大寒(二十四節気)・款冬華(七十二候)と歳寒三友
1月20日頃は、二十四節気の「大寒」です。一年で最も寒く、降雪が多い頃です。「こよみ便覧」では、『冷ゆることの至りて甚だしきときなれば也』と書かれています。七十二候では「款冬華(ふきのはなさく)」。寒さの中、蕗の薹(ふきのとう)が蕾を出すという意味です。款冬は蕗の異名ですが、ヤマブキやツワブキの異名としても用いられます。蕗は万葉の時代から日本で親しまれてきた山菜です。
明日よりは 春菜採まむと標めし野に
昨日も今日も 雪は降りつつ
(万葉集 山部赤人)
この「春菜」は蕗のことだと言われています。
積もった雪から芽を出す蕗の薹が、寒さのピークを乗り越えて春がやってくることを教えてくれるます。寒さを表す言葉に「歳寒」という表現があります。文人華の雅題の「歳寒三友」は冬の寒さにも耐える松と竹、寒中に花を咲かす梅の取り合わせで古来中国の文人文化では「清廉潔白」「節操」を表しています。日本では松竹梅でめでたい組合せになりますね。ちなみに歳寒三友は福寿平安とも呼びます。
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