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夢分析

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2019年12月の記事一覧

連続夢の展開

その夢のなかの街では、絶えず何処かで工事をしていて、重機の音が絶えない。街じゅうに槌音が響き、何かを期待させるような感覚が昼の乾いた光や夜気に満ちている。アスファルトは剥がされ欠片となって無造作に積み上げられ、工事中の敷地を囲う白い塀パネルやシートが至る所に目に付く。工事に携わる人たちの姿を見たことはない。繰り返し現れるその街が舞台の夢を、私は連続夢と名付け、注意深く観察してきた。ずっと昔から、何

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夢の哲学

夢の中で私は数字の一覧が書かれたノートを見ている。その数字はとある雑貨店の商品の小売価格と店のマージン率を表したものだった。あまりにも売値が安くまた儲けが少ないことに驚き、この店も大変だな、と私は思っている。

次の場面では、元気な中年女性が、路上の車の脇で、錨のマークを手で、というかジェスチャーで宙に描いてみせた。私は錨のことかな、近くの港のことを言っているのかな、と思う。

さらに場面は転換し

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夢の中の死者の研究

ぼくは臨終の床にあった。いや、すでに死んでいるのだが、魂は何度も身体に戻ってきてしまう。そして、息絶えた身体に取り憑いて動き回っている。その狭い畳の部屋は、背の低い古箪笥が壁際に置かれている。田舎の旧家の一室のようである。すでに死んでいるぼくの身体はその部屋をゾンビのように歩き回っているが、青黒く変色し、明らかに硬化しつつある。ぼくは自分がすでに死んいでることを自覚している。家族はなかなか死んでく

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