哲学と科学

覚書。
去年の暮れに初めてサルトルの『存在と無』を読む。
序盤にデカルトの「われ思う、故にわれあり」に対する疑問を投げかけており、要するにそこで述べられていたことは「自分に意識を向けることで自覚する自分は、意識を向けられる前の自分とは別の存在では?」ということだった。

そこでハッとし、これって要は不確定性原理のことじゃんと気がついた。
というわけで哲学と科学は似ている、というよりもそれは同じ事象を別の言葉で表現しているだけであって(それはちょうど波動力学と行列力学が数学的には同じであったように)、科学的な事象を言葉として表現したものこそが哲学であるといった可能性も存在するのではないかと思ったわけだ(調べると不確定性原理が発表されたのは1927年、『存在と無』は 1943年刊とのことなので、サルトルが意識していた可能性もあるかもしれない)。

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