと縦横1メートル以上はある原画なのだろうと想像した。
次にやりとりをしたとき、わたしは尋ねた。
「あの絵、きっと大きいんでしょうね」
「いいえ。A4くらいの紙に描いてるんですよ」
その一言を聞いたときのわたしの驚きを、彼にうまく伝えられなかったのがもどかしい。添付ファイルの小さな画像からでさえ、巨大さを想像させていた作品である。それが実際にはコピー用紙程度の大きさの画面に描かれていたというのだ。
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