PM組織化の失敗談とミドルPMの重要性とそんな話をざっくばらんにできるイベント告知
これは何
これまであんまり発信してこなかった、バクラクシリーズのプロダクトマネージャーの組織変遷を少し公開してみよう、ということでnoteにしてみます。
プロダクトマネージャー、経験者がなかなか採用できない、という声をよく聞きますが、当社も例に漏れず、素晴らしい方ほど引く手あまたなので、実際には未経験者採用等もしている経緯があり、少しそのあたりの内情を共有できればと思っています。
また、LayerXでは、ジュニアPM・ミドルPM向けの#PMやるしかNightを開催します。組織の屋台骨は、やはりミドルPMです。
そんなミドルPMの人たちやこれからミドルPMになりたい!と思う人はぜひLT枠のご応募 or 参加の応募をお待ちしています!
自己紹介
バクラク事業のVPoPをしているnumashiといいます。
経歴は、ハードウェアエンジニア3年→ソフトウェア企業でビジネスサイドなんでも屋2年→LayerXで営業からプロダクトマネージャーまでなんでも屋3年弱です。
自分自身も、LayerXで未経験からプロダクトマネージャーになり、ジュニアな状態からミドルなプロダクトマネージャーになり、シニアと呼んでいいのかわかりませんが、多少頑張っている、という形です。
バクラクPMのバックグラウンド紹介
2024年4月時点で組織全体にアンケートを取った情報をまとめています。
バクラク事業はBtoB SaaSの事業がメインですが、toB/toCの経験は特に問わないです。が、結果的にtoBもtoCもやったことある人が半分を占めています。
最も特徴的なのは、45%が未経験からスタートしていることです。LayerXでプロダクトマネージャーとしてやり始めた、という方が多く在籍しています。なお、直近の入社者は経験者が立て続けに入っていただいた関係で、少し比率としては下がっています。
未経験者でも2通りあって、もともと別の職種で入社した後、社内異動でプロダクトマネージャーになるケースと、最初から未経験者だけれどもプロダクトマネージャーとして入社するケースです。
弊社の場合は、両方のケースがあります。いずれも複数名該当します。
私はというと、前者の内部異動パターンで、3ヶ月ほど法人営業を経験した後、プロダクトマネージャーになっています。後者でも、「プロダクトマネージャーというラベルはついていないけど、実質的にプロダクトマネージャーをやっている人」のような方もいれば、全く未経験です、という人もいます。
PM組織における、ミドルプロダクトマネージャーの重要性
組織として事業成長を加速させるためには、一人前のプロダクトマネージャー、つまり「ミドルプロダクトマネージャー(以下、ミドルPM)」の存在が非常に重要です。ミドルPMは、ジュニアPMと異なり、単にタスクをこなすだけでなく、プロダクトの全体像を理解し、他のチームメンバーと連携してプロジェクトを前進させる役割を担います。いわゆる組織における屋台骨であり、複数プロダクトを運営しようとすると、ミドルPMの数が足りていれば、事業成長を牽引する大きなドライバーになります。一方で、不足していると、そこがボトルネックとなり、事業成長が妨げられてしまいます。
しかしながら、ミドルPMを育てることは簡単ではありません。特に未経験からスタートする場合、学習のスピードや習得すべきスキルが多岐にわたるため、体系的な育成の枠組みが求められます。
組織体制を整えようと、Laddarを作ろうとしたが失敗だった
バクラクシリーズにおいても、プロダクトの数>PMの人数になる時期が一時期存在し、組織化が急な課題となることがありました。
結果、ミドルPMになるためには、どうしようか?ということで、ミドルPMに求められる要件を定義し、Laddarを作ろうとしました。
結論から言うと、結局運用に乗りませんでした。要は、大失敗だったわけです。
失敗といいつつ良かったなと思っていることは、Laddarを策定し、すぐに本格運用させるのではなく、作ってみて自分の中で日々の1on1で使ってみる、PDCAを小さく、コントローラブルな範囲で行うことで、Laddarを人事評価に使うような、大きい運用の前に失敗ができたことです。
組織づくり・制度設計より相手のポテンシャルを信じる
逆説的な書き方になりますが、組織人数が5人とかで組織化しようとしても、個別性高いです。
いくら将来的に急成長を志向している組織だとしても、早すぎる組織化はうまくいかない、典型だと思います。
それより、未経験者が多い組織なら、ハンズオンで仕様を一緒に作ってみる、Discoveryのフェーズにおいて、ユーザーヒアリングに一緒に出てみるなどをやったほうがうまくいくケースが多いです。いわゆる、OJTの重視です。
要は、相手のポテンシャルを信じて、あんまり制度制度せずにいきましょう、という感じです。
感覚的には、20〜25名超えたあたりでLaddarは必要だなと感じるんだと思います。今のバクラク事業には、かっちりしたLaddarより、OJT、定期的なフィードバック、そして、領域をまるっと渡す権限委譲の方が大事なのかなと思っています。
未経験者育成のきっかけは権限委譲
前提なのですが、育成っていう言葉は正直好きではないです。そもそも持っているポテンシャルが発揮されているだけであって、育成はニュアンス的に自分が育てたみたいに見えるためです。
ただ、よくよく考えてみたら、伸びている人って、そのきっかけは全部「どこまで大きい領域を、良いストレッチ度で任されたか」だと思っています。
かくいう自分も、全然右も左もわかりませんでしたが、PMになって3ヶ月で新しいプロダクトをリリースしています。
しかしながら、その過程はただ丸投げなのではなく、CPOが一緒にやってくれて、CPOがある程度作ったもののディティールを詰めていくところから始まり、一瞬でCPOが次のプロダクトを作るためにいなくなるのでそこから後は全部自分の責任でやる、というちょっと優しめの助走と、激しめの独り立ちでした。
未経験ではあるもののある程度できた理由は、人数の少ないPM組織においては、Laddarのようなものや制度設計ではなく、集中的なOJT(ハンズオンに近い)と、激しめに任せる権限委譲だと思います。
最近の悩み:シニアPMを生むのはもうどうすればいいかわからない
一方で、ミドルPMからシニアPMへ成長させる再現性のあるプロセスについては、まだ十分に見えていない部分が多いです。シニアPMには、プロダクトの運営だけでなく、組織全体を見渡し、経営視点を持ちながら長期的な戦略を描ける能力が求められます。また、他のプロダクトマネージャーのメンターやリーダーとしての役割を果たすことが期待されるため、単純な技術やプロダクト知識だけではなく、リーダーシップやマネジメントスキルも重要になります。
現状、ミドルPMがシニアPMに成長するための明確なロードマップや仕組みがまだ確立されていないのが課題です。もちろん、個々のPMが持つモチベーションや才能、経験に依存する部分が大きいのは事実ですが、より多くのPMがシニアにステップアップできるような再現性の高い仕組みを構築したいと考えています。この点については、他の企業の成功事例や失敗からも学びたいと思っており、業界の方々とのディスカッションを通じて解決策を模索しています。
ジュニアPMやミドルPMの話、聞ける場所少ない問題
上記の通り、ミドルPMにはこういうものが必要だなあ、とか言語化終わってきたのに、なんか語る場所ないなあという課題感を持つようになりました。
pmconfのような場所はバランス良くジュニア・ミドル・シニアとばらけさせることで良いナレッジ吸収できるイベントだなあと思っていつつ、①開催が年1回、②とはいえ大きなイベンドで、魅力的な講演ありすぎて全部聞きたくなっちゃってアットホームな会話する感じとは言い難い、ということがありました。
じゃあ、イベントやっちゃおう、ジュニアPMとミドルPM向けに。
と、いうことで11/28にイベントやります!@LayerXオフィス(東銀座駅が最寄りです)
LTは先着順です!今どきめずらしく抽選式じゃありませんw
ぜひ集まりましょう!そしてアットホームに、ざっくばらんなお話ができることを願っています!